C11つまみボルト選定(1); 思いがけない寸法制約

一年ほど前にC11の光軸調整ボルトをオリジナル品から蝶ボルトに変更しました。効率アップの点でこれは大成功でした。その後さらにつまみボルトへの変更も検討したことがあります。ところが、つまみボルトの選定には想定外の制約があることが判りました。結局つまみボルトには変更せず、蝶ボルトに留めることにしました。

■蝶ボルトの利点と欠点(使用した感想)
(1)利点
①工具なしで調整できる
②入手しやすい(通販/ホームセンター)
③安価である(約870¥/約160¥ @3本)

(2)欠点
[1]つまみが線対称(点対称でない)

最後の[1]をもう少し詳しく説明します。
鏡筒正面から蝶ボルトを廻すのはとても簡単です。ところが実際の光軸調整では、天上を向いた鏡筒の背後から手を伸ばして副鏡ホルダーの3方向の窪みに潜む蝶ボルトを廻すことになります。この際、蝶ボルトのつまみが点対称ではないので、蝶の向きによっては慣れていないと上手に廻せないのです。

■つまみボルト(点対称)
これを改善するため、つまみの形状が丸く点対称のつまみボルト(ローレットボルトを含む)を採用することも考えてみました。



すぐ気付くのはつまみボルトの外径への制約です。つまみボルトの外径は①15~17mmφの大型のものと②10~11mmφの小型のものに分かれます。長径17mmφの蝶ボルト並みのトルクを得るには、やはり大型の①が必要だと思われます。



ところが、正面からの二次元画像を見れば一目瞭然ですが、大き目の外径の①(左側の赤丸)では、窪みを塞いでしまうため指を差入れるスペースがなく、ボルトを上手く廻すことができないのです。一方、径の小さい②(右側の赤丸)なら指を差し入れるスペースはあるのですが、肝心のトルクが不足(11/17=約65%)しこちらもうまく廻せないようです。さて困りました。(一見欠点とみえた線対称という蝶ボルト(上側)の特徴は、スペースとトルク確保の両立という隠れた④番目の利点であることに気付かされます)

結局のところ外径①の大き目のつまみボルトを使うには、副鏡ホルダーの窪み(深さ約8mm)からヘッドを突出させて突起として廻せるようにするしか手が無いようです。

具体的には、案(1); ヘッドの高さの高いものを選ぶか、案(2); 中空の円筒スペーサーに長目のボルトのつまみボルトを通しヘッドそのものを持ち上げるか、の2案のどちらを選ぶことになります。後者ではスペーサーの長さ分だけ長いボルト長さが必要になります。

■突起高さの寸法制約
さてここからが想定外だった制約の登場です。結論から先に書くと、副鏡調整ボルトの突起高さの寸法制約は、保管時に被せる鏡筒カバーと副鏡ホルダー先端の狭いギャップで決まってしまうのです。この制約はつまみボルトの選定をかなり窮屈なものにします。



この画像は、下段には鏡筒の先端部の断面模式図、上段には鏡筒カバーの断面模式図を示しています。保管時には、鏡筒の先端部A-A'と鏡筒カバーB-B'が重なって鏡筒カバーが装着されます。ノギスで計測すると、A-A'と副鏡ホルダー前面のギャップは約3±0.5mmと狭く、またB-B'と鏡筒カバー内側の最深部D-D'のギャップも僅か約2.5±0.5mmしかありません。この計測結果から、光軸調整ボルトの突起高さの制約値はこれらの合計約5.5±0.5mmとなります。

この制約値の確からしさは極めて重要で、間違いがあると鏡筒を破壊する恐れ※があります。(※制約値を超えた場合、鏡筒カバーが副鏡ホルダーの前面を押し補正板に圧力が加わります。この状態で鏡筒ホルダーを底面として鏡筒を床に立てると補正板が割れる可能性があるのです)

追加してモノ合わせ的なやり方で突起高さの制約値を求めてみます。1円硬貨の厚みが約1.5mmであることを利用します。複数枚重ねた1円硬貨を副鏡ホルダー前面に貼り付け、鏡筒ホルダーとの干渉有無を確かめながら突起高さの制約値を求めました。

計測の結果は、3枚(約4.5mm)以下; 干渉なし、4枚(約6mm); 干渉ぎりぎりで鏡筒ホルダー装着可能、5枚(約7.5mm); 干渉のため鏡筒ホルダー装着不可となりました。因みに6角鉛筆(辺対向幅; 約7mm)も同様でした。以上からモノ合わせで求めた突起高さの制約値は最大6mmのようです。

ノギス測定とモノ合わせの両方から、制約値5.5±0.5mmは確からしいと判断しました。さらに安全をみると突起高さは4~5.5mmと置くのが良いようです。ところでこの4~5.5mmですが、人の指でつまめる突起高さとしては最低限度ではないでしょうか?4mmはかなり厳しい気がします。

話を少し脱線します。
突起が必要だったり、突起の高さ制約が厳しかったりする課題の本質的な要因は、鏡筒先端A-A'と副鏡ホルダー前面とのギャップが狭過ぎるためです。fastar仕様になって光軸調整ボルトを化粧カバーで隠すギミックを導入したため副鏡ホルダー前面が高くなり、ボルトが約8mmの窪みの中に沈みました。この化粧カバーを止めれば良いのにと思います。


次に突起高さ制約の元でのつまみボルトの選択を進めてみます。



(つづく)


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