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★彡 サマーセールで、広角レチクル・アイピース(照明付き)がお薦めです

あちこちでサマーセールです。
SvBony日本の直販サイトで広角レチクル・アイピースSV152を購入。以前ご紹介したミニボーグ45EDIIを使った高倍率ファインダーに装着。実視野角が3倍近く広がりホントに良く見えるように。ついに併用していた純正ファインダーを撤去しました。




■実視野角= 見かけ視野角÷倍率
今回、実視野角のこの計算式を改めて噛み締めました。実視野角は、"アイピースの見かけ視野角"を"倍率"で切り取った分だ ということです。"倍率"を増やすなら、"見かけ視野角"も増やすこと。ファインダーではこの二つのバランスが大事です。あと、対物レンズの特性値が式に登場しないことに引っ掛かる方いませんか?安心下さい。焦点距離等は、倍率の数字に間接的に織り込まれています。


■高倍率ファインダーはどう変わったか?


上表のように、従来Meade 9mm適用のミニボーグ45EDII(#2)は純正ファインダー(#1)の倍率を4xしただけのもので、実視野角は1/4xと見易さに難がありました。当時は倍率を優先したため他に良いレチクル・アイピースが入手できなかったのです。仕方なく機能面で難のある純正ファインダーとの併用となり、悪いとこ採り?の結果に。


今回SV152 20mm適用のミニボーグ45EDII(#3)では、実視野角を"倍率"約半分で先ず2.2xに、さらに"見かけ視野角"広角化で1.4xに、と併せて3.1xに広げることができました。純正ファインダーと比べて、倍率約2xながら、実視野角はx0.78と十分な広さの優れモノとなりました。


■まとめ・・・広角アイピースの威力
・ホント見易い。見える星夜が変わります。
・8末あたりで終了のはずのセールがなぜか今も続いてます。国内代理店と比べると4割以下の廉価なのでお薦めです。    ^  ^



★彡 拡大率アップで色分散増大、新たなADCが必要なのか?

拡大率を上げて行くと、ADCの補正量が追いつかなくなることが起きます。現行の接眼システムでは、ADCがバーローレンズの後だからです。拡大率をどのくらい上げると起きるのか、新しいADCが要るほどなのか考えてみました。

■拡大率とプリズムシフト量の関係


上図は、ADC補正量最大(プリズム角度4°(=2x2°))とした場合の補正後シフト量を計算した結果です。低空の火星を想定して、高度: 20°、視直径: 6"としてあります。この図で補正後シフト量がプラスの領域は最大でも4°の現行ADCでは補正不可ということになります。

拡大率を上げることで分散量は右肩上がりに上がり、7xを超えるあたりから2本ともにプラス、すなわち補正不可となるようです。


■計算の方法






補正後シフト量の計算は、よく利用されているソフト「Planet Prism」で行いました。このソフトではプリズム位置を可変した計算が可能です。プリズム位置は300mmとしました。ただし設定可能な数値上限は100mmのようなので、300mmは比例計算で推算しました。


■まとめ
・拡大率アップで気になっていたADC効果の低下につきおおよその感触を掴めました。プリズム角度の大きなADCの新規購入までは不要と判断しました。
・低空20°の火星の設定では、拡大率7xを超えると2°プリズムのADC単体では確かにカバーできません。画像処理ソフト等での追加補正でしばらく凌ごうと思います。
・拡大率10xでもADC単体で補正可能とするには地上高度30°以上が必要なようです。
・次の夏至の早朝3時少し過ぎで火星の高度は30°を超えます。視直径は6.9"です。以降、薄明は遅くなる一方なので撮影可能な高度はぐんぐん上がります。もう少しの辛抱です。



★彡 火星 UT:2022-05-18; ASI482MCに新しい2.5xバーローを組み合わせる

ASI482MCの拡大率アップのため、新たに入手した2.5xバーローを試してみています。単一のバーローでの撮影は初めてで、拡大率6.5x前後の実現を目指しています。
■火星 UT: 2022-05-18 19:01:24





Diameter=6.12"
Magnitude=0.76
CM=223.6°
---
C11, V-POWER II with a high static pressure fan, 2.5x Barlow, 55mm Extention Tube, ADC, EFWmini, IR/UV Cut Filter, 4-Turret-Holder, ASI482MC, Bit depth=12bit, Shutter=10.0ms, 120s@99fps, Gain=380(63%), North-up,
合成F/62=1.34x(8x5.8)=1.72x(従来36)

当日気流に恵まれませんでしたが、それでも画像処理を強めにすると濃淡模様が浮かび上がりました。2.5xバーローでの拡大率は5.4x、延長筒を付けて6.2x程度でした。


▲NASA提供の地形図との対比
撮影はCM=220°の位相、右の地形図の赤の矢印が指すラインが中心になります。


■参考; 5月19日03h(JST) 天気図


■参考; 5月19日03h(JST) Windy高層気流図



★彡 残念ながら悪い予感が的中、バーロー直列化は愚策でした

先日来、主に火星撮影でテストしているバーロー直列化。画質の評価のため土星で適用前後を比較すると、一目瞭然の結果を得ました。残念ながら悪い予感が的中、バーロー直列化は愚策のようです。


■バーロー直列化の適用前/後の対比

△左: 延長筒のみ  (F/45, '22-05-07)
△右: 延長筒+2xショートバーロー(F/72, '22-05-11)


拡大率の比はおよそ1.6倍。撮影日は異なりますが、気流条件はほぼ同様でした。直列化だと、モニター上では滲んだ感じでピントが上手く掴めません。


一方で、火星撮影ではハレーションこそ気になりますが、土星程の差には気付きませんでした。さすが均整の惑星、土星です。


■まとめ
・リボルバーを挟んだバーロー直列化は廃棄
・拡大率アップに向けて新しい主バーローレンズを探すとしましょう。



★彡 火星撮影は暫くお預け。高層の気流は良くなってきているのだろうか?...

4/19朝の火星撮影は曇って空振り。向こう1週間見ても安定した晴れは見込めないようです。暇つぶしに高層の気流は良くなってきているのか手元にあるデータを、ひっくり返してみました。

上図は、ここ一月の晴れ間が見込めそうだった日だけを選んで、いつもの高層気流図を並べてみたものです。

★暴風が支配的なホワイトゾーン; 境界W-w
ここでホワイトゾーンとは、図の白、または淡黄色は風速50m/sを超える領域が支配的な層と定義します。これら白、または淡黄色の風は、10000m/250hPaなどの高層よりも5500m/500hPaなどのより中域に吹くとシーイングに壊滅的なダメージをもたらします。

境界W-wは、ホワイトゾーンとその他を区分けする境界線です。3月には500hPa/5500mで見てまだ残っていたホワイトゾーンは、4月に入り姿を消したようです。3月と4月に一つの区切りが見られます。

★緩気流が支配的なグリーンゾーン; 境界G-g
ここでグリーンゾーンとは、緑または青の緩気流(10m/s以下)が支配的な層と定義します。目を細めで見て、緑っぽかったらグリーンゾーンとしています。赤や紫の風ならば惑星の外形さえ歪めてしまう700hPa/3000mで見て、4/12あたりで一つ区切りがあるようです。

冬型気圧配置が暖められて緩和していく姿を風速の形で眺めているわけです。3月から4月にかけて、高層の気流は火星撮影がよりやり易い状況に改善されてきています。



★彡 松重豊さん風に言えば「早く言ってよ~ ASI482MC !」

先日のASI482MCによる火星初撮影でのこと。悪戦苦闘したと書きましたが、翌日その原因が判明しました。


画像は新旧カメラの向き(USB端子)を揃えて、内部構造を比べてみたもの。旧品に比べて、482MCではセンサー・チップの縦横が90°回っていますね。同じ向きの画像を得るには、予め482MCカメラを90°回してセットする必要があります。頭に沸いのは記事タイトルの通りの言葉、、、

■悪戦苦闘するわけだ、、、
当日発生していたのは①PC上の火星位置の微調整での不具合。赤道儀リモコンボタンからの移動の向きがおかしいわけです。

もう一つは②画像向きの不具合。いつも通りの画像処理で姿勢補正すると、いつもと違いなぜか南が上。さらに回転修正する羽目に。

チップ回転は頭にありませんでした。

■お粗末な顛末に
ところで、ZWOはチップをなぜ回したんだろう?回ってるなんて、説明書に書いてありましたっけ?


お粗末な顛末に、また記事タイトルが沸いてきます。



★彡 ASI482MCは惑星撮影向きなのか?(4); 【補足】拡大率の理論値と経験値

ピクセルサイズ変更で見直しが必要だった拡大率ですが、①定義をあらためて確認しておきます。その②理論値、それをベースにした③経験値を整理してみました。



△ASI482MCのセンサーチップ



■拡大率
この話になると何故かお決まりのように、望遠鏡の解像度を表す「遮断空間周波数: ν」、センサーの解像度を表す「ナイキスト周波数: νn」が登場します ^  ^ 。その比: M=ν/vnを拡大率と呼ぶようです。2つの周波数をバランスさせるための数字です。難しい話の割には、答えはシンプルです。
「配列ピッチdd(μm)のセンサーでは、主鏡(明るさF)の焦点距離を下記M倍以上に伸ばしなさい。ただし、光の波長: λ=0.0005mmとする。」
   •モノクロカメラ; Mm=4•dd/F
   •カラーカメラ   ; Mc =8•dd/F
以上は、この記事を参考しました。
まあ、センサーが決まり主鏡の口径が決まっていれば、焦点距離しか加減出来ないですしね。
今回扱うカメラの数字は以下の通りです。

★290MCのケース
①理論値: Mc=8•2.9/10=2.32
②実際値(=現行値): Ma=3.6(=1.55•Mc)
③経験値: Me=(1.5~2)•Mc
経験的には、理論値の少なくとも1.5x以上は狙えと聞きます。意識していませんでしたが、現行値は確かにそれらしい数値です。

★482MCのケース
①理論値: Mc=8•5.8/10=4.64
②実際値(1): Ma=7.2(=1.55•Mc; 290MC参考)
   実際値(2): Ma=(5.8~6.5)=(1.2~1.4)•Mc
③経験値: Me=(7~9.3)=(1.5~2)•Mc
290MCの現行値に倣った実際値(1)で、照度不足の場合はシャッター速度を落とす必要があります。一方で、実際値(2)は明るさ一定としてシャッター速度が維持可能です。



(つづく)



★彡 ASI482MCは惑星撮影向きなのか?(3);  機種決定への紆余曲折

482MC購入では、次の5つの事項を取り上げる毎に買う/買わないと紆余曲折しました。関心ある方に向け、諸元と考慮事項のマトリクス表にその様子をお天気マークで描いてみました。


【α】センサーSNR1sで選ぶなら482MC!...?
482MCで注目すべきは断トツの低照度感度です。姉妹機種485MCとの棲み分けセールストークではズバリ、「①惑星撮影には高解像度の485MC、②電子観望には高感度の482MC」です。しかし惑星撮影でも感度優先なら482MCを選ぶでしょう。

ところが、その電子観望での482MCの評判は「良く写らない」とクレームがあり芳しくありません。設定やドライバーの問題なのかも不明なようで、これが482MCに踏み切れない要因の一つです。


【β】混色や発色異常の問題は無い
462MCの混色問題☂️マーク、485MCの発色問題☁️マークなどの発色問題の指摘は482MCに無く☀️マークとここはクリアします。やはり482MCが唯一の解に思えてきます。(CloudyNightsを覗くと、462MCの混色問題は愛好家同士の格好の討論ネタとなっています。許容派が数的には優勢のようです)


【γ】拡大系複雑化
表では☁️マークとしましたが、これは482MCの問題というより利用者側の利用技術の巧拙の問題です。問題回避のため485MCに傾きかけたりもしました。先日お示ししたリボルバー切り替えによる工夫が奏功すれば☀️マークとなり、ここはクリアします。

【δ】ハードBin2で485MCが感度肉薄?
ハードBin2の内容を全く誤解していました。SN比を犠牲にして高速化しており、「ハードBin2の485MCは482MCの感度に及ばない」旨ZWOサポート窓口から回答戴きました。☀️マーク復活でクリアです。

【η】高評価の惑星作例が少ない
一番のブレーキはやはりここでした。
昨年7月の販売開始以来8ヶ月が経過したものの、これまでネットで公開されている惑星作例は国内1件、海外1件の合計2件だけなのです。いずれもシーズン末期の木星。天候条件がベストではないようで、まあ良い時の290MCと同等の出来栄えです。売れてないのか上手く撮れないのか、いかにも少ない。ただし撮影対象によく取り上げられる主な惑星は既にオフシーズンなので、次シーズンを待ってみるしかありません。

長々と書きましたが、結局はニュートラル。その判断は「もう少し様子を見ましょうか」でした。SNR1sを除くと290MCは☀️マークばかりです。

それでも、背中を押したのはZWOサポートのこの言葉でした。
The 482 and the 485 are comparable cameras with the exception of the pixel size and frame rate. For planetary with the C11, I would recommend the 482mc.


(つづく)



★彡 ASI482MCは惑星撮影向きなのか?(2); 485MCをBin設定で482MCに⁉︎

ところで、482MC(ピクセル5.8μm□)の姉妹機種485MC(同2.9μm□)にはハードウェアBin2という特別な機能が用意されているのをご存知ですか?これが額面通りなら485MCを482MCに見せることが可能に...??

■姉妹機種: C: 485MCとD: 482MC


上表は482MCを含む候補機種3種: B~Dの諸元を現行機種A: 290MCと比較したものです。C: 485MCとD: 482MCは、ピクセルサイズの違いを除くとたいへん似通った姉妹機種の関係です。そしてこのピクセルサイズの差こそが、485MCの高解像度、482MCの高感度のそれぞれ特長を生み出す結果をもたらしています。機能的には、482MCは485MCをハード的に2x2のビニングした専用製品と解釈しておりました。

■485MCのハードウェアBin2機能
ところが、マニュアルで485MCにはハードウェアBin2という特別な機能が用意されていることに気付きました。ハードウェアBinは他機種にはありません。原文を引用します。

ASI485 camera supports software bin2, bin3 and bin4 mode and hardware bin2, bin3 mode.

これが額面通りなら、485MCに482MCと等価または より近い高感度性能を期待できそうです。
もしそうならいつもは高解像度、時に高感度となる485MCが482MCより魅力的に見えてきます。482MC=ハードBin専用品の解釈も怪しくなってきます。ネットにこれ以上の情報も無く、これら姉妹機種の選び方が益々判らなくなってしまいました。


■ZWOサポートの回答
こうなるとZWOに直接聞くしかなく、サポート窓口にメールで問い合わせてみました。以下12時間ほどで届いたZWOサポートの短文の回答の要約です。

・Binの基礎知識として次を参照下さい
・ハードBinは読み飛ばしでSN比が犠牲になる
・485MCハードBin2は482MC特性に及ばない
・C11惑星撮影には482MCを推奨します

期待した定量的な説明は無かったのですが、問いへのYes/Noはハッキリとした回答でした。やはり24時間以内回答の対応は素晴らしいものでした。
(英文回答の要約の文責は私にあります)


そして、482MCを前にした私の背中を押す意見に初めて巡り合いました。


(つづく)



★彡 ASI482MCは惑星撮影向きなのか?(1); 拡大率のリボルバー切り替え挑戦

追記@2022 05/16
以下に記載したバーロー直列化は、画質の顕著な悪化を招くことが判明。#1-②と#1-③の2案は廃案としました。
---
手元に届いたのはASI482MC。実戦適用の前に、拡大率を変更する準備をしているところです。現行機ASI290MC/ASI290MMからのピクセルサイズ変化はなんと4倍(2.9→5.8μm□)!拡大率を現行機の2倍とかに大きく上げる工夫が要ります。






■拡大率を1.6~1.8倍アップ
計算上、照度一定の条件での拡大率アップ上限は約1.8倍( SNR1sの改善比0.23/0.07=3.29の平方根 )です。ここでは、拡大率アップ目標を仮に1.6~1.8倍と置きます。現行光学系拡大率は3.6x(合成F36)なので、アップ後は5.8~6.5xを狙うことになります。

■バーローでの実験をしながら気がついた


上表は手持ちのバーロー#1~#6についての拡大率の実験結果(黒字)です。実験しながら下記に気が付いたのです。

a. 手持ち6本には、5.8~6.5x該当品は無い!
b. あったとしても、2セットの切替は面倒!
290MC/MMの現行機セットへのバーロー交換の場合、必ずピントを見失い、さらに主鏡移動で惑星の方向まで見失うとその回復にたいへん時間を浪費します。また、接眼部セット毎の入れ替えの場合では、カメラ・ケーブル交換となおさら大変です。これがASI482MC導入を躊躇した最大の理由でした。でも勢いで発注、いつもながら向こう見ずなものです。
c. 拡大率切替をリボルバ光路切替で行う!
そう、「早く言ってよ~」の部類です。

■拡大率をリボルバ光路切替で可能とする
<#1-①; 延長筒の追加>
最初に試したのは延長筒(64mm)の挿入。これで予想通り拡大率が+1しました。
<#1-②、#1-③; 2x ショートバローの追加>
さらにカメラに2x ショートバーローを装着すると、#1-②~③(青字)のとおり5.8~6.5xを満たす解が見つかりました。

地上ビルのネオンで確かめると、カメラ切り替え時のピント位置シフトは接眼部シフトで僅か1mm程度です。切り替えるとピントが外れますが対象を見失うことはないので、すぐにピント修正可能です。やはり主バーローを変えないのがポイントです。

■まとめ
・ピクセルサイズの異なる複数カメラ(ASI482MC, ASI290MC他)の撮影システムを構成してみました。
・リボルバ光路切替部で拡大率を可変可能とし、複数カメラ系を両立させた構成を可能としました。
・バーロー2つの2ヶ所使い等無理した部分があります。実際の惑星撮影で、色収差、歪曲収差などの大きな弊害が無いか検証するつもりです。




(つづく)



★彡 低照度感度(SNR1s)のトップ20; Sony イメージセンサー@セキュリティ

Sonyのイメージセンサーの製品リストを、電子観望などで重視されている指標SNR1sが優れた順にトップ20としてソートしてみました。主な狙いは、①SNR1s優位センサーの把握、②既存ZWOカメラとの対応把握、③次期カメラ製品への予見 です。


■参照した最新イメージセンサー製品リスト
参照したのは、セキュリティ分野用途の上記最新製品リストです。ソート機能付きの製品リストなのですが、何故か肝心のSNR1sはソート不可。仕方なくPCに取り込みソートしました。

■トップ20; 表のカラーの見方
(1)元々の表にはセキュリティの28製品ほどが掲載されています。オレンジ色の文字表記は新製品を示しています。
(2)ZWO製品に採用されたイメージセンサーは青字で表記しました。
(3)さらに、準セキュリティに位置付けられる#3, #19(背景を黄色)を追加しました。両者ともZWO製品に採用され、惑星カラーカメラのスタンダードとなっています。
(4)全30種をソートしトップ20を切り出しました。10ではなく20にしたのは、#19をカバーしたかったからです。

■トップ20; 考察
(1)SNR1s上位センサーのほとんどがZWO製品に採用されています。とりわけトップ5は全て採用済みです。
(2)ピクセルサイズ大ほどSNR1s優位は教科書通りです。最大ピクセルサイズのIMX482がトップ位置です。従来比で2倍を超える改善は断トツの値です。
(3)IMX482を越える製品は無く、ASI482MC超えのカメラの登場はしばらくは見込めないようです。
(4)ただし実装したASI482MCは発売以来一年弱と短いこともあり、惑星撮影の公開データで目を惹く成果は全くありません。
(5)電子観望用途では一部にはマイナス要素で話題となっています。惑星撮影での今後の評価が待たれます。

■惑星撮影とSNR1sの関係
長らく#3を実装したASI224MC(SNR1s=0.13)が高感度で鳴らしてきました。その後続製品については、販売店によると以下の感度の序列があると謳われてきました。必ずしもSNR1sの大小ではないようなのです。

ASI224MC≒ 385≒ 290 ≦ 462

SNR1s数値の示す通り、482が462を大きく超える存在となるのかたいへん興味深いです。
追記)
適当な言葉が見当たらず、SNR1sを低照度感度と表記しました。



★彡 最新のZWO惑星カラー・カメラをカタログ探索してみた

久々に、活用頻度の高いZWO製の惑星カラー・カメラをカタログで探索してみました。目ぼしい機種をピックアップして、現有機のA; ASI290MCとの比較で表形式にまとめました。

★B; ASI462MC (赤混色が難点)
SNR1s(ソニーの低照度画質の指標)でA; ASI290MCを2割程上回るため、目下のところ世界的にも定番機種となっています。赤外領域の感度が極めて高いことも普及を後押ししています。ただ赤に混色という難点がありこれまで敬遠してきました。


★C; ASI294MC (オールラウンダーながら)
惑星カメラの範囲を超えてZWO製カラーカメラ全体を眺めてみると、突出したオールラウンダーのC; ASI294MCの存在に気付きます。これは画素数からはDSOや電子観望向け機種ですが、ROIを絞れば驚くことに惑星撮影も可能なんです。さらに明るさ(SNR1s)はA; ASI290MCを4割も凌ぐ高性能ぶりです。またADCは14ビット出力を選択しより高階調な描画のメリットも期待できます。価格はさておきモノクロ版(154.5K¥)も魅力的な惑星カメラを超える面白い存在です。


★D; ASI482MC (SNR1sで選ぶなら)
こちらは、ピクセルサイズ拡大(2.9μ→5.8μm□)で大幅なSNR1s向上(A; ASI290MC比で3割)を果たした機種です。手持ちの高性能機種ASI224MC(SNR1s:0.13 [lx]@3.75μm□)に比べても比5割と大きく上回っています。ただ同一ピクセルサイズのモノクロ版は無いので、LRGB撮影は光学系を取り替えるなど手間がかかります。


と、どれも決定打はなく、一長一短があって悩ましいですね。



★彡 シュミカセ鏡筒の冷却効率改善(3); 直列ファン→高静圧ファンの改善効果

高静圧ファンでの温度順応テスト(コールドショック有り)を行いました。直列ファンとの比較で高静圧ファンの改善効果を分析しました。


■今回テスト内容
①屋内保管の鏡筒を夜 屋外(ベランダ)に設置。
    (重要; 鏡筒温度T2=主鏡温度T1でスタート)
②温度順応なしで高静圧ファンON。
③温度センサーにて温度推移を測定


■測定結果と分析 


(1)鏡筒T2/主鏡T1の温度経過の説明
▶︎鏡筒温度T2
コールドショック(20→14°C)の進行が一段落した25分過ぎ、さらに外気温は低下(14→12℃)を続けます。「ステップ応答」風に言えば、時間0で-6°の負のステップ入力が入り、25分後 -0.3℃/10minの負のランプ入力が数十分間の間 重畳するイメージです。
▶︎主鏡温度T1
25分過ぎから-0.8°C/10minの傾きで温度低下が始まります。


(2)主鏡T1-鏡筒T2温度差; 直列ファンとの比較
下段グラフで、コールドショック進行が止まる25分を経過すると、-0.5°C/10minの冷却速度で対流冷却が始まります。直列ファンの-0.2°C/10min に比べて約x2.5倍の速度向上ですが、これは高静圧ファンの効果だと思われます。
試算すると、
冷却速度比=風量比=最大静圧比の1/2乗
~√260/50 = x2.3と近い値となります。


■ここまでのまとめ
・高静圧ファンの適用により、対流冷却速度の大幅な向上(~x2.5)が見込まれます。
・これは高静圧化(50→260Pa)によるファン対流冷却の強化に起因します。
・以上より直列ファンを高静圧ファンに置き換えることにしました。ここまででA: 高静圧ファンの適用は完結とします。


(最初の記事に戻る)



★彡 シュミカセ鏡筒の冷却効率改善(2); 高静圧ファンの騒音対策

高静圧化の原動力であるファン回転速度向上には騒音の心配が付きまといます。


着荷した高静圧ファンをフォーカサー; V-POWER IIに簡易なやり方で取り付けて通電テストを実施。初めに深夜運転に支障の無い音圧レベルの確認を行いました。



▲高静圧ファン装着後
(iPhone カメラのポートレートモードで撮影)



■音圧レベルの評価・判定
電圧を変えながら、高静圧ファンの音圧レベルと音圧ピークの周波数を測定しました。測定は、"Sonic Tools"というフリーアプリでiPhone を使いました。ご近所迷惑にならないように、それぞれの電圧で夜間運転の適否を体感で判定しました。






▲音圧レベル等の評価・判定結果



■判定結果
夜間運転の適否判定では、定格のおよそ半分の7.5V以下まで下げる必要がありそうです。dB数値で言えば実測50dB以下が目安となります。9V 48dBでもPASSしそうですが、9Vと7.5Vでは体感で有意な差があります。ピーク周波数がより高いためでしょうか。ここで7.5Vでは、最大静圧260Paが見込めます。

因みに直列ファン(最大静圧~50Pa)では12Vで音圧レベルは実測28dBでした。

■ここまでのまとめ
・高静圧ファンの装着を完了できました。
・夜間運転では7.5V以下の運転が必須です。
・この条件で冷却速度の改善を評価予定です。


(つづく)



★彡 シュミカセ鏡筒の冷却効率改善(1); 直列ファンを高静圧ファンへ

主鏡の温度モニターの結果、鏡筒の冷却速度が極めて低い(-0.2℃/10min)ことが判明しました。これをファン高性能化や鏡筒構造の小改善で対策できないか検討してみました。




▲高静圧Fanの装着(目的: 干渉チェック)
Gap: 充填する隙間の大きさ


■ファン高性能化と鏡筒構造の小改善
A. 高静圧ファンの適用
静圧を上げる目的でファンを直列化したのですが、依然として静圧が不足しているようです。さらに高静圧なファンを探し、換装することを考えます。

B. プッシュプル換気の適用
現行は接眼部からの「プル換気」です。補正板近くにプッシュ・ファンを設けて、「プッシュプル換気」にすれば高静圧ファンの効果をさらに引き出すことが可能です。


ただし新たなプッシュ・ファンを装着するには、シュミカセ鏡筒先端部に穴開け加工が必要となります。(副鏡を外し副鏡ホルダーにプッシュファンを装着する案は有効ですが、撮影時に使えないのが難点です)
ここではまずA. 高静圧ファンの適用を進めることにします。冷却速度改善の状況を見てB.を進めるか考えることにします。

■高静圧ファン探索の経過と結果



高静圧ファン製品では、山羊電気さんのラインナップ充実度が群を抜いていることが判りました。外型別に36,38,40mm□の小型のものから150mm□まで全12種ものラインナップがあります。

まず外型ですが、現行の30mm□に対して今回は最小の36mm□を選びました。冒頭の断面図を見て下さい。V-POWER IIの二式のベアリングハウス(灰色)の間にファンを装着するためには、最小サイズ(36mm□)が必須なのでした。
36mm□には表の#1~4の製品があり、最大静圧275~1400Paが選択できます。ただし#1は欠品状態のため、#2~3から(1)最大静圧~500Pa以上(現行品の一桁↑)、(2)雑音60dB以下(深夜騒音考慮)の条件で選びました。唯一#3(黄色でハイライト)が候補として残りました。

■選定した高静圧ファンと現行ファンとの対比




現行ファンは#1のSicoh製の外型30mm□ファンを直列化したもので#2(青でハイライト)の特性のものです。最大静圧は直列化により~50Pa程度と見込まれます。

今回選んだのは#3の高静圧ファン(黄色でハイライト)です。最大静圧は525Paと約一桁アップが見込まれます。参考までに一桁アップの原動力は、
(厚さの比)x(回転数の比)^2
=(28/14※)x(19/8.4)^2=2x2.26^2≒10
と回転数の寄与が圧倒的に大きいです。
※直列ファンは直列化ロスで厚さを20→14mmと割引きました。(最大静圧50Paと対応)

■中間まとめ
発注した販売代理店によると、海外在庫があるそうで次週には届くようです。高静圧ファンの効果がどの程度なのか期待と一縷の不安が交錯します。


(つづく)

★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(7); コールドショック有りでの温度順応

※グラフほかを見直しました。
「コールドショック進行後に対流冷却が阻害される期間があり冷却速度が低下する」モデルを初め唱えましたが棄却し、次のモデルとしました。「コールドショック進行後は、(現状直列ファンのパワー不足による)低冷却速度が一貫して続く」


2回目のテストでは、コールドショック有りでの温度順応をテストしてみました。以下、コールドショック有り/無しでの温度順応の差異についての知見です。


■今回テスト内容
ポイントは手順①をコールドショックとなる低い外気温で実行したことです。
①屋内保管の鏡筒を夜 屋外(ベランダ)に設置。
②温度順応なしでフォーカサー直列ファンON。
③温度センサーにて温度を測定


■測定結果と分析


(1)鏡筒/主鏡の温度経過の説明
▶︎鏡筒温度
最初の10分間で-4℃程(29→25°)の急峻な温度低下(コールドショック)を起こし、その後安定します。鏡筒材料が熱伝導率の高い金属(アルミ)であり、短時間で鏡筒全体が冷やされます。


▶︎主鏡温度
最初の鏡筒の急激な温度低下に一旦追随するものの、その後ファン対流冷却の効果で主鏡温度はゆっくりと低下します。



(2)主鏡-鏡筒温度差の解釈
冷却速度はおよそ-0.2°C/10minに見えます。


■まとめ
・コールドショック有りの条件で、冷却速度はおよそ-0.2°C/10minと予想外の遅さでした。そしてこの冷却速度の向上は今後の新たな課題です。
・月初に思い立ったシュミカセ主鏡の温度モニターですが、短期間で上手く実用化できたようでたいへん満足です。


(最初の記事に戻る)

★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(6); 初めての実機テスト

※グラフを一部見直しました。


木星撮影がてら温度センサーによる初めての実機テストを行いました。撮影はシーイング不良で不作でしたが、温度モニターが結果を残しました。


■テスト内容
今回の狙いは、(1)主鏡-鏡筒 間の温度差モニターの機能評価 と(2)フォーカサー直列ファンの冷却能力の把握 です。要は、温度モニターが期待通り動いていることの確認です。


①屋内保管の鏡筒を夜 屋外(ベランダ)に設置。
②温度順応なしでフォーカサー直列ファンON。
③温度センサーにて温度を測定


■測定結果と分析
(1)温度差モニターの機能評価
2組の熱電対(T1,T2)の測定値の差分はほぼ0℃です。(数分眺めると0.1℃の差が表示されたりしますが、測定誤差なのか実際そうなのか判定できません) 1℃を超えるような測定誤差を懸念していましたが、全く問題なくひと安心です。


(2)主鏡T2-鏡筒T1 間の温度差モニター結果


▶︎鏡筒/主鏡の温度経過グラフ
悪天候続きで屋内保管していた鏡筒ですが、この日 日中は暖かくテスト開始前で既に2.4℃の温度差がありました。夕方には鏡筒温度は下がったものの、鏡筒内には昼の熱が篭っている状態でした。


屋外に出すとたまたま外気温度と鏡筒温度は近く、コールドショックなしに鏡筒温度は25℃前後で落ち着きました。主鏡温度は直列ファンの効果でゆっくり下がる様子が見てとれます。


▶︎主鏡-鏡筒 温度差グラフ
初めて見る主鏡-鏡筒 温度差グラフ(下段)ですが、予想外にうねりながら低下しています。このうねりの原因は、外気温度の変動や風の影響による鏡筒温度の変化のようです。鏡筒を断熱材で包むと良いという話を思い出しました。


肝心の冷却能力ですが、グラフから -0.2℃/10minと読めます。期待値(ざっと-1℃/10min)の数分の一でした。僅か2℃ちょっとの温度差解消に1時間超えはショックでした。


■シュミカセ温度順応の"常識"と実体
これまでシュミカセの温度順応についてあちこちで見聞きしてきた"常識"は以下です。


①接眼部開放で放置; 最低1時間
②ファン使用(鏡筒排気ファンSなど); 最低20分


ただし①でも最低数時間という説もあり、温度差を明示しない分とても曖昧なものでした。
今回温度モニターをしてみた結果これまでの常識は楽観的過ぎて、実体はその3倍程度と見た方が良さそうです。


■まとめ
・新規投入した温度センサーは主鏡温度モニターとして十分機能することを実証しました。
・現状直列ファンの温度順応は、コールドショックなしの条件で -0.2℃/10minでした(コールドショックありとも比較が必要)。あらためて撮影中も常時オン可能は大きなメリットです。
・温度順応速度の向上は今後の課題です。


(つづく)



★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(5); プローブ接着の成否判定でのパニック

接着の成否判定は、主鏡移動に伴うコード引き込み量の測定で行いました。コード引き込み量は主鏡の移動距離(~3.5cm?)程度と考えていたのに、実際は僅か1cm弱だったのです。外れてる?しくじった⁉︎ とパニックとなりかけました。


■コード引き込み長さを図解
状況整理ために、コード引き込み量を図解してみました。(事前にやっておくべきでしたね)


鏡筒内でコードは以下3つの部分に分けられます。
  ①接着部(~2.5cm); 接着箇所です
  ②空中部(~2.5cm); いわゆる空中配線です
  ③引き込み部(~X cm); 今回話題の部分です


結論は、「コード引き込み長さXは、主鏡移動距離と空中配線長さの差分程度である」です。数式で表示すれば、主鏡移動距離をD cmとして
     X ≒ D - ②空中部  ≒ 3.5 - 2.5 ≒ 1cm 
それを、主鏡移動距離と思い込んでいてその時はさらにD=5cmと推定していたので、実測1cm弱の結果にはただただ驚愕したのです。
やれやれ、、、


(つづく)


実はこのパニックには前段がありました。
最前部から最奥部への主鏡移動でコード引き込みが起きるのはフォーカスノブ30数回のうち最後の数回だけなのです。主鏡を動かせばすぐ引き込みが始まると勘違いしていたので、"外れてる⁉︎"とこれまた空騒ぎとなりました。





★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(4); 温度プローブの取り付けの詳細

温度センサーの装着の準備には結構な時間をかけました。限られた時間で、見えない鏡筒内部で行う接着作業なので慎重を期しました。


■温度センサーの鏡筒への装着手順(①~③)
本体とコードを事前にしっかりと固定するのが要点です。
  ①本体を鏡筒に固定
  ②コードを束ねて固定
  ③熱電対プローブを挿入し鏡筒裏面に接着
■本体とコードの固定の具体例(上記①、②)
L字金具で本体を固定しました。熱電対コードはそのまま束ねて縛って固定しました。

■熱電対プローブの接着の具体例(上記③)
かなり細い熱電対コードですが意外に剛性があります。プローブ挿入長さ~5cm、主鏡移動距離~5cmでは出口で固定すると応力面で厳しそうです。→結局、ネジ孔に小さな貫通パイプを挿入しコードは自由通過の応力フリーとしました。以下、詳細。

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▶︎1. 熱電対プローブ挿入長さ
長さ5cm、主鏡側面からは3cm強内側です。
▶︎2. ネジ溝保護のためのテープ貼付
接着剤の誤塗布を防止。装着後は剥がす。
▶︎3. 主鏡の位置決め(末尾図面参照)
最前部に設置しました。フォーカスノブFK=35
▶︎4. 主鏡裏面へのエポキシ剤塗布
硬化開始時間: 10分間以内に4. と5.を終えます。
爪楊枝に、混合した2液エポキシ接着剤を長さ3cm強だけ塗布し主鏡裏面に塗ります。x3回。
▶︎5. 温度プローブの挿入
同様に熱電対プローブに接着剤を塗布。ネジ孔から5cm長挿入し、応力フリー目的の貫通パイプ(1cm長)をネジ孔に立てます。熱電対プローブを垂直に。さらに主鏡をFK=32へ後退させ熱電対の圧着度を5mm(推定)ほど高めます。
▶︎6. 12時間放置: 塗布残りの硬化具合を参考
▶︎7. 接着確認と主鏡移動
接着確認は主鏡を最奥(FK=0)へ移動しながら行いました。コードの連続的な引き込みを指先で感じれば成功です。
▶︎8. 温度センサーの動作確認
27.6°: 鏡筒温度、-0.9°: 主鏡温度(差分表示)
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■まとめ
諦めていたシュミカセ主鏡の温度モニターの完成です。


(つづく)



▲参考図; 主鏡、ネジ孔、フォーカスノブの関係

★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(3); デュアルチャネル温度センサー

主鏡温度モニターの要件を満たす温度センサーが入手できるか探してみました。(数年前にも探したことがありましたが、適切なものが見つからず主鏡温度モニターは一旦断念)


今回も駄目?→いいえ逸品が見つかりました ‼︎
■主鏡温度モニターの要件
Must/Wantを区分けしてリストします。
(1) 最低2チャンネル: M
(2) チャンネル間温度差の表示(無いと煩雑): M
(3) 小型の感熱素子(≦数mm径): M
(4) 小径コード(≦2mmΦ、曲げやすいこと) ; M
(5) 温度精度 0.1° : M
(6) 夜間視認性あり: M (自発光 or バックライト)
(7) 小型・軽量(ハンディなこと): M
(8) ログ機能: W
(9) PC接続: W


■UNI-T デュアルチャンネル温度センサー


見つけたのはこの商品。
価格も手頃でほぼ全ての条件をクリアします。欠けているのは(8)ログ機能、(9)PC接続 ですが、いずれもWant条件なのでこれで割り切ることにしました。(初期の調整後、ニーズは激減と判断)


大きさはおよそ5x12x3 c㎥。Must条件の(3) 小型の感熱素子、(4) 小径コードも余裕でクリア。ピンポイントの測定が可能で、曲げやすそうです。まるで鏡筒装着のための専用製品のようです。


この温度センサーならシュミカセの主鏡温度モニターをスマートに実現できそうです。


(つづく)



★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(2); 温度プローブ挿入孔と主鏡の相対位置把握

これはC11の主鏡カバートップにあるアクセサリーネジ孔に、LEDを照らし主鏡周辺の入射光を観察している様子です。
フォーカスノブを回して主鏡を最奥(0P)から最手前(35P)に動かし、アクセサリーネジ孔と主鏡の位置関係を回転位置(P)で把握しました。(P:ピッチ)



下3組の暗室撮影の鏡筒正面からの画像ですが、それぞれの中央の紫色のリングが主鏡を示しています。手前に補正板があります。朱記の数字はフォーカスノブの回転位置を示します。


■実験結果の説明
LED光で照らしネジ穴から覗いても中は暗くよく見えないので、鏡筒正面から主鏡を観察することにしました。


外部からネジ孔を照らすLED(左上 黄色の矢印)は2灯あります。白い輝点はネジ孔から漏れるLED光。指向性が強く光が当たれば2点のスポットができます。



【1】状態A(奥): ノブ回転位置 0~10P
LEDの入射光は近接する主鏡側面に当らず、主鏡の前を通過して対向の鏡筒側壁に2点のスポットを照らします。近接する主鏡側面は薄明るく一点が照らされるのみです。この区間では、主鏡側面がネジ孔より奥にあることがわかります。


【2】状態B: ノブ回転位置 11~19P
LEDの入射光は主鏡側面に当たり2点のスポットができています。この区間は、主鏡がネジ孔を通過している状態です。ノブ回転位置19が主鏡側面の最後部に相当します。


【3】状態C(手前): ノブ回転位置 20~35P
LEDの入射光は主鏡側面に当たらなくなり、側面の2点のスポットは姿を消します。近接する主鏡側面は薄明るく一点が照らされるのみです。代わりにLED入射光は主鏡の背面の対向する鏡筒壁面の2点を照らしますが、鏡筒正面からはよく見えません。この区間では、主鏡がネジ孔より手前に位置していることがわかります。


■温度プローブを差し込み・装着する手順
・フォーカスノブの回転位置(0~35P)とアクセサリーネジ孔から見た主鏡位置の関係を実験で明らかにしました。


・フォーカスノブ回転位置: 11~19Pで主鏡側面がアクセサリーネジ孔を通過します。主鏡自体の物理的な厚みは側面の厚さ(= 9P)の倍以上と推測されます。主鏡裏面が通過して温度プローブが挿入可能になるには30Pを越す必要があるようです。


・以上から
「①主鏡は最前面(35P)に据えて、接着剤を塗布した温度プローブを所定の長さだけ挿入、②数回転 主鏡をより奥に移動しプローブに押し付けた状態で固定。固着後は③最奥の回転位置: 0Pまで主鏡を引っ込めコード長さを確保、その状態でコードの中間部をネジ孔入口に固定。最後に④通常の運用位置に主鏡を戻す」


これで温度プローブの装着を実現する具体的な手順が見えてきました。裏面への接着とその強度確保が課題でさらなる工夫の余地を残していますが、徐々にできそうな気がしてきました。




(つづく)



★彡 シュミカセ主鏡の温度モニター(1);  大改造の不要な装着方法はあるのか?

これまで大改造を嫌って主鏡の温度モニターは諦めたままでした。しかしファン冷却の効果把握などにはモニターは欲しいものです。
改めてシュミカセ主鏡の温度モニターの装着方法を考えてみました。


■温度プローブの挿入可能な箇所の検討

この図はネットで公開されているC11の構造図に以下の3つの挿入案を書き加えたものです。


[A]裏面の貫通孔加工 活用案; 
一番直截な案。
アルミ主鏡カバーに貫通孔(4~5mmΦ)を一つ空けるだけですが、それでも加工には主鏡を鏡筒から外す必要がありそうです。労力とリターンを天秤にかけると案却下です。


[B]フォーカスノブ・ネジ孔 活用案; 
これは実現可能か微妙な案。
フォーカスノブ(黒のゴム製)を外すと抑え金具(オレンジ)を止める3本ネジを外せます。この細いボルト穴を介して主鏡裏面に温度プローブを通すという案です。




[C]アクセサリーネジ孔 活用案
主鏡カバー側面に開いているアクセサリーネジ孔の一つを利用する案です。図の緑の矢印のように、温度プローブを孔から差し込み主鏡裏面に這わせて固定できれは上出来です。これら3つの案の中で一番筋が良さそうです。

ただ、木星撮影が終わった後の鏡筒の中を覗き込んでみると、アクセサリーネジ孔は主鏡鏡面の数cm前に見え、上の図面のような位置関係ではありません。本当に実現可能なのか主鏡位置とネジ孔の位置関係を明らかにしようと思います。


■まとめ
・シュミカセ主鏡の温度モニター実現法を整理しました。
・鏡筒構造からA、B、Cの3案が考えられますが、面倒な加工の要らないC案が現実的で最良案に見えます。
→となるとC案が実現可能か、アクセサリーネジ孔と主鏡の位置関係を詳しく調べる必要が出てきました。


(つづく)



★彡「新型 高感度 トライバーティノフマスク」(2); やっぱり"内径の拡大加工"しました

アストロストリートのこれ、大型の光軸ボルトの場合、内径不足の課題がありました。しばらくの間は、"マスク嵩上げ"で凌いでいましたが、結局は"内径の拡大加工"に至りました。"マスク嵩上げ"は、鏡筒の主鏡側から手を廻した場合は苦し紛れの策となります。

■内径の拡大加工後の画像



画像に追加した白線の丸が元々の内径端。
光軸ボルトの三角形の0.8cmほど外側を囲う大きさ(Φ約7.2cm)です。拡大加工後の内径はΦ約10cmなので、約3cmも拡げたことになります。
これでレンチ一体型光軸ボルトの長アーム(長さ4cm)が鏡筒の主鏡側から手を廻した場合でも楽に操作できるようになりました。

Bob's Knobなどのより短い光軸ボルト(Φ1.6cm)でも、差し込んだ親指を回すためには内径を同程度拡げたくなりますね。

■拡大加工の方法•••蛇足ですが
アクリル材は割れ安く、また家庭だと手軽な加工方法もないので拡大加工を躊躇っていました。
①アクリルカッター; X•••曲面加工難
②糸鋸; X•••加工難(ふところ長さが不足)
③電動糸鋸; O•••但しハード割高(X)
④レーザーカッター; O•••但しハード割高(X)
⑤電動ドリル; Δ•••悪効率

必要に迫られやむなく⑤の電動ドリルということに。Φ4mmの木工刃で穴開けを50発超。さらに鑢、鑢、鑢、、、梅雨の片手間


△証拠写真 ^ ^




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★彡 シュミカセには冷却ファンの直列動作が有効というお話

惑星撮影用フォーカサー側面孔に取り付ける冷却ファンの選定ですが、結構真面目に取り組んでいます。3種類のファン構成の中から、小型30mm⬜︎ファン2ケの直列駆動を選びました。図はその解釈です。



■実験結果
40mm以下の制約下で、風量の多い下記2種類を準備し、フォーカサー繰り出し筒を開放し吸込み風量をテストしました。以下その結果です。

【1】30mm⬜︎fan [風量: 3.5cfm, 静圧: 36Pa]
    型名: SHICOH F3010EB-12UCV
サイズ的に取り付け易く、風量も比較的大きいので本命視していました。しかし、吸込み風量は気持ち足りずで決定案にはなりませんでした。

【2】40mm⬜︎fan [風量: 7.4cfm, 静圧: 29Pa]
    型名: X-FAN RDM4010S
本案は【1】案が風量不足の場合に備えたバックアップ案でした。最大風量は【1】案の2倍以上あります。しかし実験すると、意外なことに風量は少し下がった印象。あらら⁉︎•••

•••と途方に暮れた後、これは圧力損失が高い系なのだと改めて認識しました。確かに風の経路は、出口の側面孔の等価面積は1.8cmΦほど、それから繰り出し筒との1mm幅の空隙(長さはフォーカサー長の10数cm)を伝い鏡筒へ、しかも鏡筒はほぼ密閉空間なのですから。
→大事なのは、最大風量より最大静圧だと。

【3】直列30mm⬜︎fan [風量: 3.5cfm, 静圧: 54Pa]
単一に比べ風量は同じですが、静圧は乱流ロスを差し引いてもおよそ1.5倍は見込めます。実験では【1】より倍近い風量に感じました。これに決定!

国際単位系のPaは馴染みなくピンときませんね。100Pa≒1gf/cm2だそうです。

■風量-静圧 特性図
冒頭の図は、試しに描いた特性図。最大風量、最大静圧をもとに、特性は直線近似です。圧力損失大として、30mm⬜︎ファンの動作点は①。40mm⬜︎ファンで最大風量を上げても動作点は②で、なるほど風量は僅かにダウンです。

しかし30mm⬜︎ファン直列では動作点は③となり、静圧、風量ともに1.5倍と増加が期待できます。

圧力損失カーブがもっと寝ていれば、40mm⬜︎ファンは30mm⬜︎ファンの2倍近くの風量を稼げます。ただ今回の環境はそのような風がビュンビュン抜ける系では無いのでした。

▲直列2個使いの30mm⬜︎ファン
秋月電子通商さんの税込¥100/ケが有り難いです。



★彡 新フォーカサー選び(11); ファンでフォーカサーから冷却?

惑星撮影用に入手したV-POWER IIフォーカサー。ひときわ目を惹く胴体のV字マークは刳り貫きの貫通孔なんですね。鏡筒の空気を抜くことが出来るか、小型の冷却ファンを試しに取り付けてみました。



■サイズ30mm□の小型DCファンを採用
冒頭の図で、V字マーク上に取り付けた小型ファン、繰り出し部の隙間を塞ぐマフラーチューブの取り付けの様子を示してます。

重ねてみると下図のようです。取り付けた小型ファンは12V、サイズ30mm□のモノですが、V字孔をちょうど覆っているのが判ります。



末尾の考察から今回は30mm□を選びました。商品ラインナップの極めて少ない30mm□商品ですが、このSHICOH技研製の商品(秋月電子通商)は40mm□並の風量(3.5CFM)や驚くべき低価格(税込¥100❗️)の優れモノです。

■まとめ
・30mm□ファン: オンで2"バレルへの弱い空気吸引が確認できます。(光学トレインを装着後は隣接するADCの光学フィルターで塞がれ鏡筒内は負圧となります)

・想定する使い方は、
  ・撮影前; 60mm□ファン@2"バレル
  ・撮影中; 30mm□ファン@フォーカサー

・冷却効果はどの位なのか実地テストが楽しみです。無い場合(密閉鏡筒)と比べれば大きな改善だと思うのですが。



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【考察】
①寸法制約; 直付けならサイズ上限は40mm□位
②所要風量

通常ケース(60mm□ファン(~16CFM)@2"バレル)を断面積で換算、

所要風量=~16•断面積比
=~16•(π•0.9^2 /π•2.54^2) ※
=~16•0.12
=~2

※V字孔の断面積=2.5cm2=π•0.9^2
→直径約2cmの丸穴と同等

30mm□(3.5CFM)なら2倍近くあり必要十分と判断。所詮は実質直径2cmの丸穴ですしね。




★彡 新フォーカサー選び(10); DeepSkyDad FA3の使い勝手を良くする最大位置変更す

惑星撮影のための新フォーカサー選びのつづきです。フォーカサーV-POWER IIを制御するDeepSkyDad FA3の最大位置数値を約2cm+相当へと設定変更してみました。当然ですが使い勝手がグッと良くなりました。

■Maximum position変更が必要な理由
FA3のAscomドライバーを見てみると、デフォルトでは長さ1mの位置調整をしていることになっています(∵ Maximum Position: 1,000,000 Step、ここで1μm/Step)

V-POWER IIの位置調整は2cmほどなのでMaximum Position を20,000へ設定変更します。

■まとめ
・最大位置数値を2cmに変更。
・焦点調整を直感的にできるようになります。
・下記手順書を備忘録として起こしました。



(つづく)



----Maximum position の変更手順-----
【1】ASCOMドライバーの切断
FireCaptureからフォーカサーを切り離します。
→設定パネルの"Use Focuser"をオフします。


【2】V-POWER II の繰り出しを目盛1cm+へ
電源をオフしフォーカス・ノブをマニュアルで回し繰り出し位置を Positions: 10,000に相当する目盛1cm+に設定します。その後電源オン。



▲繰り出し位置を調整(写真は調整前2cm+)

【4】FireCaptureでASCOMドライバーを書換え
FireCaptureを起動して"Use Focuser"をオン。"Open ASCOM setup dialogue"を開きFA3を選択。Ascomドライバーを書き換え、接続します。

①Reverse direction: ON
②Maximum movement: 10,000
③Maximum positions: 20,000
④Set position; ON connect value: 10,000



【5】Position: 10,000を確認
フォーカサー・パネルでPositionに10,000を確認。矢印クリックでフォーカサーが動くことを確認。



これで基準位置10,000Step=1cmを中心としたフォーカサ操作が可能です。
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★彡 新フォーカサー選び(9); PC接続V-POWER II をFireCaptureから制御してみる

惑星撮影ソフトFireCaptureからV-POWER IIを制御し、焦点位置の再現精度をチェックしてみました(グラフ参照)。結果は良好。どうやらダイアルゲージは外せそうですね。


■1Stepは何μm?
FA3での1 Stepの変化によってV-POWER IIの位置は何μm変化するのでしょうか?設置済みのダイアルゲージでこれを直接測ってみました。
結果は540μm/500Step=1.08μm/Step。
ほぼ1μm/Stepなんですね。

■惑星の焦点合わせの模擬実験
惑星撮影時の焦点位置は、モニター像を見ながら数100μm幅※の範囲で焦点を前後させ決めます。(※幅は大気状態に大きく左右されます)

冒頭のグラフはこれを模した模擬実験です。
具体的にはStep数を+10づつ上げて0→100(上り)、-10づつ下げて100→0(下り)と往復させた時の変移量をプロットしたものです。上りは黒丸、下りは橙丸。

上り下りの変移量差は最大2μm(Step=40のポイント)、黒丸が微かに見えるポイントが変移量差1μmです。(ダイアルゲージの精度議論は置いておきます)

以上から、ソフトからの位置の再現精度は充分高く、ダイアルゲージ による常時チェックは無用のようです。

■FireCaptureの設定と操作
フォーカサー設定パネルの下2行で、Step sizeの設定をします。ここではStep size: 10とStep size fast: 100としました。


操作は下図フォーカサー・パネルで行います。Position を示すStep数値を見ながら、<<, <, >, >>の4つのボタンで位置調整が可能です。


Positionは相対表示とすることも可能です。

■まとめ
・デフォルト時、FA3+V-POWER II では ほぼ1μm/Stepです。
・デジタル化により位置の再現精度は充分高く、ダイアルゲージ無しでの撮影運用が可能です。(校正時のみダイアルゲージ要)



(つづく)





★彡 新フォーカサー選び(8); FA3が到着、V-POWER IIへの装着を完了しました

惑星撮影用の新フォーカサー選びのつづきです。4月1日 首を長くして待っていたモーター/コントローラーFA3が届きました。発注から9日目に着荷。内訳は、発送まで5日間、輸送に4日間でした。

■開梱結果


届いたのは①: 段ボール箱、②: Mini USBケーブル。開梱してみると、③FA3本体(5cm角)、④専用アダプター(V-POWER II向け)、⑤: リングアダプター、⑥: 固定アーム、⑦: 取付ネジほか、⑧: ハンドコントローラー、⑨: 温度センサー、ペラ一枚の取説が段ボール箱の上です。
そしてなぜかグミHARIBO ^ ^

■装着結果
取説に従って、FA3を装着。3本のケーブルは左から、Mini USB、DC12V、ハンドコントローラーです。さらにソフトをインストールしました。



PCを接続、FireCaptureで認識し、焦点調節、位置保存、位置読み出しが可能なことを確認。詳細は機会を改めますが、ここまでで笠井トレーディングさんのV-POWER II をステッパー制御とすることが狙い通り可能になりました。



(つづく)



---(3Dプリンター加工だな)



FA3は4本の固定ネジで専用アダプターに固定します。「あれっ!?」このうち1本が穴に入りません。よく見ると、穴の下に薄い黒いバリが。細いドライバーで取り除き事なきを得ました。



---(まずはアルコール消毒!)
スロベニアの感染者数は3月に入り増加。一日あたりの感染者数は約1000人/約200万人。人口で換算すると、東京なら約6000人/日 相当(東京の今より人口当たり一桁半多い)という深刻なレベルです。念のため開梱したパーツはアルコール消毒しました。






★彡 新フォーカサー選び(7); Deep Sky Dad; FA3のスロベニアからの発送経路の不思議

惑星撮影用の新フォーカサー選びのつづきです。
明日には待ちに待ったコントローラー/モーター FA3がスロベニアからDHLの国際便で届く見込みです。動作リポートを書く前に少し箸休めの話題を。

■小国のスロベニア
スロベニアは人口約200万人、面積が四国(こちらは人口約380万人)くらいのまさに小国です。EUのどこにあるか知っている方は少ないでしょう。イタリアの東、オーストリアの南に隣接するんですね。歴史を辿ると欧州の火薬庫と呼ばれたあのバルカン半島ユーゴスラビアに行き着くのです。

そんな小国の小さなスタートアップに天文パーツを発注したわけですが、その発送経路は次のような不思議なものでした。

■スロベニアからの発送経路の不思議



DHLは[ライプチヒ-成田]間に定期貨物路線を保有していますから、スロベニアからの貨物がライプチヒに集荷されるのは予想通りでした。しかし不思議なのはスロベニアから北のライプチヒには直接向かわず、西のミラノへ迂回する経路を取ったことです。

■"ミラノへ西行する理由"
この西行の理由、数日は納得いきませんでした。DHLの欧州貨物ネットワークの発達具合によるものとも思えませんし。

そうこうするうち地図、それも地勢図を見て漸くある事に気付きました。



■地勢図が示す"ミラノへ西行する理由"
答えはスロベニアがアルプス山脈の南にある小国だということです。陸路は北をアルプス山脈に塞がれており、貨物のアルプス超えは空路に頼るしかないのです。

そして人口30万人弱の首都リュブリャナからはライプチヒへの直行便は無いんでしょう。その結果、アルプス超えの空路は[ミラノ-ライプチヒ]直行便に頼るしかなく、ミラノを目指しアルプス山脈に沿うように陸路を西行したんです。

スロベニアのことを少し理解した気になりました。そして世界中で吹き荒れる感染症の嵐の中、欧州のこの小国からの貨物が正味4日で自宅に届くことに驚きました。



(つづく)





★彡 新フォーカサー選び(6); 牽引強度のモデルと計算式を図解してみた

惑星撮影のための新フォーカサー選びのつづきです。本テーマで用いてきた牽引力の計算モデルについて備忘録として図解しておきます。


「水平時、フォーカサー遠端での摩擦応力が牽引可否を決めるケース」の計算モデルについてです。

■光学トレイン装着前の耐荷重量
図の上側は、光学トレイン装着前、繰り出し筒を行程長Lfだけ繰り出した状態です。繰り出し筒先端に最大耐荷重※Wfをぶら下げた場合、フォーカサー遠端を下方に押す応力(緑矢印)とそれに伴う摩擦応力ともに最大となり最も動き辛くなっています。

※最大耐荷重量の定義は、垂直方向に負荷をぶら下げた時牽引可能かつずり下がらない重量の最大値のようです。

■光学トレイン装着後の耐荷重量
図の下側は、光学トレイン(水色)を接続した状態です。光学トレイン重量Wpが上記応力(緑矢印)を超えないようにするためには、梃子の作用を勘案してWp=Wf•Lf/(Lf+Lt/2)以下とする必要があります。これがこのフォーカサーの実効的耐荷重量となります。Lt=6•Lfの場合ならWp=Wf/4。Wfの軽減率が1/4ということです。

■実効的耐荷重量Wpを上げるためには
Wpを大きくするためには、常識的ですが大きな最大耐荷重量Wf、小さな光学トレイン長Ltが有効です。さらにちょっと意外ですが、トレイン長Ltに比べて小さ過ぎる行程長Lfは避けるべきです。ロープロファイル化を狙うあまりLfを無理に下げた設計には注意が必要です。

■まとめ
フォーカサー諸元値に関して、その吟味や選定ガイド記事に触れた事がありません。そんな中、今回の新フォーカサー選びではここに記したモデル、計算式を試しに使ってみました。

高性能ベアリング等で摩擦応力だけでは牽引可否が決まらない場合は軽減率は緩和されます。



(つづく)




★彡 新フォーカサー選び(5); V-POWER II が到着、早速ダイアルゲージ を装着しました

惑星撮影用の新フォーカサー選びのつづきです。今週半ばC案(フォーカサー: V-POWER II+コントローラー/モーター: FA3)の構成で発注しました。驚いたことに、翌日朝にはV-POWER IIが我が家に届きました。

■V-POWER II がもう着荷
朝からクロネコ。発注から僅か24時間で届きました。笠井さんらしいいつもの対応です。

一方、FA3はまだ届きません。加工してスロベニア🇸🇮を発つまで一週間前後かかるそうで、日本🇯🇵に届くまで10日間チョット見た方が良さそうです。

■まづダイアルゲージを装着


C11に装着したV-POWER II にダイアルゲージを取り付けてみました。繰り出し筒を掴む黄色のホルダーがネジと干渉し使えませんので、新たな細工をしました。

V-POWER IIの黒の構造突起(ベアリングカバー?)を小形クランプ(=お馴染み かもいフック ^ ^)で掴みダイアルゲージをなんとV-POWER II本体へ固定。触診端子は繰り出し側のEFWminiに当てるようにしました。従来とは逆向きですがダイアルゲージ の装着完了です。

■ダイアルゲージ を付けてFA3を待つ理由
惑星撮影では焦点位置を前後スライドさせモニター上で合焦点を探ります。FA3はデジタル・コントローラーなので位置復帰(スライド開始点へのリセット)が可能となるのが最大のメリットとなります。

クレイフォードのV-POWER II のバックラッシュも含めて復帰誤差量はどのくらい見込むべきか初めに検証しておきたいと考えています。誤差が少なくダイアルゲージを外すことができればハッピーなんですが。
早く来いFA3!



(つづく)




★彡 新フォーカサー選び(4); V-POWER II をPC制御する対応策を探してみた

惑星撮影のための新フォーカサー選びのつづきです。牽引力No.1のV-POWER II ですが、PC制御が不可なため採用には至りませんでした。
改めてV-POWER IIのPC制御を可能とするモーター/コントローラーを探してみました。

■V-POWER II をPC制御可能とする対応策


★A案; ZWO EAFアドバンス活用
今人気のEAFは実施例も豊富で取り扱い易いと考えたのですが、幾つか難点(下記X)があり採用には至りませんでした。

X; フォーカサー最大荷重量: 5Kg
V-POWER II の8Kgには対応できないようです。特に直結駆動ですしね。

X; 現物合わせで装着が実現可能?
EAF装着の基本スタイルは下図右側の"ブラケットでの直結駆動"です。V-POWER II の装着部の大きなネジがブラケットと干渉するため直結駆動ができません。補助金具製作となると面倒です。

<追記> 本記述見せ消し削除します。大きなネジの役割はストッパー。モーター装着時には取外してしまえるようで、干渉問題は少し楽になります。



★B案; TS-Optics Focus Motor
EAFで頓挫し困っていたところ、TS-Optics製V-POWER用にPC制御が可能なモーター/コントローラーが既に商品化されているのを見つけました。Focus Motor と言います。これはV-POWER II にも転用できそうです。



左がコントローラーを含む全体像。アルミブロックのスペーサーで干渉問題をクリア。"これで決まり"と思ったのですが、良く調べるとPC制御には右のUSBアダプターが余分に追加で要るんだそうです。値段アップ(+1万円強)よりも商品デザインとしてのまとまりの無さに幻滅。結果はボツ。

★C案; DeepSkyDad AF3
DeepSkyDadは馴染みの少ないスロベニアの天文ファン向けスタートアップメーカーです。フォーカサーなどのモーター応用製品を得意としているようです。3Dプリンターで作ったボディーのモーターユニットAF3(写真左、約5cm角、約170g)と様々なフォーカサー向けの3Dプリンター製アダプター(40種!)をセット販売するビジネスを展開しています。



右は昨年発表されたV-POWER向けAF3のプロト版です。これひとつでPCにもハンドコントローラーにも繋がる優れモノだと判りました。

■まとめ
強度とか耐久性とか細かいことはさて置き、"今回はこれだ"と結論(=C案)が出ました。良く見つけたなぁ、、、



(つづく)





★彡 新フォーカサー選び(3); 代表製品の牽引力の実力評価をしてみました

惑星撮影のための新フォーカサー選びのつづきです。先回のモデル計算式を使って代表的フォーカサー製品の牽引力の実力評価をしてみました。

モデルの当否はよく分かりませんが、一つの見方としてこの数字の対比は意味があるように感じます。

■牽引力の実力評価結果

注)一覧表を差し替えました。

全部で5社、7種の製品を対比してみました。
まずフォーカサーの最大耐荷重量と行程長からモデル計算式を使って目安耐荷重Wpを計算し、光学トレイン荷重1.7Kgfに対する充足率を指標として%表示しました。また視認性を上げるため指標は信号機の3色に塗り分けました。
(青; 100%以上、黄; 99~50%、赤; 49~0%)


■個別の評価結果
★笠井トレーディング
最大耐荷重量が異なる3機種(①~③; 2.6~8Kgf)の商品ラインナップがあります。表中③V-POWER IIが8Kgfと最大、充足率123%と最優秀です。懸念は3機種ともPC制御に対応していません。位置再現ができないのは大きなマイナスに感じます。

★Moonlite
最大耐荷重量が3.2Kgfと低く指標43%の結果でした。最大耐荷重量の高いモデルはありますが、こちらは価格面で手が届きませんでした。

★Starlight
C11用としてメーカー推薦の機種を取り上げた結果、最大耐荷重量3.6Kgf-指標66%の評価でした。数字だけ見ればこちらも飛びつくようなものではありません。

★Baader
最大荷重量6Kgf-指標92%は③に次ぐ成績なのですが、課題もあってそれはズバリ価格です。ざっと14万円なんです。メカ5万円、モーター9万円という具合。とくに後者があんまりですね。

★PrimaLuceLab
最大耐荷重量5Kgfながら指標44%と期待外れな数値です。イタリアの新興メーカで、最新技術をいち早く取り入れた設計スタイルが魅力だっただけに残念です。

■まとめ
牽引力の評価結果からは
  1位 ③笠井トレーディング V-POWER II
  2位 ⑥Baader Diamond Steeltrack
ですが、
  ③はPC制御✖️でNG、
  ⑥は価格があんまりでNGと
見事に出口が見つかりません。
さてどうするかな、、、



(つづく)





★彡 新フォーカサー選び(2); 笠井Cyberクレイフォード接眼部の動作限界と考察

現行フォーカサー(笠井シュミカセ用Cyberクレイフォード接眼部)の動作限界について少し詳しく触れておきます。

※ このフォーカサーは惑星撮影のエントリー製品として魅力的だと思います。お求め安い価格の電動フォーカサーでしかもクレイフォード式なのですから。購入後10年を超えて使い続けていることが何よりのその証左でしょう。

■光学トレイン拡充が招いた耐荷重オーバー
重量増加は光学トレイン拡充(LRGB撮影対応)の結果です。



C11の背面から黄色の治具の右端までがフォーカサー、その右手に連なるのがLRGB撮影用の光学トレインです。後者は長さ17cm、重さ1.7Kgfと結構ズッシリきます。モーター駆動部の与圧ネジを調整しても滑らかな動作とならず、フォーカサーがこの重さに耐えられないようです。

■軽量なRGB撮影用トレインのケース
一方、カラー撮影に絞れば光学トレインは軽量化が可能です。ADCまで割愛すると、長さ10cm、重さ0.85Kgf位で実現可能です。荷重が半分となり滑らかな動きとなります。モーメントで見れば30%に低減した結果です。

■モーメント計算による洞察
光学トレインの差に着目してモーメント計算値の比較をしてみました。想定したのは、「水平時のフォーカサー遠端での最大摩擦応力が牽引可否を決める」という計算モデルです。



まずフォーカサー(行程Lf、耐荷重Wf)に光学トレイン(長さLt、重さWt)だけ延長した場合の牽引可能荷重Wpを計算し、Wp≧Wtならば牽引可能と判定しました。対荷重Wf(=2.6Kgf)が梃子の倍率の逆数分に小さくなるとして牽引可能荷重Wpを計算しました。

計算の判定結果は見事に現実と一致するのです。

さらにLRGB撮影用光学トレインを牽引するためのフォーカサー像を逆算してみました。1.7Kgfの光学トレインを牽引するには、フォーカサーの耐荷重Wfは7.5Kgf以上が必要となります。


■今後の進め方
計算モデルが一般に成り立つとすれば
・耐荷重7.5Kgf以上のフォーカサーを捜す必要があります。現行品の2.5倍以上となるので、値段も良いでしょう。



(つづく)





★彡 新フォーカサー選び(1); Optec社 FastFocus; 副鏡焦点調整システム

ここしばらく惑星撮影のための新しい電動フォーカサーを探しております。現行使用品は、接眼部の撓みや動きの滑らかさに少々難が出始めているからです。ただ中々これはという物が見つかりません。

■Optec社のFastFocus
このフォーカサーは、大型望遠鏡のように主鏡位置を固定、副鏡位置を可変して焦点を合わせる珍しいタイプのものです。Fastar仕様の副鏡ホルダーをモーター内蔵のFastFocusに置換えて副鏡位置を可変させます。SKY & TELESCOPEのHOT PRODUCTS 2012として注目されたものです。




■Fast Focusの得失の整理
主鏡後方のフォーカサーが副鏡前方に移動することによる得失は以下のようです。

・利点
O: 主鏡後方の光路長は短縮(∵ フォーカサー移動)
O: ミラーシフトは皆無(∵ 主鏡位置固定)
O: フォーカサーの荷重負荷は軽減

カメラ等数Kgある接眼部がぶら下がっておらず、フォーカサーはスイスイ動くことでしょう。

ここまでは良いことづくめです。

・懸念点
Δ: 光軸調整は難しそう(∵ 押し引きネジ計6本)
オリジナルの3本光軸調整からの変更メリットは無さそうです。押し引きネジの癖の習熟要。

そもそも、
(初見では副鏡を駆動するモーターを3つ内蔵することでリモートで光軸調整が可能なのかと想像したのです。購買気分は大いに盛り上がったのですが、マニュアルの押し引きネジ調整とわかり夢が消えました)

・欠点
X: 鏡筒縦置き不可(∵ 鏡筒カバー使用不可)
ベランダ族からの評価です。副鏡位置調整の利点と引き換えに、副鏡ごと外さない限り鏡筒縦置きが出来ません。ドームなどで鏡筒を常設可能ならXとはなりません。

■まとめ
・国内代理店も無いようでOptec社の国内知名度は低いようです。
・ユニークなFastFocusシステムですが、Cloudy Nightsを見る限り米国でさえ普及していないように見えます。
→ユニーク商品好きの私ですが、ベランダ族なので本商品購入は見送ることにしました。
・一本釣りの選考ではペースが上がりません。新フォーカサーの選考は、もう少し組織だって進めたいと思います。



(つづく)




★彡 最新高感度カラーカメラ: ZWO ASI462MCの購入を躊躇ってます

発売('20/6月)以来、急速に普及しつつあるASI462MCカメラ。まだ購入を躊躇ってます。なにせ、その僅か半年前の'20/12月にASI290MCを購入したばかりなので。以下は既によく知られた感度比較の推量です。

■分光感度の比較; ASI462MC v.s. ASI290MC


これは分光特性の比較グラフ(推量)です。
推量の手順は、
ASI290MCのグラフが、800~1000nmでASI462MCのほぼ1/2となるようにスケーリングし重ねたものです。ZWO社の公表文(下記)に基づいたわけですが、"ほぼ"という曖昧な表現なのでそう精度はありません。

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ASI462の量子効率は800~1000nmの波長帯で非常に高い値を示し、ASI290MCのほぼ2倍にあたります。 惑星撮影用ASIカメラのなかで近赤外光領域での感度が最も高い機種です。
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(日本語翻訳は日本のショップのHPより引用)

■可視光での感度比較
グラフで、400~700nmの範囲が可視光の領域です。比視感度が高いGのピーク値は、ASI290MCが約0.75、ASI462MCが0.85なので、比率は1.13となります。精度を考えて1.15~1.20倍といったところでしょうか。通常は僅かでも+なら買いの世界ですが、短期間での買い替えとなる今回はここで止まってしまいました。

■ASI462MCの感度まとめ(対ASI290MC)
①近赤外(IR,メタンバンド); ほぼ2倍
②可視光; ほぼ1.15~1.2倍
ウ~ん、①が背中を押さない場合は悩ましいですね。

(参考)平面寸法では全く同一のカメラに見えます




★彡「新型 高感度 トライバーティノフマスク」(1); "マスク嵩上げ"で光軸調整を容易化

C11向けにトライバーティノフマスク-対応口径270-320mmを新規に入手してみました。



■大口径光軸ボルトでは光軸調整が難しい、、、
内径寸法Dは71.5mmですが、大口径光軸ボルトに交換してある場合は小さ過ぎて光軸調整作業が難しそうです。

所要の内径寸法D(直径)を計算すると、
(1)Bob's knobs: 判定X
    D=2x(24x2/√3+8+10)=91.4mm
(2)自作レンチ一体型光軸ボルト: 判定X
    D=2x(24x2/√3+20+0)=95.4mm


D(直径)の計算式
D=2x(R1+R2+R3)
R1: 光軸調整ボルトを囲む円の半径(=24x2/√3)
R2: 光軸調整ボルトの半径
R3: 指クリアランス(アーム:0 or 円形つまみ:10)


使える目処が立たないまま発注しました。

■垂直方向に逃げる解決策; マスクの嵩上げ
以下、着荷後の現物あわせで判ったことです。
マスクを鏡筒先端より数cm浮かして固定すれば、内径窓部分で垂直方向に隙間が空き、そこに指を差し込んで40mm長のアームを回すことが出来るのです。



マスクの嵩上げは次のようにしました。
鏡筒への固定用の六角柱ネジに、3cm長のM3ユリアネジを継ぎ足して延長しました。セットカラーを使い実効長さを調整固定しました。これで鏡筒リム(3.3cm長)より1.5cm浮かせてマスクを固定できました。冒頭の写真で、光軸調整ボルトが引っ込んでいるのが判ります。

■まとめ
アストロストリート製「新型 高感度 バーティノフマスク」ですが、光軸調整用途には内径が小さ過ぎます。

対応として下記2つの対策方法があります。
①垂直方向に寸法拡大; "マスク嵩上げ"
②水平方向に寸法拡大; "内径拡大加工"

製品仕様として内径拡大してくれると良いのですが、、、



(つづく)


★彡 惑星撮影システムの改良(11); L字ケーブルを使ってでも短物理長を実現する

USBケーブルを接続すると、このリボルバーのメリットの短物理長(接眼部: 17cm)が台無しだと気付きます。コネクタが後端に5cm以上飛び出すのです(左図)。L字ケーブルに換え、カメラ向きを反対にするとスッキリ(右図)。L字ケーブル追加の反射•損失に目を瞑ってでも短物理長を実現したい場合の処方です。



■L字コネクタ•ケーブル

カメラ(6.2cmΦ)に対して無用に長く見えるコネクター(5cm以上)。L字にすれば半分(2.3cm)にはなります。それでも長いですね。ケーブル長さは0.2mのみ。2m長とかのバリエーションが無いので、接点増となるのが難点です。

■思わぬ狭き門

画像は接眼部の拡大図です。青丸がL字コネクター。電動フィルターホイールEFWminiとカメラの間隔は下方の凸部が最小で2.5cmしかありません。カメラ向きを反対に取り付けるには、コネクター(2.3cm)がこの狭き門をくぐり抜ける必要があります。凸部との僅かな隙間を画像で確認できますよね。

これは狭小ベランダ越し窓を閉め切っての極楽撮影には必須の処方です。



(つづく)




★彡 惑星撮影システムの改良(10); 合成F値増大に対応したカメラ見直し

続く天候不順。実写も進まず、4頭リボルバーでの合成F値の増大(30→35: x1.16倍)への対応の続きです。この拡大率の増加に対応するため、カラーカメラをASI224MCからASI290MCへ更新しました。その際、考慮した合成F値とフレームサイズの関係を整理しておきます。



■ASI290MC[2.9μm/pix]のケース
★STEP①; 惑星投影寸法と合成F値の関数
上のグラフで赤の破線は、ASI290での合成F値とセンサー上の惑星投影寸法の関係を表しています。惑星サイズは衝前後の木星40"としています。

関数で表現すると、
F=206•p[pix]•ps[μm/pix]/ω["]/D[mm]なので
=206•p•2.9/40/280 →p=18.75•Fとなります。
上図は横軸をF、縦軸をpでグラフ化したものです。
(凡例)
F: 合成F値
p: 惑星投影寸法
ps: ピクセルサイズ
ω: 視直径
D: 口径

★STEP②; fpsから決まる惑星投影寸法の上限
ASI290MCのROIとfpsの関係は、
▫️1936×1096: 82.2fps
▫️1280×960: 93.6fps
▫️640×480: 184fps

木星撮影に必要な100fps以上を狙うには、上記からROIを1200x900に抑える必要があります。グラフでp=900pix (赤の実線)がこの上限値を示しています。

★STEP③; 判定
4頭リボルバーのF=35では、惑星投影寸法は656pix(赤丸)、900pixに対して比率は73%(=656/900)になります。経験上、比率は80%が上限であり、安定した撮影が可能だと判定できます。グラフからF=38近辺まではさらに拡大できそうです。

参考) ASI224MC[3.75μm/pix]のケース
★STEP①; 関数はp=14.5•F(青の破線)。
★STEP②; 上限は600pix(青の実線)です。
参考)ROIとfpsの関係
▫️1280×960: 65fps
▫️800×600 : 102.9fps
▫️640×480 : 127.6fps
★STEP③; 判定
フリップミラーのF=30では、投影寸法が435pix(青丸)で既に比率72.5%(=435/600)に達していました。さらに、4頭リボルバーのF=35となると、比率84.5%(=507/600)となり上限80%を超えてしまいます。上下10%の余裕を切ると撮影中のフレームアウトが頻発し撮影困難になります。

この対処としてはROIを1.16倍に広げるしかなく、結果フレームレートを犠牲にせざるを得ません。これは避けたいですね。

以上の合成F値の分析結果からASI290MCへの変更を決めました。モノクロカメラASI290MMとセンサーサイズを揃えておきたかった事も決定の後押しをしました。

追記)
因みに、最初にトライした3連リボルバーと天頂プリズムの組み合わせでは、光路長はさらに長くF=40と木星対象では破綻していたのでした。このように光路長を徒らに伸ばすのは厄介です。タカハシ製の4頭リボルバーでは、天頂プリズムと一体形成したことが光路長の伸長抑止を助けています。



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(9); 光路長増大に伴う合成F値への影響度の把握

タカハシ4頭リボルバーを選ぶ際、最も懸念したのは内蔵の天頂プリズムによる光路長増大の影響でした。バーローからセンサーまでの光路長(以下B-S長)の増大がもたらす拡大率(合成F値)が、過大とならないか増加量をチェックしてみました。

■天頂プリズムによる光路長増大

イメージング フリップミラーの系に比べ、B-S長が+5cm(17cm→22cm)増加します。比率でいえば約29%増にもなるのです。

■バーロー拡大率を決める「当り面」

この図はバーローの特性図です。バーローの拡大率と「当り面」から像面までの距離の関係を示しています。使っているのは2" 2xのバーローなので、ピンクの線に着目して下さい。

ところで、この「当り面」って惑星撮影システムではどこのことでしょうか?

■惑星撮影システムの「当たり面」


この図は惑星撮影システムで、バーローの「当り面」を示したものです。「当り面」とはバーローのレンズセルに取付ける筒の後端位置のことなんです。レンズセル先端から約9cmの位置になります。

この図から「当たり面」から像面までの距離が、
▫️・イメージング フリップミラー系; 8cm
▫️・4頭リボルバー系; 13cm(=8+5)
であることが判ります。

■4頭リボルバー撮影システムの合成F
したがって上のバーロー特性図から
▫️・イメージング フリップミラー系; 3倍(青丸)
▫️・4頭リボルバー系; 3.5倍(=3+0.5)
となります。比率でいえば1.16倍の増加です。

(図の5cmの点(赤丸)から、ピンクの線の傾きは5cmあたり+0.5です。なので4頭リボルバー系は3.5倍(=3+0.5)となります)

合成F値で表すと、F10のシュミカセにバーローの上記倍率を掛け合わせて、
▫️・イメージング フリップミラー系; 30
▫️・4頭リボルバー系; 35
となります。

この倍率変化を踏まえてカメラの選定をすることが大切です。

■まとめ
・4頭リボルバーでの光路長増大によりバーローの拡大率はx3→x3.5へ増大(+1.16倍)します。

・F10のシュミカセの場合、4頭リボルバーでは合成F: 35となります。

・上記を踏まえたカメラ選定が大切です。

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追記
・バーロー特性図はテレビュー日本のサイトから引用しました。今回使用の2"2Xバーローはテレビュー社製ではありませんが、特性は同一とみなしました。実測の結果ともよく一致してます。
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(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(8); さすがタカハシ!_ 4頭ターレットレボルバー

乗り掛けた船という言葉があります。先回取り上げたこともあって、タカハシの4頭ターレットレボルバー(以下、4頭リボルバー)を入手して使用感を確かめてみました。屋内でのテスト結果のみですが、そのファーストインプレッションを書いてみます。

■4頭リボルバー撮影システム

▲外観(背面から)
(2カメラ)+(ズームアイピース)を装着した状態です。クリックストップは小気味よくカチッ、カチッと止まります。青い円盤部分は回転の渋さ調節機構のようです。


▲外観(側面から)
今回はBORG[7508][7528]で電動フィルターにT2接続しました。50.8スリーブ長の方が長いので僅かに接続部にギャップが生じます。

よく知られたVixen 接眼アダプター(42T→50.8AD)ではその逆で、50.8ADの方が長いためギャップは生じず見た目はスッキリします。かわりに物理長が5mmほど長くなります。

どちらを選ぶかはお好み次第です。

■まとめ
全体的に撮影用途でも充分な剛性感があります。また小気味良いクリックストップ音でリボルバーを廻すたびに、満足感がこみ上げてきます。
さすがタカハシ製です。

ようやく撮影用途に耐えるリボルバーに行き着きました。



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(7); 接続強度のより強いリボルバーへ

画像はイメージング フリップミラーをタカハシ製「4頭ターレットレボルバー」※に置き換えた場合の接眼システムの予想図です。昨年末に試験的に採用してみた3連リボルバーは接続強度に難点があるため、現在もっと良い代替手段を探しているところなんです。(※ 表記は4頭リボルバーと省略)


▲ 4頭リボルバーとフリップミラーの比較

■31.7mm接続のリボルバーの接続強度不足

▲3連リボルバとの構造比較

(リボルバー)+(カメラ)x2+(ズームアイピース)
それに(天頂プリズム)を合わせると総重量は1Kgを超えてしまいます。さらにカメラ用の2本のUSBケーブルの重さが加わります。電動フィルターに連なる接続強度の弱い3つの31.7mm接続部には、この荷重はとても重荷のようです。

本来はアイピース向けの眼視用途のリボルバーを撮影用途に使いこなすのはそう簡単ではありません。

■タカハシ製4頭リボルバー

▲4頭リボルバーの主要寸法
30mm長の50.8Φスリーブのこのリボルバーは、31.7mm接続ではなく強固なT2接続で電動フィルターと接続可能です。眼視用途に開発されたリボルバーながら、接続強度の心配がありません。さらに内蔵の天頂プリズムと円盤とが一体形成のため構造強度面でも大きなメリットがあります。

■行き着く先は、、、
良いことづくめの4頭リボルバーですが、
「今あるフリップミラーを置き換えてまで、この割高感のある商品を惑星撮影に使うのか?」という素朴な問いかけに最期は行き着きますね。

その値段を払うなら「フリップミラーのままで、新しいカメラを買います。」という常識的な意見が大勢でしょうかね、、、



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(6); 天頂プリズム(or フリップミラー)での撮影画面

天頂プリズムやフリップミラーを使った惑星撮影(リボルバーで撮影する場合も多くは天頂プリズムを使います)。その際の撮影画面についての備忘録です。基本中の基本事項ですが、思い込み間違いやらウッカリやらでベテランでもミスをやらかしがちです。



左に直焦点の望遠鏡がある想定。接眼部のカメラ取付け角度は、USB端子の向きで判別して下さい。遥か遠方に見える看板の漢字「横」を使いましたが、Fのようなアルファベットが良かったかも知れません。

正立画像に戻すための所要な変換指定も併せて示しました。この変換指定は撮影時に撮影ソフトで指定できます。

この設定を間違えたり、ソフト再起動時に再設定し忘れたりすると悲劇となります。悪シーイングで模様もよく見えない火星などで、撮り貯めた撮影動画の中に誤設定が混在すると手を焼きます。

撮影開始前にコントロールボックスから鏡筒の赤緯赤経を僅かに振ってみるのが良いようです。モニターで惑星がいつもと違う方向に動いたら誤設定と判ります。




(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(5); リボルバー撮影システムの実写テスト

令和元年中には終えたかったリボルバー撮影システムの実写テスト。12月も押し詰まり、ようやく晴れた28日に以下の悪条件を押してトライしてみました。狙ったのは4"台の低空の火星、しかも大荒れの高層気流を押しての撮影でした。

■火星 UT: 2019-12-28 20:25:45


C11, x2 2"Barlow, ADC, EFWmini, ASI290MC, 234s@ 68fps, Shutter=10.0ms, North-up
Gain=400 (66%)
---
Diameter=4.24"
Magnitude=1.59
CM=21.9°

高度約15°で辛うじてラグビーボールのような火星の形状が写りましたが、表面模様はさっぱりです。画像処理を強くかけると何やら模様が浮かびますがたぶん偽像でしょう。機材テストでなければ、掲載は見送ったかなという残念な結果です。

当日のシーイングは酷く、この後高度が昇るにつれ火星本体がフレアとなってさらにはためくようになり撮影は打ち切りました。

■リボルバーの使い勝手


肝心のリボルバーの使い勝手ですが、アイピースとは違いカメラのUSBケーブルと接眼部との干渉には注意が必要です。このケーブルの取り回しに馴れてくると、①カラーカメラ、②モノクロカメラ、③ズームアイピースをスムーズに切り替えることができました。フリップミラーでは味わえない感覚です。

懸念していた合成F値は約40という結果です。(x2バーローの実効拡大率が4倍)

従来のイメージング フリップミラーを用いた系では合成F値が約29でした。したがって今回リボルバー+天頂プリズムの光路長増加の影響は、およそ3割強増だと判明しました。当面の視直径の小さな火星を狙うにはかえって好都合かもしれません。

この撮影システムを当面使い込んでみようと思います。

■参考 12月29日6時(JST)天気図


■参考 12月29日6時(JST)Windy高層気流図

10,000m、7,000mでは激流が日本列島上空を襲っています。さらに関東は西側からの3,000m山脈乱流が厳しいのかも知れません。



(つづく)





★彡 惑星撮影システムの改良(4); 番外編_同焦点リング選びのあれこれ

天体観測の日用品的なイメージのある同焦点リング。私もそうですが、どなたも一つはお持ちでしょう。今回リボルバー用に新たに3個を追加で手配したのですが、ご参考までにその際の商品の比較表を掲載しておきます。



■Baader製
ネット検索で上位に登場するのは、#1のお馴染みドイツBaader製です。送料込みで価格は約4.7K¥です。でも、これを3個は辛い、、、また、取寄せのため納期30日とあり、今回は残念ながらご縁がありませんでした。

■TS-Optics製
こちら#2も同じくドイツ製。送料無料なので幾分求め易くなり、価格は約2.9K¥です。取寄せのため納期3-5週とあり、残念ながらこちらも今回はご縁がありませんでした。

■米Orion製
#3は米Orion製。こちらは4個セットで、価格は送料込みで約3.8K¥です。一個あたり単価は約1K¥と、ようやく手を出せそうなものが見つかりました。すぐに発注手続きに進む気になったのですが、念のためともう一つ検索してみたのが次のモノです。

■メーカー不明(サードパーティー製)
#4はAliExpress のLAIDA Optics店が取扱うサードパーティー製です。こちらは3個セット、価格は約1.7K¥と最安。一個あたりは約0.5K¥。配送は2週間程かかりますが、送料無料です。#1に比べると、十分の一近くですね。総価格で1/3、さらに個数比で1/3、併せて1/9という感じです。#3も魅力的でしたが、今回はここに決めました。

この商品は埋込ネジ(M3x4)を使っています。今回の適用用途では、リングあたり2本の埋込ネジのうち1本は、適切なつまみネジに取り替えてみようと思います。

追記
上にAliExpressの配送予定2週間と書きましたが、
実際は、発注から着荷まで半分の7日間でした。
経路は上海から東京。満足です。



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(3); リボルバー適用の惑星撮影システムの完成

ネットで見かけたあの3連のアイピース・リボルバーが突然自宅に届きました。ブラックフライデーの魔力です...^^ 。初めて手にしたリボルバー、使いモノなるのか早速装着して見ました。

■リボルバー適用の惑星撮影システム

▲リボルバー装着の撮影システム(斜め上から)
カラフルな花々が咲いたような、見たことのない不思議な光景です。


▲同上(側面から)
ディスクの側面を掴んで軽く回すと、120°づつ回転します。回転ホールドには僅かな遊びがあるのが気になりますが、実用上の問題は無いでしょう。

■今回適用したのはお手軽 3連リボルバー

ネットで検索すると、リボルバーには上図の3連(Kson製, 3.8k¥)、4連(Baader製, 8k¥)のタイプと前回取り上げたタカハシの4連(55k¥)タイプがあります。随分と値段に開きがあるのですが、今回選んだのは3連のモノです。なるべくコンパクトな仕上がりにしたかったことと、惑星撮影に使うのは駄目もとのアイデアでもあり極力出費を少なくしたかったからです。

選ぶ際の留意点のもうひとつはアイピースホルダー間隔です。今回二つ並べるZWOのカメラは直径62mmΦ。なのでホルダー間隔は62mm以上は欲しいのですが、残念ながら上図のモノはともに56mm前後です。幸いホルダーの中心線は放射状に開いているので、カメラの31.7mmノーズを僅かに浮かせ固定することで対処しました。お馴染み同焦点固定リングでなんとかなります。(4連タイプで対向取付けとすれば、間隔は80mm近くで干渉は無くなります。しかしディスクがより大型になる上、カメラ切替えの角度が180°とより大きくなるので避けることにしました)

■実戦投入が待ち遠しい

▲望遠鏡に取付けた撮影システム
コンパクトに纏まりましたね。既存のダイアルゲージなどとも干渉せずにいい感じです。まずは合成F値の確認から始める必要があります。

モノになるのか楽しみです。



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(2); フリップミラーをリボルバーに置き換えてみる

末尾の画像は前回ご紹介した現行のLRGB撮影システムの画像です。実際LRGB撮影をするほどのシーイングでない場合は、Cカメラに切り替えることがままありますが、使ってみて案外と不便を感じることがあります。

■現行撮影システムで不便なこと
Cカメラを使用する場合、フリップミラーのY方向にカメラを挿すことになります。(X方向のMカメラ(T2接続)との交換は面倒ですから)

これはL+RGB撮影システムと同じ構成であり、次の不便さがあることに気づきます。
▫️①着脱でCカメラ角度が必ず変化する。
▫️②アイピースが手軽に使えない。( ∵ ①回避)
▫️③Mカメラは正像、Cカメラは裏像 と煩雑。

■フリップミラーのデメリット
現行撮影システムを眺めているのですが、上記の不便さはフリップミラーそのものに起因しているように思えてきました。

具体的には、
▫️①光路が2種類に限定されている
▫️②ミラーで光路を切り替える→正像•裏像の混在

フリップミラーは、光路切り替えの手軽なツールで惑星撮影には欠かせないものという思い込みを一旦捨ててみました。ミラー収納のため比較的大きな物理長を費やすフリップミラーを排せば、よりコンパクトな撮影システムができるかも知れません。

■リボルバーは解決の決め手になるか
観望会専用アイテムの印象が強いですが、リボルバー(またはターレット)は3~4種の光路切り替えが手軽にできる便利なモノです。ミラーを使っておらずよりコンパクト化が期待できますし、何より好ましいのは全ての光路で像特性が一定なことです。


▲三連リボルバー適用撮影システムの構想図(1)

お馴染みのiPocket Drawで机上で仮組みしてみたものです。ネットで見かけた三連リボルバーを使って構成しました。どうやら所望の撮影システムが構成可能なようです。

物理長は僅かに短くなりますが、灰色の矩形で示したアイピースの長さによっては伸びるケースがあり注意が必要です。また天頂プリズムが使えない点は不便です。

■天頂プリズム付きのリボルバー撮影システム
天頂プリズムを根元に挟み込んでアイピースを覗き易くしてみました。結果、物理長も短くなります。

ここでバーローレンズとセンサー間の光路長が伸びるため、拡大率に影響する点は事前に検証しておくことが必要です。また天頂プリズム周りの31.7mm接続部は、縮めようと思えばまだ縮めシロが残されていると思います。


▲三連リボルバー適用撮影システムの構想図(2)

別案としてタカハシの四頭ターレットを使えば、等価なシステムが構築できます。まあ、等価というより高価ですが、、、55K¥、、、^^

この四頭ターレットの特長は、接眼部が直交しているため径の大きなカメラの複数装着が問題無く可能だということです。天頂プリズムを内蔵したため割高ですが、これはこれで大きな利点です。


▲タカハシ四頭ターレット(スターベースHPより)

■まとめ
• フリップミラーをアイピースリボルバーに置き換えれば、Mカメラ、Cカメラ、アイピースを自由に切り替えて撮影可能な撮影システムの構築が可能なようです。

• あいにくのブラックフライデー。迂闊なクリックを抑えないといつもの人柱奉仕活動が待っています。


▲現行LRGB撮影システム



(つづく)



★彡 惑星撮影システムの改良(1); LRGB撮影システムの構成法の選定

先日来、LRGB撮影法として、L+R+G+B撮影とでも表記すべき、モノクロカメラでの撮影法を採用してみています。ほかにL+RGB撮影とでも表記すべき、モノクロカメラとカラーカメラを併用するやり方が有名ですが、敢えて前者を選択しました。
その理由をここに記します。(以下C: カラー、M: モノクロ)

注)本来のLRGB撮影は、ここにいうL+R+G+B撮影のことだと思います。


▲L+R+G+B 撮影システムの構成
とてもコンパクトでシンプルです。

■L+RGB撮影(by M+Cカメラ)の得失
(+)ポイント
・CカメラによるRGB撮影が手軽
・C画像処理がRGB一括で簡単
(-)ポイント
・カメラ間の同焦点ズレ解消
・カメラ間の拡大率差は画像処理で人手補正
・カメラ間の回転角度差は画像処理で人手補正
・フリップミラーの手動操作→遠隔撮影が困難

この方法のメリットは、なんと言ってもCカメラによるRGB撮影の手軽さ、C画像処理の簡潔さです。

その反面、二つのカメラを使うことで生じる様々なズレは、画像処理過程で人手で手数をかけて補正する必要があります。特にカメラ間でセンサーサイズが異なる場合は、拡大率の補正も必要となります。

さらに、フリップミラーの切り替えを人手で行う点もマイナスポイントです。遠隔制御の撮影が難しいのです。

■L+R+G+B撮影(by Mカメラ)の得失
単一カメラで全ての撮影を済ませるこちらの方法では、上記の(-)ポイントが全て解消されます。

(+)ポイント
・単一カメラであり下記対処は不要
▫️- カメラ間の同焦点ズレ解消
▫️- カメラ間の拡大率差は画像処理で人手補正
▫️- カメラ間の回転角度差は画像処理で人手補正
▫️- フリップミラーの手動操作

・フィルター操作の自動化可能(by撮影ソフト)
▫️→遠隔撮影が容易

(-)ポイント
・RGB各3チャンネル毎に画像処理が必要

一方で、Cカメラを使わない分、色情報の処理はチャネル別に3回行う必要があります。

■まとめ
以上、電動フィルターさえ導入すれば、
①遠隔撮影を全自動で行うことができ、
②カメラ間ズレの人手補正が一切不要
これがL+R+G+B撮影の選択理由です。

これを出発点として、さらに改良を加えていきました。



(つづく)



★彡 FireCapture で電動フィルターホイールZWO EFWminiを制御する

新しく手に入れたZWOのフィルターホイールEFWminiを、撮影フリーソフトFireCaptureで制御してみました。

■ZWO EFWmini

おなじみZWOの電動フィルターホイールです。今回は5種収納のminiを選びました。コンパクトですし、4種(L,R,G,B)+もう1種(Ir等)まで扱えて十分です。

■撮影トレイン構成


画像の左から右へ下記の通りです。

①2"ショートバーロー➡︎②ADC➡︎
 ➡︎③T2リボルビングリング➡︎④EFWmini➡︎
  ➡︎⑤FlipMirror➡︎⑥ASIモノクロカメラ

接続は全てT2接続です。カメラの回転はT2リボルビングリング(エレクトリックシープ)で行います。なかなかの優れもので、T2接続のまま安定した回転・固定が可能で、しかも光路長が変化しません。

EFWminiとフリップミラーのT2接続の固定では、手作りのスペーサリング(ネジピッチ0.75mmに対して0.3mm厚程度の紙製)で回転角度を調節してあります。as isではEFWminiの底部突起がフリップミラーのY方向と運悪く干渉したからです。

一般にT2リング(両♂)で直結する場合、回転角度は都合良くは揃いません。T2マイクロアジャスター(笠井トレーディング)を使う手もありますが、光路長の増加(およそ10数mm)は免れません。

T2接続は接続強度の高い便利な接続方法ですが、ネジ故に使いこなすためには工夫が必要です。

■RGB撮影
EFWminiのASCOMドライバーなどのソフトウェア設定は、ショップが提供するユーザーガイドに従い難なくできました。

FireCaptureでの制御ですが、RGB撮影の場合はお馴染みAutorun機能で対応可能です。RGBの3種のフィルターを登録しておけば、これをサイクリックに実行する設定があります。



一例ですが、上図のAutorunで必要なLimit: フレーム数、runs: 繰り返し数を指定可能です。

■LRGB 撮影
De-rotationを意識して、複数回のL撮影を行いその前後にRGB撮影をする場合は、Script Interface (ただし まだ試験バージョン)を使うと良いようです。



上記がその一例です。最初にRGBを1000フレームづつ撮り、その後L3000フレームを3回撮って、最後にまたRGBを撮ります。

初めのうち、L撮影の繰り返しにLoop/EndLoopコマンドを使ってみたのですが正常終了せず全く上手く行きませんでした。これで手こずってScript Interface の利用を諦めかけたのですが、必要回数StartCaptureコマンドをベタ書きすれば済む話でした。

Script Interfaceは記述の保存・再利用・変更が可能であり、Autorunより使い勝手が良いと思います。今後の更なる完成度向上を期待したいです。

■補足
今回の目的は、ワンカメラ(=モノクロカメラ+電動フィルター)でLRGB撮影を自動化することです。

(カラーカメラを併用しツインカメラでLRGB撮影を簡略化する手法は便利ですが、その撮影自動化はミラー切替えなどそう簡単ではありません。一方、ワンカメラなら電動フィルター化だけで済み自動化は容易です。さらに合成時の煩雑なアライン(倍率,x,y,θ)が無用なのもオーソドックスなワンカメラの魅力です。とくにツインカメラでセンサーサイズやピクセルサイズが異なる場合はなおさらです)

自動化した撮影本番を待つばかりなのですが、天気がいうことを聞いてくれません。



★彡 鏡筒レバーリフト(3); 補足-ガーデンラックの復活

「伸縮する脚立」を中心に据えて書き進めてきた鏡筒レバーリフトですが、最後の最後に思わぬ変節が待っていました。

最終的に「伸縮する脚立」ではなく、「ラック」を選ぶことになってしまったのです。この発端となったのは底面サイズについてのこの比較画像です。



■抜群の取り回しの良さ; 大きな天板、小さな底面
上図で、左側は「伸縮する脚立」、右側はガーデンラックのレイアウト図です。比べると底面サイズは僅か1/4程です。目が釘付けになりました。

これを眺めていて、鏡筒レバーリフトの道具としてはラックの方が取り回しが楽で随分と使いやすいだろうと感じるのです。ピラーへの干渉は皆無ですし、狭いベランダで周囲の壁などの障害物との干渉も気にならないはずです。ピラーの占有域(x,y)に納まっていますから。

そんなラックをなぜ候補から落としていたのかと最初の記事を振り返ると、3つのマイナス・ポイントが原因でした。

先ず致命的だったのが、(1)高さ不足 です。必要高さの条件(94cm以上)に対して、90cmと僅か数cm足りませんでした。加えて(2)高さ伸縮不可 を嫌ったのでした。また、(3)折畳み不可 もマイナス・ポイントでした。

■ガーデンラック採用への積極的な見直し
商品名ガーデンラックは屋外用のスチールラックです。鏡筒口径に準ずる30cmx30cmの小さな天板サイズに絞ってネット検索してみると、意外でしたが国内では唯一この商品しか見当たりません。屋外用ラックは希少商品のようで、ピカピカのクロームめっきの屋内商品と異なり黒色に近い防錆の仕上げも好ましく感じました。

掛け替えの無い商品だと知ると、このガーデンラックを何とか使いこなしたいと思うようになってきます。

■マイナスポイントの見直し結果


(1)高さ94cm以上; X→◯ byキャスター交換
ガーデンラックの脚のアジャスター(高さ約2cm)をDIYの汎用キャスター(高さ約5cm)に交換して、約3cm程の高さ増加ができました。さらに取付けではボルト部に中間ナットとばね座金を挟んで装着しました。

キャスター化と中間ナットの調節で高さは94cmと4cm増加できました。まだ+1cm位の調節しろがあります。



(2)高さ伸縮; X→△
これはC11専用と割り切ることにしました。
(脚の上段45cm延長ポールをパイプカッターで切除すれば高さ固定ながら変更は可能です)

(3)折畳み; X→△
折畳まずベランダの隅に放置で良しとしました。この商品は屋外用ですし、コンパクトです。

---
キャスターを取り付けて高さ94cmに仕上がったガーデンラックは、軽くてコンパクトで見た目も美しく見惚れるほどです。高さ固定ですがこれはこれで正解だったと思います。

■まとめ
プロワークチェアの高さ不足を補う道具として、
(1)「伸縮する脚立」がお薦めです。

また伸縮できるという条件を外せば、
(2)ラックなどの高さ固定の解もあります。



(最初の記事に戻る)



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