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★彡 セレストロンDew heater ringは補正板の結露対策の決手となるか?

「シュミカセで熱対流を招くヒーターは禁物」の常識を覆して、セレストロン自らがこの商品を提供したのには驚かされました。RASA撮影向けで、いまさら惑星向けではないでしょうね。でも、これなら惑星撮影でも厄介な補正板の内部結露にも効くかも。



■補正板の内部結露とは
よく起きる外部の結露よりさらに厄介なのが内部の結露。外部結露と異なり直接拭き取ることができませんし、非常手段のドライヤー加熱でも短時間にうまく取れた試しがありません。油断して肝心の撮影機会を逃すことも。


■ヒーターベルトとの得失比較

表はより安価なヒーター・ベルトとの得失比較(表のa.~ e.)です。補正板の止め輪の交換となると、光軸再調整が必須なのが面倒と言えば面倒。でも間接的に温めるベルトに比べて、熱対流の悪影響はかなり抑えられるのは優れた美点のようです。
 
■まとめ
厄介な内部結露を考慮すると、Dew heater ringは惑星屋にも良い買い物かも知れません。


でも、「短時間の惑星撮影に要る?」「年に何回使う?」「乾燥空気流したら?」と、冷めた囁きが、、、購買のクリックを躊躇ってます。



★彡 今年の火星、なぜ高度がこんなに高いのでしょう?

今月末、地上高度40°(0h@JST)を越えるとベランダ撮影が不可能に。やむ無く昨夜は赤道儀を反転。いわゆるイナバウアーで高度80°近く(3h@JST)の火星でも撮影可能だと確認しました。


■Q; 今年の火星はなぜ高い?
「火星の公転軌道が今年は高いから」
そんなわけがありません。火星は他の惑星と同じく、ほぼ黄道に沿って変わらず運行していますから。
となるとなぜ今年は高いのでしょう?


■A1; 今年の衝が冬至に近いから
今年の衝(or 最接近)は、12月初めで冬至の近くです。太陽-地球-火星が地球をはさみ直列する衝ですが、このとき太陽南中高度が一年で1番低いのは小学校で習いました。、、、それなら地球をはさんだ黄道面の火星は地球の一年で最も高いわけです。納得!


■A2; 冬の火星はどの年も高い
地球に住む人類の都合で衝だとか最接近だとか公転周期の違いで2年2ヶ月周期のお祭りをやってます。2年ごとにおよそ2ヶ月ずれて、今年は12月1日という真冬に最接近です。どの年も高い冬の火星の高さに改めて驚いているだけです。


■A3; そのその素晴らしい説明図 (by国立天文台)

見つけたのがこの図。図中、発生月に着目して下さい。□で囲んだのが今年の最接近で12月。その次の2025年も1月と引き続き高い火星ですね。


■まとめ
・一目瞭然の図解。さすが国立天文台です。
・当面イナバウアーの稽古が大切なようです。



★彡 週半ばから連日の撮影日和、高層気流には恵まれるのか、、、

「晴れる日が多くなります。」
週間天気で久々の嬉しい知らせです。

▲wethernewsから


■同時期に気流は期待できそうか?
ならばと、同時期のWindyの500hPa(@5500m)を眺めてみました。下図はすべて0時(JST)のものです。

シーイングに特に影響が大きい500hPaですが、予報ではまったく駄目ですね。さらに寒波が押し寄せる予報もあります。


期待せず、待つしかないようです。



★彡 10月初めの火星シーイング悪化を招いた原因について

シーイングが急激に悪化した10/04(UT:10/03)以降、全く晴れませんね。このシーイング悪化に何が影響したのか確かめるために、Windyや天気図の変化を較べてみました。

★火星像とWindyの7日間変化(UT: 09/26-10/03)








★同上期間の天気図変化


■火星像のシーイング悪化(①~④)
①、②は比較的良好なシーイング。③、④で急激に劣化したのがわかります。

■WindyのOXΔだけでは説明できない
この原因としてまず思い付くのは、Windyの500hPaの悪化(②O→③Δ→④X)です。
けれど、それだけだと500hPaがXの①の比較的良好なシーイングが説明出来ません。WindyのOXΔで説明可能だと考えていましたが、現象はそう単純ではないようです。

■気圧配置の変化による悪化がより大きい
天気図で①と④を見比べると以下の大きな変化があることに気付きます。

(i)シベリア高気圧が急発達し気圧が急勾配化
    →(a)偏西風が集中し、各層で暴風化
(ii)気圧勾配による寒波の波及
   →(a)温度差による上下昇降の乱流化
   →(b)北西風による山風化@関東

■むりやりのまとめ
④では、大陸高気圧の発達による寒波襲来でシーイング悪化が起きているようです。

寒波によるシーイング影響は幾つか考えられます。
・(i)(a)はWindyに織り込まれ済みです。OXΔ判定に頼らずパターンそのものを見ると、④では500hPaに限らず全層で暴風化していることがわかります。
・(ii)(a)は鉛直方向の流れなので、Windyでは表現できないものです。Windyには現れてこないシーイング悪化要因を敢えて想定してみたわけです。この影響としては、像の動的な歪みやピントが掴めなくなるようなシーイング悪化が予想できます。
・(ii)(b)は関東特有で3000m級の山並みを渡る北西からの乱流によるものです。惑星本体が飛び回るような酷いシーイングとなります。今回これは見られませんでした。今回のシーイング悪化は関西からも同様に報告されており、(i)(a)/(ii)(a)が支配的だったのかも知れません。

いずれもアマチュアには計測手段も無く、実体把握が難しい項目です。知見のある方のご意見を伺ってみたいと思います。



★シュミカセの光軸ボルト穴の補修(2); イリサート加工の実行結果

このにぎやかな集合写真は、今回の光軸ボルト穴の補修に揃えた道具たちです。


■作業台、万力、ボール盤はどこ?
★作業台ほか
木工合板の中央に貫通孔を開け赤道儀三脚にねじ止め。これを即席の作業台としました。合板手前に開けた貫通孔2つに鏡面を下に向けた副鏡をネジで固定。下穴加工(φ3→3.5へ拡張)は電動ドリル手持ちで頑張ることに。


★揃えた道具たち


購入品の価格リストです。#1,#3はM4細目タップ用の治具です。送料込みで6千5百円ちょっとでした。イリサート10個のうち、使うのは一つなので一個千8百円の勘定です、、、


★手作りのイリサート挿入治具
写真右手イリサートの横にユリアねじが。ネジ先端の長さ6mm位置に二重ナット留めしてあります。これはイリサートの手作り挿入治具です。ネットの先例を真似しました。専用挿入工具は買えば一万円超です。


★はじめてのタップ/イリサート加工
生まれて初めてのタップ/イリサート加工が、やり直しの効かない光軸ボルト穴補修なのでたいへん痺れました  ^   ^  

①3.5φ下穴ドリル切削
②M4x0.5スパイラルタップ
③面取り加工
④イリサート挿入確認
⑤ロックタイト塗布
⑥イリサート最終挿入
⑦24時間放置(固着強度アップ)

ただし、アルミは鉄と比べ加工しやすい材料なので、何事もなく①~⑦の全作業を終えました。あまりに上手くいったので、勢いで残り2本も加工したくなる程でした。


★補修後のネジ穴深さ確認
未加工2本のネジ穴深さは実測で約11回転@0.5mmピッチ(=約5.5mm)。
補修後のネジ穴深さは、実測で約12回転@0.5mmピッチ(=約6mm)。必要十分でしょう。


■光軸調整の結果(再掲)
エウロパを使い光軸調整機能の復活を確認できました。


▲木星 UT: 2022-09-01 16:24:24


■まとめ
・光軸ボルト穴潰れ補修がイリサートで可能に。
   →為せば成る! だなぁ。
・でもこうならないよう光軸ボルトを大切に!




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★シュミカセの光軸ボルト穴の補修(1); 対策方法の比較選定

8月初頭、調整中に光軸ボルトが突然の空回り。1本のボルトが全く噛まなくなり、光軸調整が不能に。



▲副鏡アルミプレート(不具合発生後)


この舐めた光軸ボルトの補修対応で8月中追われました。進んで口外するような誉められた話ではありませんが顛末を記します。

■対策方法の整理
対策方法には大きく2つあります。
   (1)アルミプレートの交換; メーカー修理
   (2)ネジ穴の補修; ユーザー修理


(1)副鏡アルミプレートの交換


この方法の利点は、メーカー修理なので確実なことです。ただし米セレストロンに修理依頼となるので、数ヶ月から半年といった長い修理期間がマイナスポイントです。


(2)光軸ボルト穴の補修


これらはユーザー主体のため、QTATですが、一方で自己責任となります。

★対応方法#1; M4細目の光軸ボルト
純正M3並目ボルトに替えて、M4細目ボルトを使用する大胆な案です。純正ボルトとピッチを揃えているのがキーです。米セレストロン技術サポートから教えて戴きました。ただしボルト径不揃いは気になります。

★対応方法#2; イリサートを使う案
#1のボルト径不揃いを解消するために思いついた案です。アルミ材質、緩め/締めの調整ネジの用途にはイリサートが適しています。今回のモノは、外側: M4x0.5x6のボルト、内側: M3x0.5x6のナットでステンレス製です。ロックタイト等で固着が必要です。本案を米セレストロン技術サポートに示し賛同を戴きました。

■対応の指針
・確実性から、(1)アルミプレート交換は最終バックアップ手段として残しておくのが良いです。

したがって、
・まず(2)光軸ボルト穴の補修; #2を実行することにしました。やり直しの効かないタップ加工など障壁が高いですが、最終バックアップ手段があるので過度な緊張から免れることができます。




(つづく)



★彡 FireCapture V2.7の不具合2件; 開発者のTorstenさんから回答がありました

先日、V2.7の不具合2件を開発元へ問い合わせ中と書きました。その後、開発者のTorstenさんから回答がありました。(以下青字は不具合についての前回記述、橙字が受信した回答)

■不具合(1); Auto Stakkert 3.0での自動色認識
V2.7によるserファイルのカラー化で、自動カラー化不可。RG指定してもカラー化不可。仮対応ですが、GR(誤)指定でカラー化可能。
【回答】
FlipするとRawデータでBayerパターンが変わるということに注意下さい。後の処理では、変化後のBayerパターンを指定下さい。

■不具合(2); (X反転+16bit)同時指定で異常発色


【回答】
指摘ありがとうございます。
X-Flip+16bit同時オンでのプログラムコードをチェックしてみます。

■まとめ
• 不具合(1); 
これは不具合では無いと言っていますね。そういう仕様だと言われれば仕方ありません。後に伝える手段が無いということでしょうか。
そして確かにRGをX-FlipすればGRですね。


• 不具合(2); 
こちらは初めての指摘だったようです。チェック後にまた何か言ってくるのか、黙ってバグ対をして終わるのかは不明ですが、もうしばらく様子を見守ることにします。
V2.6βの時もそうでしたが、Torstenさんは必ず回答をくれるので感心します。結構な開発量でお忙しいと思いますが。


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★彡 Tele Vue製Powermate 5xの拡大率の抑制方法; ASI482MCへの適用

惑星撮影で定評のあるPowermate 5x。
フランジバック増加での拡大率増加が大きく、現行システムでは拡大率が10x近くとなり、暗くなり過ぎるようです。従来比4倍のピクセル・サイズのASI482MC向けに、拡大率を中間の7x台程度に抑えられないか見直してみました。


A; (Core+Sleeve)を1.25"接続: 【現行】
現行システムは、2" 2xショートバーローをシュミカセ2"Φ接眼部に差し込んで隠し、バーロー長を物理長として見せないやり方としています。

これをPowermate 5xに換える場合は、2"ショートバーローを2"AD(バレル)に換え、1.25"ノーズでPowermate 5xの(Core+Sleeve)を装着します。Sleeve(53mm長)を使うこのやり方では、光路長(先端~撮像面)は約35cmもあるため、地上風景で測ると拡大率は約9xと大きめです。

B; (Core)を専用Tリングで接続【構造破綻】
1.25"接続をT2接続に換えると通常は長さ短縮・強度向上の一挙両得となるのですが、Powermate 5xでは上手くいかないケースがあります。Powermate 5xには専用のTリング・アダプターが用意されていて、これを使うと確かに長さは41mm短縮されます。ところがこのアダプターの外径が2"Φ超えと無駄に大きく、シュミカセ2"Φ接眼部に挿入できないのです。これが今までAを選択せざるを得なかった理由です。

C; (Core)を2"Φ化+T2接続【今回見直し版】
2"AD(バレル)を諦めれば、Core部後端は専用Tリングを介して後続ADCへT2直結できます。一方、Core部前端の1.25"ノーズに2"/1.25"変換ADを嵌めて2"Φへ口径拡大すれば、シュミカセ2"Φ接眼部に装着可能となります(目から鱗。2"/1.25"変換ADは2"Φ接眼部側に装着するものという思い込みがあり、この発想に至りませんでした)。Core全長58mmの半分位の32mm程が外に飛び出すことなりますが、差し引き69mmが短縮でき最短寸法が実現できます。

光路長(先端~撮像面)は図中に示すように約2割減が見込めます。Aの拡大率9xの2割減とすればCの拡大率は7.2xになります。推計誤差も考慮しておよそ7x台は見込めそうです。

■まとめ
•接眼部物理長の約3cm増を許容出来れば、拡大率7x台が実現できる見込みがあります。今後、検証予定。
•最近は接続パーツの煩雑な組合せをスマホソフト※で表現しています。 再利用も可能で思った以上に便利です。(※iPhone のiPocket Draw)



★彡 FireCapture V2.7の不具合を開発元へ問い合わせています

ASI482MCには必須のV2.7。私のPC環境では、以下の2つの不具合を確認。正式リリース版でこのような基本的な不具合が残っているとは思えず、開発元へ問い合わせています。

■不具合(1); Auto Stakkert 3.0での自動色認識
V2.7によるserファイルのカラー化で、自動カラー化不可。RG指定してもカラー化不可。仮対応ですが、GR(誤)指定でカラー化可能。

■不具合(2); (X反転+16bit)同時指定で異常発色


Case A: プリズム利用でX反転指定; 正常
Case B: 16bit同時指定; 異常発色
Case C: 仮対応のGR(誤)設定; 正常
※上記の仮対応で、16bit撮影+スタックは可能。

■まとめ
先日の火星初撮影では、発色異常トラブル(不具合(2)起因)、導入トラブル(センサー・チップ回転起因)と散々でした。V2.7は旧版V2.6やZWO純正の撮影ソフトASIcapと動作を見比べたりもしました。(新版撮影ソフト)x (新カメラ) をいきなり組み合わせるのは出来れば避けたいものです。


(つづく)



★彡 この3月に撮影ソフトFireCapture 2.7がリリースされました

昨年来2.7βとしてテスト公開されていましたが、この3月に2.7がついに正式リリースされたようです。




△FireCaptureホームページのスクショ


■一年前のβはボロボロ
去年の春先、2.7βが公開されているのを見つけて試用したことがあります。画面や、文字が見易くなってたいへん良い印象を持ちました。しかし、基本的な機能にバグ(たしか画面水平反転で発色異常する等)があり、結構ボロボロなのですぐに試用を止めた記憶があります。


■一年経った正式版は
β版で気になっていた点をいくつか試してみましたが、たいへん具合がいいですね。ただやはりバイヤー出力ファイルがAutoStakkert 3.0のカラー化でうまく自動検出されないようです。バイヤーパターン指定するとカラー化できるようですが、内容はRG指定(正)ではなくGB指定(誤)が必要でなんとも気持ち悪いです。(どちらかのソフトの使い方を間違えているかも、、)


■おわりに
こんな状況ですが、本リリースを切っ掛けに2.7に移行していこうと思います。(旧版2.6はカメラ新製品のサポートが既に見送られつつあります)

★彡 惑星用HDDの障害、別PCから運良くデータ救済できました

今シーズンの惑星撮影に向けてPC周りを整備してジタバタ。突然、惑星用のHDDから異音が続きPCから認識できないことに。昨シーズン向けに新調した4TBのものなんですが、撮影ピークの7-8月の木星データがすべて読めないことに。  ( T  t )


■障害対策ガイドの一文が救いに
HDDメーカーさんの障害対応ガイドに従い、初期対応として①USBケーブル差替え→②電源アダプター差替え→③ハブ撤去/直結を試しました。お決まりのルーチンですが、全く認識されません、、、
ここで私は既に諦めかけていたのですが、ガイドの初期対応の末尾一文が救いに。


「別のPCがあれば、諦めずに差替えてみて下さい。」


■諦めずに別PCからほぼ全データ救済
諦めず行った別PCでは、なぜかHDDの異音が止まりました。さらにディレクトリーまで表示できます。で、静止画→テキスト→動画の順番で、恐るおそる別HDDにコピーを試してみました。すると、数10MB/sの超低速度ながらコピーが進み、ほぼ全データをなんとか救済できました。 ^  ^


今度からは
「HDD障害なら、まず別PCからの起動を!」
ですね。


■新しいHDDに交換、そのバックアップは?




障害のHDDはバックアップ終盤に再び認識出来なくなり、急遽入手した別会社の新しいHDDに交換しました。今度は6TB、長生きしてほしい、、、


あと、動画のバックアップは本来取らない主義です。今回は最新データだったので動画の救済に少し執着しましたが、撮影データのうちバックアップするのは基本は静止画、条件テキストのみ。しかも「ウェブ掲載で済ませる」という割り切り様です。



★彡 惑星撮影にも役立つカシオ「生活や実務で役立つ計算サイト」

最近、必要に迫られて①日付や②地点を指定して③日の出/日の入り時刻や④惑星方位/高度などを調べるのに便利なサイト(天文ライブラリ)を見つけました。(画像はサイトより借用)





■カシオの「生活や実務で役立つ計算サイト
今回目的の天文ライブラリへは、
[トップページ→数学物理→物理公式集→天文]
でアクセスできます。そこに太陽系に関して20種程度の計算ライブラリがあります。今回は下記①~③の3種を活用しました。
  ①日の出日の入り(日本地名選択)
  ②日の出日の入り(世界地名選択)
  ③惑星の位置計算
----------------
■例題① 
春分の日、東京の日の出一時間前の火星高度を求めなさい
(1)日の出日の入り(日本地名選択)→時刻算出

→3/21日の出一時間前@東京;
      04:43:26=4.725時
(2)惑星の位置計算→高度算出

→答: 火星高度(3/21 04:43:26 @東京)
      =11.793°


----------------
■例題②
春分の日、南ア ヨハネスブルグの日の出一時間前の火星高度を求めなさい
(1)日の出日の入り(世界地名選択)→時刻算出


→3/21日の出一時間前@ヨハネスブルグ;         05:05:03=5.08時


(2)惑星の位置計算→高度算出


→答: 火星高度(3/21 05:05:03 
      @ヨハネスブルグ)=33.531°
----------------
■まとめ
プラネタリウムソフト利用に比較して、日本各地や世界各地を簡便に指定でき、素早く検索できるので使い勝手に優ります。



★彡 5月を待たず今すぐ火星を撮りたいのなら南半球へ行きなさい⁉︎

よく知られた月惑星研究会の観測ページですが、今年に入ってから南アのヨハネスブルグ在住のお一方からの火星写真の投稿が目を惹きます。2月にはほぼ連日アップの独壇場で、南半球が好条件なんだろうなぁと感心することしきりです。


天体ソフト(SUPER STAR IV)でヨハネスブルグ(概略 南緯26° 東経28°)を設定してみると、3月1日での火星高度は東方向で既に高度約30°(@日の出時刻一時間前)もあります。これなら撮影可能と納得しました。

■補足; 以下、固くなった頭の整理です。

半球による火星の視差について、ネットの理科教材に加筆してみました。
①地球; 今は春分の地球に近い。
    この図で太陽が地球全面を照らしてます。
②観測点; 青🔵(北緯:30°)、赤🔴(南緯:30°)
    共に東に日の出の太陽が見え始めています。
③火星; 
     図のように今夏至の地球相当の方向にあります。確かに青🔵地点から見ると、明け方南東に見えます。
④半球による火星の地上高度の違い
     北緯、南緯同じ緯度数なら、丁度地軸傾き約23°の高度差があります。東京(北緯: 約35°)、ヨハネスブルグ(南緯: 約26°)ならさらに緯度差が加わることになります。



★彡 今年の火星撮影シーズンの本格的な始まりはいつ頃でしょうか?

春めいて明け方には高く金星が輝き、その右下には火星が低く昇り始めました。本格的な撮影の始動に向けて、この先の明け方の火星の地上高度の推移を調べてみました。撮影には最低でも高度20°は欲しいところです。
■使用ツール
•フリーソフト Planet Book( by Vixen)
•設定時刻: 概略日の出時刻から一時間前
■各月毎の撮影可否の判定結果
★3月1日; 判定Δ (高度12°@05:20 4.7")

東方、高度-13°に太陽、あと一時間で日の出です。赤い▶︎マークが指すのが火星です。高度方位は10°刻みです。撮影の手慣らしは可能でしょうが、高度12°では撮影画質の確保は難しいですね。季節が進むのを待つしかありません。


★4月1日; 判定Δ (高度14°@04:35 5.2")

意外にも残念な結果が。日の出時刻が45分早まることに食われて、火星高度は僅か数°しか増加しません。ひと月待った甲斐がありませんが、それでも頑張る人は頑張るのでしょうね。


★5月1日; 判定Δ-O (高度17°@03:55 5.7")

ようやく高度17°に届きました。さらに20-30分かけて、薄明に追われながらの撮影合戦が本格化しそうです。


★6月1日; 判定O (高度25°@03:30 6.4")

夏至に近づき高度増加ペースが上がります。高度25°超えで撮影が可能となります。今シーズンの火星高度は80°近くまで増大します。


■まとめ
今朝明け方に見た火星に刺激されて、撮影開始を3月にと思ったのですが、撮影シーズンの本格到来は5月ですね。さらに6月には木星もやってきます。



★彡 フォーカサーまわり一新の効果 (2); 直列ファンによる冷却効果

V-POWER II 側面のV字貫通孔。この小さな孔から鏡筒の排気が上手くできるなど、やってみるまでは信じられませんでした。

実現の鍵となったのはファンの直列化。シュミカセの準密閉鏡筒の排気にはファンの(風量ではなく)静圧の高さが決め手になるようです。



■直列ファンの装着とマフラーチューブ
冒頭の画像はファン装着のビフォー/アフター。V字の貫通孔を覆うのは30mm⬜︎ファン。2個直列の構成となっています。

さらに繰出し筒の周囲には収縮可能なチューブをマフラーのように巻いて固着し隙間からの空気の流入を防ぎます。

■30mm⬜︎ファンの直列効果=最大静圧の向上
シュミカセは筒先を補正版で覆った準密閉鏡筒ですし、V字貫通孔の開口部面積(=18mmΦの円相当)も小さいため、ここから排気する系の圧力損失は極めて高くなります。

圧力損失の高い系の排気ではファンの最大風量は意味をなさず、最大静圧を高くすることが重要になります。実際、30mm⬜︎の小型ファンは直列化することでようやく鏡筒内の負圧を稼ぐことができるようになりました。(詳細はこちら)

それでもまだこの径の小さいファンが本当に機能するのか、内心は疑念でいっぱいでした。

■補正板の内側が結露し疑念が解けた
ところが試運転中に起きた次の事象で、この疑念が吹き飛びました。

今春のこと。湿度の高い夜間に鏡筒フードを付けずに1時間程度直列ファンを動作させ、シーイングを評価してみたのです。

やってみると湿度が高過ぎ補正板に結露が発生してしまいました。補正板の外側を拭いてみてビックリ。補正板の外側だけでなく、内側までもが副鏡ホルダー周囲からしっかり結露しているのです。

この現象の解釈はこうです。
「湿度が高く冷えた補正板外側は結露。直列30mm⬜︎ファンの排気が効いて、外部の湿度の高い空気が副鏡ホルダー周囲から鏡筒に入り込み冷えた補正板の内側にも結露した」

アイベルさんの鏡筒排気ファンS(60mm⬜︎ファン)などもっと大型の排気ファンを様々な局面で活用してきましたが、補正板の内側の結露は初めての経験です。なぜ?

が、よく考えるとこれは妥当な結果に思えてきました。従来より2倍弱大きな最大静圧の直列ファンで一番多く排気できたというわけです。「小型→最大風量: 小→効き目: 小」という誤った呪縛からようやく逃れることができました。シュミカセでは「直列化→最大静圧: 大→効き目: 大」が正解です。

これを契機に直列30mm⬜︎ファンの能力を疑うことは無くなりました。

■まとめ
・背後はADCやバーローで経路を塞がれているため、鏡筒の排気孔/ファンを設置可能なのはフォーカサー部分しかありません。(前提; 鏡筒は非改造)→これがフォーカサー排気に執着する動機

・フォーカサーからの排気冷却が有効なことを結露の判定から推察してみました。(主鏡温度モニター不可@鏡筒非改造)

・直列ファンは有効な排気手段であり、撮影準備開始からオンしっ放しで快適な撮影を続けられます。

・鏡筒フードさえ装着しておけば、オンしっ放しでも補正板(外側/内側)の双方とも結露は防げます。






(最初の記事に戻る)






★彡 フォーカサーまわり一新の効果 (1); ピント調節の改善ポイント

春先にフォーカサー周りを一新しました。
木星撮影中心に使い込んだ結果、①ピント調節 と②調節作業のストレス軽減に大きな効果がありました。


▲良好シーイング時のジャスピン木星像


また、ファン取り付けによる③鏡筒冷却作用も望外の嬉しい効果を確認できました。


■ピント調節の改善ポイント
[1] デジタル制御化によるピントの再現性
今回はフォーカサー(V-POWER II; Kasai製)にデジタル制御モーター(FA3; DeepSkyDad製)を装着したことでPC制御を可能としました。主鏡を動かさない範囲で焦点位置の再現性がありとても便利です。デジタル化を済ませている同好の方々にようやく追いついた格好です。


一新前の手動アナログ制御モーターの時代では、再現性のためダイアルゲージを装着し位置計測に手間暇をかけ効率を落としていました。


[2] 適正な微動ステップ量の実現
   粗動; 100μm、微動; 10μm
これがマニュアル操作時のステップ量の設定です。粗動でピント位置を挟む2点(間隔100μm)を求め、微動でピント位置を10μmステップで探査する感じです。


ピント合わせは木星の表面模様を利用するのが一番良いようです。シーイングが良ければ、10μmステップ※でステップ前後のモニター上の画質悪化or良化を判別できます。この時モニター拡大率は高く(200%以上)する必要があります。


※合成Fが30を超えるケースでは、焦点深度は1000μmにも達します。この焦点深度からすれば微動ステップは数10μmでも良いなと考えていましたが、実際には10μmでもピントの違いが判ります。


表面模様がうまく捕まえられない悪シーイング時は、木星本体近くのガリレオ衛星でピント合わせすることもあります。


このやり方ではデジタルでμm単位のステップ微動可能なことがポイントです。Feather touchなどマニュアルの操作性を訴求し高嶺の花の幾つかのフォーカサー商品は無用の長物に感じるようになりました。


[3] 撮影ソフト
フォーカス制御は定番撮像ソフトFireCaptureから行います。ただしカメラ制御とフォーカサー制御は独立させる特別なやり方をとっています。カメラジャム復帰の度にフォーカス再設定を余儀なくされることを防げるので、ストレス軽減になります。




(つづく)



★彡 RegiStax 超え? オールインワンソフト: AstroSurface

RegiStaxの後継として、欧州を中心に衆目を集めている天体ソフトAstroSurface。フリーソフトながら、重畳•ウェーブレット•デコンボリューション等の多様な惑星画像処理をこのソフト一つで処理可能といいます。

画像はウェーブレット機能を試しているところ。

■AstroSurface の良い点/悪い点
【優れた点】
①一連の処理機能がオールインワン
②ボタンパネル形式の操作性の良さ
③RegiStaxに劣らぬウェーブレット機能
④強調機能/デノイズ機能をセットで提供
⑤デコンボリューション付でフリーソフトです

【敷居の高い点】
(1)マニュアル等は全てフランス語表記。
(2)複数の紹介ビデオ(YouTube)の多くは欧州語。
cf. フランス語、イタリア語ほか

■普及の度合い
開発開始から2年ほど。欧州勢を先頭に欧米中心で利用者を広げているようです。まだ更新開発の途上でこの7月にも改定版がリリース予定だそうです。

一方で日本では利用者からの情報はまだ聞こえてきませんね。

開発者はフランス人。マニュアルや複数ある紹介の記事やビデオの多くはフランス語、イタリア語という具合で使いはじめはなかなか敷居が高いですね。YouTubeの字幕生成では英語への変換機能は無いのです。結局、今回はマニュアルは読まず ^ ^ 、Cloudy nights の英文記事を便りに見よう見まねの手探りで試行しました。

久々に欧州のアマチュア天文愛好家勢の底力を見た思いです。そもそものRegiStaxも欧州発でしたね。

■使用感
ウェーブレット機能を試した感じですが、

①強調の感度はRegiStax に劣らず好感触
②ノイズフィルターがセット提供で使い易く
③デコンボリューションもセットで素晴らしい

ので、当面RegiStaxを置き換えて使用を続けたいと思います。

スタック機能は機能が豊富でまだ使いこなせていません。使いこなせるまでの間は、AutoStakkert! +WinJUPOS+AstroSurfaceの3本使いですかね。

■おわりに
RegiStaxの最新版(Ver 6.1.0.8) のリリース日は2011年5月6日。ちょうど10年経ちました。

スタック機能は、AutoStackkert!に主役の座を譲りましたが、ウェーブレット機能は今も独壇場。10年を経て乗り越えようとする勇者の登場に拍手です。



★彡 フォーカサー操作ノウハウ(2); 奇想天外⁉︎ ダミーカメラで安全操作

フォーカサーのより安定した運用を目的として、撮影用の2種カメラ(モノクロ/カラー)に加え、新たにフォーカサー操作専用の第3のダミーカメラを用います。図はその3カメラ構成での運用の様子です。



■フォーカサー操作を兼用する撮影カメラの問題
通常、2種カメラを用いたL+RGB撮影ではフォーカサー操作をモノクロカメラから実行します。

しかし2種カメラでの撮影を実行してみると、原因不明のcapture failでモノクロカメラがフリーズすることがよく起こります。このフリーズはフォーカサー操作にまで影響するため具合が良くありません。

フリーズ回復のためのカメラ再起動でフォーカサー操作も復旧しますが、この際に何かのはずみでフォーカサーを初期化してしまうと、合焦位置を外れて初期化位置に暴走することさえあります。

暴走によるメカ破損事故の抑止のため最も安定性が求められるフォーカサー操作を、高速ゆえに不安定な撮影カメラから実行すること自体が間違いのもとだと思えてきます。

■フォーカサー操作専用の仮想カメラの採用
より安定なシステムとするため、フォーカサーの操作を撮影カメラから開放し、専用の仮想カメラのタスクとします。
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【FireCaptureの操作】
①ASI290MM 起動(モノクロカメラ)
→EFW ; 起動せず
→フォーカサー; 起動せず

②ASI290MC 起動(カラーカメラ)
→EFW ; 起動せず
→フォーカサー; 起動せず

③Dummy cam 起動(ダミーカメラ)
→EFW ; 起動→指定; L
→フォーカサー; 起動→位置指定; f
【撮影の手順】
(a)撮影は①/②をPC上で切り替え実行。
(b)EFW・フォーカサーは③からのみ操作。
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Dummy camはソフト上のカメラでハードが絡まないだけ安定動作します。

■実際の運用
冒頭の図で、青枠のタスク表示は3種カメラ(モノクロ/カラー, ダミーカメラ)の起動の様子を示します。スクリーン上、撮影用の2種カメラはパネルを僅かにズラして重ねて置いてます。撮影時は、①or②の画面をタップで切り替えます。右端はダミーカメラのパネルです。ここからEFWやフォーカサーを操作します。

■まとめ
惑星撮影者にとって、「フォーカサーがフリーズせず安全動作する」ことは精神衛生上素晴らしいことです。




★彡 フォーカサー操作ノウハウ(1); FireCaptureでLRGB撮影

FireCaptureで2種カメラ(モノクロ/カラー)でのL+RGB撮影を行う場合の電動フォーカサーの操作方法のポイントをまとめてみました。図はその様子。



■L+RGB撮影での撮影操作
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【FireCaptureの操作】
①ASI290MM 起動(モノクロカメラ)
→EFW ; 起動→指定; L
→フォーカサー; 起動→位置指定; f

②ASI290MC 起動(カラーカメラ)
→EFW ; 起動せず
→フォーカサー; 起動せず
【撮影の手順】
(a)撮影は①/②をPC上で切り替え実行。
(b)EFW・フォーカサーは①からのみ操作。
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ポイントは、フォーカサーに②を繋がないことです。始めのうち、①と②を切り替えるたびにフォーカサーの繋ぎ替えが発生して往生していました。無駄に気付いたのはしばらくして、、、

^ ^

■実際の運用
冒頭の図で、青枠は2種カメラ(モノクロ/カラーカメラ)の起動の様子を示します。スクリーン上、2種カメラのウィンドウを僅かにズラして、重ねて置いてます。常時表示の緑枠はモノクロカメラのフォーカサー操作窓です。

撮影時は、①or②の画面をタップで切り替えます。フォーカサーは常時表示となるモノクロカメラの緑枠から操作します。

■まとめ
カラーカメラ撮影中に、「裏のモノクロカメラからフォーカサー操作できる」なんて思いも寄りませんでした。



★彡 シュミカセの副鏡ユニットを固定する応急処置方法

光軸調整などで不用意にシュミカセの副鏡ユニット(fastar仕様)を回転させてしまうことがあります。時にねじ込みが緩み過ぎで上手く固定できなくなる深刻なことにも。この場合の応急処置についてです。 ■補正板を外さずに、副鏡ユニットを固定する 正攻法は、「補正板を外し内・外のストップリングを両手でねじ込み副鏡ユニットを補正板にしっかりと固定する」です。ただし、補正板自体のアライメントを復元したりと補正板を外すことは中々面倒です。厳密には、副鏡が廻ると回転のみならずXYも僅かにずれます。さらに補正板を外すと回転に加え補正板のXYもずらすことになります。この両方を戻すのは面倒でしょう?ここでは補正板を外さない応急処置のやり方を考えてみました。 ■応急処置のやり方 [1] 副鏡HRを緩め副鏡を取り出す。   (内側SRを固定する手を差し込むため) [2] 外側SRに副鏡HRを再びねじ込む。   ([5]で均等に力を掛け易くするため) [3] 外側SRを廻しfastarマークを水平にする。   (予めfastarマーク向きをSRにマークしておく) [4]左手で内側SRを手前に引き続けて固定する。 [5]右手で副鏡HRをねじ込み内•外SRを固定。 [6]副鏡HRを緩め副鏡を戻し、再度ネジ込む。 凡例) SR: ストップリング、HR: ホルダーリング ここまでやってから、補正板を外すのはありかも。補正板回転、副鏡回転を両方同時にフリーにすると面倒が増えます。


追記

この記事の画像。とても丁寧に描いているのは米Celestron のサポート窓口にこんな方法で良いかを問い合わせるためでした。


回答には、 「原則、補正板を外しストップリングを両手で締めて固定して下さい」とありました。この記事のやり方については固定可能ならそれで構わないでした。



★彡 木星撮影のための週間気象予報⁉︎

木星シーズン到来ですが、今明け方の空は最悪でした。木星は2本縞さえ見えない白い丸で、敢えなく撤収。もう少し予断を持って臨めるように、SCMとWindyを組み合わせて【今週の木星撮影気象予報】をこさえてみました ^ ^

■今週の木星撮影気象予報

マップは日ごとの3000m/700hPa気流図(@AM5)です。記号ははじめに天気(⭐️:晴、☁️:曇)。次に気流状態(O:優良,Δ:可,X不可)です。

関東では週後半に向け気流条件が改善しますが、曇が増えるようです。

参考


冒頭に触れた19日AM5の気流図です。3000m以上は全て大荒れ。特に空気のまだ濃い5500mまでが白い刷毛(50m/s超え)で塗られるようになると惑星の表面模様の峻別ができなくなるようです。





★彡 C14 on an EM-200(8); 補強金具でC14は載せられる

先日取りあげたヨット金具を入手して、延長バランスシャフトの補強ツールとしての実用度を早速試してみました。ヨットだけに乗り掛けた船?



▲実効シャフト長: 67.5cm(=41+20+6.5)
→補強金具中心からウェイト終端まで26.5cm


■リガー社レイルアイ金具が着荷



着荷姿はこんな感じです。長納期を予想していたのに、注文後2日で届いたのにはビックリ。ビニール袋に丁寧に梱包されていて、見た目は水道管の部品のようです。

■Φ18バランスシャフトの強度補強が可能か?



ここが最重要ポイントで、そのチェックポイントは3つありました。金具寸法図が公開されていないので、ビニールを開封し恐るおそるパーツを確認した結果です。

(1)寸法の判定; Φ18が掴めるのか?
・カタログ上は金具適用外径はΦ19-32。Φ18は適用外なので、ここで躓けぱ致命的なNGです。スペーサーを使うのは強度面で不安ですから。

・画像の左側は、固定ネジを締め上げ開口部を最狭化したものです。この時開口部の縦寸法は17mm!!!→Φ18はぎりぎりクリアできそうです。

さらに
(2)金具断面形状の判定
・この金具は元々は単一シャフト用。2つのシャフトの接合部の補強に対応するためには、金具断面形状が凹型が望ましい。逆に蒲鉾型のような凸型だとシャフトを固定する力は伝わらずNGです。

・画像の右側は金具をニ分した時の内側の様子です。金具の上下端には幅6mm程度のリム突起構造があります!!!! 断面形状はみごと凹型でした。

・これなら同じΦ18ながら僅かには外径差のある純正シャフト/延長シャフトの両方を掴みネジ締め可能と思われます。

(3)覗き窓; 接合部の位置確認
・上の2つより優先度は下がりますが、このニーズも無視できませんでした。

・上側パーツ中央には、自由回転アイ部品を固定している六角ボルトの頭が見えます。下側パーツ中央には貫通のネジ穴があります。このネジ穴は、接合部の位置確認の覗き窓となり、安心して位置決めができます。ネジ穴を覗きながら締めることができるように、締め付けボルト向きを通常とは逆にしてあります。

(4)検証結果
以上(1)~(3)の確認後、
・レイルアイ金具の位置決めをし、さらにネジ締めしてみると、両シャフトにレイルアイ金具がシッカリと固定できることを確認できました。

・ウェイト装着後に締め増しが必要です。締め増した金具間には隙間があり、心配された空締めはありません。この補強金具がタカハシ純正品なのかと見まがうほどのフィット感です。





■結言
・①延長シャフトと②補強金具、さいごに③バランスウェイトを装着した姿が冒頭画像です。細めのシャフトなので全体が僅かに撓ってますかね。EM-200が辛そうです。
(片持ち61cm長のΦ18ステンレス棒の遠端に17.2Kg(公称16.5Kg)を加えた場合、撓み量は1.3cm。EM-400のΦ25なら0.4cm...なる程ね)

・レイルアイ金具で延長シャフトの補強が可能なことを実証できました。この金具により、全ウェイトを終端に寄せる運用が可能になりました。嬉しい成果として、過積載を抑制し延長シャフト補強にもってこいのツールを発掘できました。

・この補強金具なしに3ウェイトを終端に寄せることは考えられません。実行したら、間違いなく延長シャフトは接続部で折れ曲がるでしょう。3ウェイトの重さを実感した私の感想です。

・延長シャフトに補強金具まで揃い準備万端ですが、肝心のC14が手元にないのでこれ以上前に進めません。^ ^ ;

・ここまでで本テーマ、一旦クローズです。



(最初の記事に戻る)



<追記>補強金具の寸法要件
A: ウェイト幅合計とB: 正味の延長シャフト長(=延長シャフト長-金具取幅+止めリング厚)との間には次の寸法制約があります。

B ≧ A ••• ①式

これは延長シャフトに金具を装着後、全ウェイトを挿入し、止リングを止められるという基本的な条件です。違反するとウェイトの一部が搭載不可となります。

上の実例では、
A: ウェイト幅合計; 19.3cm(=4.8+4.8+9.7)
B: 正味延長シャフト長
=延長シャフト長-金具取幅+止リング厚
=19.3mm(=20-1.5+0.8)
∴B = A で①式をぎりぎり満たしています。

ぎりぎりの意味は、ウェイトの終端側面と延長シャフト止めリングの終端側面が面一(つらいち)だということです。面一なら止めリングの終端側面を指の腹で回して止めることができます。

もしBがAより短いと止めリングを止められず、結果3ウェイトをさらに下ろす低重心化(6.5cmほど)ができなくなります。モーメントで-118Kg•cm分です。



★彡 C14 on an EM-200(7); Φ18バランスウェイト寸法一覧

このテーマでは、合成モーメントを数多く計算しました。Φ18のバランスウェイトの寸法一覧を掲載しておきます。合成モーメント計算に使った数値ということで、内容を保証するものではありません。



メーカー公表値が無いため、手持ちウェイトの実測結果やショップ問い合わせ情報を参考にしてあります。末行の6.5Kgは製造•販売は終了されています。



(つづく)



★彡 C14 on an EM-200(6); 過積載軽減の意外なブレークスルー

これはネットでようやく見つけたヨット向けのパイプ金具です。EM-200の過積載を軽減できそうな期待のパーツなんです。このパーツで延長シャフト接続部を補強することで、ウェイト追加せず全ウェイトを延長シャフト遠端に下げてバランスさせます。



■ウェイト追加W0を取り止め


前回は上表の[ケース#3; 2.1Kgウェイト追加] を採用案としたのですが、表右側の過積載の度合いは30%近くもあるので採用不可と思えるようになってきました。結局、[ケース#1; 追加ウェイトなし= 過積載+20%程度まで] で解が見つからなければ諦めることにしたのです。工学的にも、+20%で破損してしまうことは無いでしょうから。

議論のスタートのC11の構成に立ち返ると、16.5Kgの合計ウェイトで積載上限に近い33Kgを載せています。ここで+8Kg重いC14を載せるため、さらにウェイト2Kgを追加し+10Kgも増量するのは正気の沙汰では無いのです。ウェイトはむしろ減らす方向、譲っても増やさないのが鉄則でした。



■追加ウェイトなしでの対処策
最初の表のケース#1のA~Cの詳細です。
ケース#1のA;
前回案の再確認です。接続負荷制限のためW2をオリジナルシャフト側に据え付けたため、追加ウェイトなしではモーメント不足で解がありません。

ケース#1のB;W2シフトダウン
仕方なく、W2を延長シャフト側へシフトダウンする案まで考え始めました。合成モーメントは目標に大分近づくのですが、接続負荷が17Kg超えとなるため致命的な事故を誘発する内容なのです。

オリジナルシャフト(Φ18mm)の先端の接続部(M10)の最小外径はΦ8mm程度と細いのです。この接続部にウェイトの17Kg超が加わります。しかも20cmの延長シャフトが梃子となります。万が一、破断すると足元に17Kgが落下し、その反動で鏡筒と赤道儀が転倒・大破、、、やはりこの案は却下せざるを得ません。

ケース#1のC; 補強金具を追加
ここで冒頭のパーツの登場です。4点留めの抱き合わせ固定金具をネット検索してみてようやく見つけたものです。原因は、2点留めなら数多ありますが、4点留めの商品が全くと言って良いほど無いからです。純正シャフトや延長シャフトと同じくステンレス製でM5ステンレスネジで締め上げるので強度的にも安心です。自由回転のアイ部分は遊ばせたままです。

これで接続部を覆うように4点をネジ留めし接続部への応力集中を緩和しようというアイデアです。接続部のステンレスの合計断面面積は一桁以上アップしますが、表では荷重が半分程度緩和されると控えめに見込みました。この固定金具でウェイトの上部への移動は不可能となりますが特に支障はないでしょう。

僅かですが金具本体の重さが加わり合成モーメントも目標をクリアできました。

■さいごに
・+20cm延長シャフト適用した場合、過積載ほぼ20%の範囲でC14 on an EM-200が実現できそうです。

・残念ながら補強金具の適用パイプ外径はカタログ上はΦ19-32mmで、Φ18のバランスシャフトを上手く掴めるのかには課題が残っています。実現にはこの補強金具を実地で上手く活用することが鍵となりそうです。過去に見たことも聞いたこともないやり方なのでチャレンジ(=人柱 ^ ^ )が必要です。



(つづく)



★彡 おっとっと RegiStax; ボーッと生きていました ^ ^

最近、惑星の画像処理でちょっとしたトラブル。RegiStaxでのWavelet処理後、強調処理の最後の最後で画像に継ぎ目が⁉︎
でも、ここでボカシ処理などしてはいけません。

■継ぎ目の症状
これが(A) Wavelet処理後 と(B)強調処理後の画像です。矢印の箇所が現れた画像の継ぎ目です。(A)で気付かなくても、強い強調処理で最後に顕在化することがあります。ここでは判りやすくするために強めの強調処理をしてあります。



■原因はRegiStaxのPA設定不良
PA(Processing Area)は、図形処理を行う矩形範囲のピクセル数値(辺長)です。

ちょうど800x640の画角で撮影した木星像(直径=凡そ600ピクセル)ですが、この時の設定はPA=512ピクセルなので明らかに小さすぎたのです。

■PA=1024に変更
SettingsプルダウンメニューでPAの変更は簡単にできます。



■再処理結果((C)→(D))

やれやれ。

そして再発防止には、Wavelet処理の画面で
Show Processig Areaのボックスにチェックを入れておくことです。

■チコちゃんに叱られる⁉︎
Wavelet処理のスライダー操作の加減のみに気を奪われているとチコちゃんに叱られますよ。



★彡 Windy高層気流図と惑星シーイング②; 過去一年間の整理

木星撮像とWindy高層気流図をセットで記録し始めて一年が経過しました。セットの記録は20回を少し超えました。そこで、シーイングの程度ごとに代表的な高層気流図をピックアップしてみました。

代表的な悪シーイングには今年の二例が登場します。

■シーイング 5/5
・木星 UT: 2019-08-03 11:42:48

・8月4日0h(JST) Windy高層気流図


■シーイング 4/5
・木星 UT: 2019-09-06 10:23:36


・9月6日18h(JST) Windy高層気流図


■シーイング 3/5
・木星 UT: 2019-06-25 13:36:42


・6月26日0h(JST) Windy高層気流図


■シーイング 2/5
・木星 UT: 2020-05-27 18:58:30


・5月28日6h(JST) Windy高層気流図


■シーイング 1/5
・木星 UT: 2020-04-28 19:33:42


・4月29日6h(JST) Windy高層気流図


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関東西の山間部沿いでは
①700hPa/3,000mの西からの気流がシーイングに大きく影響していることが判ります。いわゆる山風ですね。これが黄・赤色だと満足な撮影になりません。まだ大気が濃い層なので、惑星全体がゴムまりが伸び縮みするような見え方です。

続いて
②400hPa/7,000mの気流が細部の解像を決めるようです。ここが白色の激流だと磨りガラスを挟んだような写り方になります。

いわゆるジェットストリームの
③250hPa/10,000mがさらなる細部の解像のコントラストに影響しているようです。ただしここが白色の激流でもそこそこの撮像ができるようです。

画像記録は割愛しましたが、上記①②の中間層
④600hPa/4,200m, 500hPa/5,500mもシーイングに重要な影響を与えます。川床の硬貨を見るようにゆらゆらしたり、旗が細かくはためく見え方になります。

もう少し観察を続けてみようと思います。

注)高さ別の記載だと、高さ毎の層流のようなイメージが浮かびますが、実際の高層気流は乱高下する3次元現象です。



(最初の記事に戻る)






★彡 評判のTopaz DeNoise AIを惑星画像に使ってみた

このところ天体撮影のネット記事では、ノイズ除去ソフトTopaz DeNoise AIが頻繁に取り上げられていますね。どんなものなのか、一つのテスト素材で効果を試してみました。

■テスト素材: 昨年8月2日の木星画像
テスト素材は、画像処理を中断して放置してあった木星の画像Aです。中断の経過は①強調処理をした結果ノイズが目立つようになり、②(当時使ったソフトでは)上手くノイズ除去ができず、③強調処理の途上で中断したものです。

■Topaz DeNoise AIの試用結果(画像A→画像B)

DeNoiseを強めとし、Sharpenを加減することで、あっさりとノイズ除去ができました。滑らかな感じになりました。さらに強調処理ができますね。

■追加の試用結果(画像C→画像D)

追加の強調処理した画像Cに、再びDeNoise処理を加えてみました。やり過ぎかもしれません。(画像D)

Topaz DeNoise AIで、眠そうな画像Aから薄い ベールを剥ぎ取ったような画像Dへと進めることができたわけです。

■まとめ
このソフト、ノイズ除去処理に効果ありのようですね。手軽にDeNoiseできますが、実微細パターンまで消してしまうやり過ぎには注意が必要です。
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掲載画像はPCのスクリーンショットです。画像Aはもう少しノイズ感があります。



★彡 イメージングフリップミラーで困った; ミラー脱落と再取付け角度の調整不具合

カラー、モノクロの2画面のファイヤーキャプチャー画像。これはイメージング フリップミラーのミラー固定角度の調整中の画面です。正月早々こんなことをやる羽目になった顛末は以下の通りです。



■脱落しかけのミラーを固定する
リボルバーのテストのためイメージング フリップミラーを外そうとした時、偶然ですがミラーのぐら付きに気付きました。指先でミラーを押してみるとさらに斜めになり脱落しかけています。

ひと月ほど前、イメージング フリップミラーからこぼれ落ちた3mm位のネジ。何のネジか判からず放置していたのですが、これが2組のミラー固定ネジの一つだとようやく判りました。

早速、ネジを取付け事なきを得ました。
筐体を分解するのは面倒なので、時計ドライバーの先端にネジを接着剤で止め、M42の穴から差し込んで斜め45°からネジを廻すアクロバットが必要でした。

購入して一年程の使用で基本中の基本のネジが脱落したことにショックを受けました。

■ミラー固定角度の調整


それから冒頭画面の調整に移ります。
上の説明書の青枠で囲った箇所に角度調整固定ネジとあります。このイモネジを廻してミラーの上げ下げで2つのカメラ画像が揃えば調整完了です。
上下左右も認識したかったので、自宅から遠方の看板の文字(横の字)を写しています。またモノクロ側は同時には写りません。画面合成したイメージ図です。

■調整固定ネジが"止まらない"
この便利なイモネジ。噛み合わせが緩くお尻を突くとカタカタ廻る(⁈)んです。同様にミラーが頭を叩くとこれが起きるでしょうから、角度調整は多分徒労に終わります。使い方が間違っている?
これどうしたもんでしょう。硬めのグリースで固定するか思案中です。

■備考
エレガントな接続法や物理長(撮影システム)の短さに惹かれて飛び着いたイメージング フリップミラーですが、基本のミラー機能に限ればビクセン製では全く経験しなかった問題が起きています。

T2ロックリングは流用しビクセン製に戻してみる選択もありそうです。

(追記)
グリースにゆるみ止めを期待するのは無理があるので、今回は角度調整固定ネジを"ねじロック243"(中強度タイプ)で半固定することにしました。




★彡 C11鏡筒のリアヘビー解消; 装着位置のスライド調整

EM-200用の定番アリミゾ(DS80L)の脱落防止ネジ(M6)を敢えて外すことで、鏡筒を約1.5cmだけ前方(参照; 青の矢印)に取付け可能にしました。接眼部の充実でいっそう強まってきた鏡筒のリアヘビー状態(注1)をこれで解消しました。脱落防止は、L字金具(注2)を幅広アリガタ(オレンジ)側に取付けて対策しました(注3)。



◆注1 ; 元々リアヘビーのC11鏡筒
C11鏡筒の重心位置は鏡筒(全長約55cm)の先端から約42cm位(全長の約76%)にあります。脱落防止ネジがあると、前方へは約40.5cmの位置までで止まってしまいます。これまでリアヘビーのまま誤魔化しながら使ってきたのでした。

◆注2 ; M6が使えるL字金具; ヤハタ製

M6が使える汎用L字金具の選択肢は多くはありません。

◆注3 ; 脱落防止と事故の未然防止
実は脱落防止ネジが無くても、鏡筒ハンドルで鏡筒は止まり脱落は免れます。むしろこの場合は指先が挟まれる事故が心配です。


★彡 C14 on an EM-200(5); 想定している(延長シャフト+過積載)の前提では解が無い

全面的に書き換えました。
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適度なシャフト長アップと若干の過積載とで、C14搭載の現実解を探してみます。

(軽量でも安くて馬力のある海外製赤道儀に取替えた方が早い気もしてきましたが、、、^ ^ )

■3種長さの延長シャフトの評価結果


ケース#1~3で、それぞれ+15, +20, +25cmの延長シャフトの合成モーメントを評価しました。

ウェイト構成は、手持ちのウェイトセット(標準5Kgx2,+6.5Kg)に1.4、2.1、3.5Kgの追加ウェイトを組み合わせて網羅的に評価してみました。ここで2.1Kg, 3.5Kg, 6.5Kgを低重心ウェイトと呼んでいます。クランプ位置より重心を下げた取付けが可能なことが特長です。

評価のポイントは、①合成モーメント(≧1010Kg•cm)、②接続負荷(≦13Kg)、③公称のウェイト合計(≦20Kg)の3つの観点から判定しました。NG(No Go)の項目は朱記表記し、Go項目は背景をブルーにしました。合格(Goが3つ揃う)の場合は、横一列ブルーにしてあります。

#1; 延長シャフト+15cm
3Kg前後のウェイト追加でバランスすると予想していたのですが、残念ながら合成モーメント不足で解がありませんでした。ショック‼︎

また表中、記載を割愛しましたが、ロングシャフトBL仕様(実質+12.6cm)も同様に合成モーメント不足のため選択肢から外しました。

#2; 延長シャフト+20cm
追加ウェイト2.1Kg、3.5KgでC14をバランスできます。

#3; 延長シャフト+25cm(参考計算)
25cmまで延長すると、追加ウェイト1.4Kg以上でC14をバランスできます。追加ウェイトなしでも僅かに足りない程度です。ただし低重心ウェイトであり実効シャフト長は72cm(=41+25+6)に達します。運用できるかは設置環境に寄りますね。私の環境では無理です。

以上のように、延長シャフトは+20cm以上の中から選ぶしか手が無いようです。

■構成変更による合成モーメント評価(参考)


+20cmの延長シャフトを選んだ場合、ウェイトの構成法をいくつか試してみました。

#4 末端に標準ウェイト
低重心ウェイトの効果は期待できないのでモーメントをあまり稼げません。追加ウェイトを3.5Kgとしてようやくバランスできます。

#5 末端に低重心ウェイト①
オリジナルシャフト端と延長シャフト端ともに低重心シャフトとする構成です。
#6 末端に低重心ウェイト②
オリジナルシャフト端は標準ウェイト、延長シャフト端のみ低重心ウェイトの構成です。

#5と#6の合成モーメントの評価結果の比較は興味深いですね。一般に、オリジナルシャフト端には低重心ウェイトを配置した方がモーメントを稼げます。しかし追加ウェイトが軽い場合は、より重い標準ウェイトをオリジナルシャフト端に置いた方が僅かですがよりモーメントを稼げます。

ということで、ケース#6を基本とすることにしました。


■ここまでのまとめ
•EM-200の搭載質量は17Kgと比較的低く、公式にはC14(20.5+4.1=24.6Kg)の搭載は不可能です。

•延長シャフトによるモーメント稼ぎの試算結果
①+15cm•••✖︎(バランスせず)
②+20cm•••✖︎(過積載28%@追加ウェイト2.1Kg)

※(参考)過積載率
=(鏡筒+接眼部等+合計ウェイト)/(2x搭載質量)
=(20.5+4.1+18.6)/(2x17)
=128%

③+25cm•••✖︎(寸法超過で運用不可)
と、延長シャフト適用だけでは解なし‼︎

→過積載に打ち勝つためのブレークスルーを探すことになりました。



(つづく)



★彡 C14 on an EM-200(4); 追加仕様のEM-200BL

ロングシャフト(+15cm)に準ずるシャフト長の追加仕様EM-200BLに触れておきます。

■EM-200temma2MにBL仕様追加
2012年に遡りますが、収納タイプではなくより長い固定シャフト長を持つEM-200BLが受注生産の形で追加されています。

この仕様は 、μ-250CRSを錘4連; 20Kgから3連;15Kgに軽減して載せる狙いで追加されました。撮影精度では錘4連で一杯いっぱいのEM-200の余裕度改善版の位置付けと思われます。



■シャフト長増大と搭載重量
固定シャフト長は約53.6(=41+12.6)cm位だそうです。+15cm未満は残念ですね。、

搭載質量は16Kgです。シャフト長増加による鏡筒重量増=16x(53.6/41)=16x(1.3)=21Kg位は狙えるでしょうか、、、画像ではμ-250CRS; 12+5=17Kgを余裕で載せてますね。。。

ノーマルシャフトのEM-200をBL化する加工サービスを3万円台で注文できるようです。BL化すれば延長シャフトの強度不足は解消できます。



(つづく)



★彡 C14 on an EM-200(3); 15cm程度の延長シャフトではC14はバランスしない

C14 on an EM-200 のつづきです。

EM-200の最大搭載荷重以下のウェイトで、シャフト長アップで現実解があるのか試算してみます。

手持ちウェイト構成16.5Kg(=2x5+6.5)で、以下の二つについてモーメント計算をしてみました。

(1)延長シャフト(+15cm)を適用
(2)ロングシャフト(+12.6cm相当)に交換適用
((2)は強度に優れ、末端により重いウェイトを置きモーメントを稼げる)

■シャフト長アップのモーメント計算結果


①純正シャフト(41cm)でのモーメント実験
先ず、純正シャフトでC11搭載に必要なモーメントを求める実験をしてみました。これからC11搭載に必要なモーメントは610Kg•cmだとわかりました。(この時C11重量は16.6Kg(=12.5+4.1)でした)

これからC14 24.6Kg(=20.5+4.1)を搭載するには、24.6/16.6x(19+19)/(15+19)=1.66倍の1010Kg•cmが必要なことが判ります。ここで第3項、第4項の比は鏡筒の口径増によるモーメント増加分(約11%)の補正です。ラフ計算では、42x1.66-42≒28cmなのでシャフト延長は30cmくらいが必要に思えます。

②純正+延長シャフト(56cm)
延長シャフトを用いたモーメントは900Kg•cmにも届かず、予想通りC14の搭載は不可能だと判りました。

(注)延長シャフト自体の増加モーメント (41+7.5)x0.3=+14.55Kg•cmを織り込み済み。

③ロングシャフト(53.6cm);
実は、当初このロングシャフトでC14搭載が可能ではないかと期待しておりました。

その理由は二つ。(1)延長シャフトに比べ末端により重いウェイトW1(6.5Kg)を配置できること。さらに(2)W1(6.5Kg)は重心を低く固定可能で、シャフト長を実効的に凡そ6cm程度長く出来ることです。

しかし、期待のこれら2点を加味した計算でもモーメントは所要の1010Kg•cmに届きません。C14は重いんですねぇ。

(注)ロングシャフトのモーメント増加分
シャフト長増分の18.5Kg•cm (ショップ情報)を織り込み済み。

④ロング+延長シャフト(長さがNG)
これはあくまで参考計算です。ラフ計算が示すように30cm延長で、ようやくC14を搭載可能なモーメントが実現できるようです。しかし、振動の発生や取り回しも悪くなり現実的ではありません。

■纏め
・EM-200の搭載質量は17Kgと比較的低いので、公式にはC14(20.5+4.1=24.6Kg)の搭載は不可といわれています。

・延長シャフト(15cm)を使ってモーメントを稼ぐ方法でも、モーメントは900Kg•cmにも届かずC14搭載(所要1010Kg•cm)は不可だと判りました。(ウェイト16.5Kg時)

・期待のロングシャフトでも所要1010Kg•cmに届きませんでした。

・ロングシャフト+延長シャフトまでやると、C14を搭載可能なモーメントが得られます。しかし純正シャフトに対し30cm増は非現実的です。

・以上、シャフト長アップによるC14搭載の現実解は難しいようです。それでも載せたいという方は、ロングシャフト(または純正+延長シャフト)に3Kg前後の追加ウェイト※を使うしか手がありません。2割程度の過積載となるので、あくまで自己責任ということになります。

※ ②のケースで、不足を補うためには(1010/841-1)x16.5Kg=3.3Kgなので凡そ3Kg前後を追加すれば良いと判ります。

(参考)
ほしぞら工房さんでロングシャフト製作が可能です。

さらに、タカハシ自身がEM-200のロングシャフトBL仕様を追加対応しています。



(つづく)



★彡 惑星LRGB合成の画像処理; L画像の強調処理の有無による結果比較

連日の悪天候に真冬並みの高層悪気流が追い討ちとなり、今年の木星シーズンは既にお仕舞いですね。シーズン終盤に始めたモノクロカメラによるLRGBの撮影機会は、9月6日の一回が最初で最後となりました。その時の知見ですが、画像処理の詳細を記録しておきます。

■合成処理の比較結果(LRGBとL'RGB)

木星 UT: 2019-09-06 10:23:36

2種類の差異の詳細は下記を参照下さい。

■LRGBの撮影シーケンス
De-rotationを考慮して、撮影シーケンスをSER動画の9本撮りとしました。

①R→②G→③B→④L→⑤L→⑥L→⑦R→⑧G→⑨B

末尾にFireCapture のScript を示しておきます。
フィルター操作タイミングは全シーケンスで同一とし、フィルター操作後4秒待って撮影開始するようにしました。

■R,G,B画像の生成


9本のSER動画から、以下(1)~(3)の処理によりR, G, B画像と次に述べるL画像を生成しました。

(1)AutoStakkert!3 (AS!3); 重畳(静止画に変換)
(2)RegiStax; 弱Wavelet処理(コントラスト改善)
(3)WinJUPOS; De-rotation@各チャネル毎
基準時刻は⑤の撮影中心時刻としました。

ここで、(2)のコントラスト改善は、(3)でのOutline自動検出の誤検出を抑制するための一手間です。

■L, L'画像の生成


Lチャネル画像は(3)で生成したL画像に加えて、さらに強調処理を先行して加えた(4)L'画像を用意して比べてみました。

(4)L'=L+強調処理(@Astra Image)

この強調処理にはAll in one天体ソフトのAstra Imageを使ってみました。主にWavelet、Deconvolution、Super contrast、Blur機能等を活用しています。L画像の強調処理は、LRGB画像の其れに比べて、強調処理の加減調節が容易で効率よく収束させることができます。

■Astra ImageによるLRGB合成
2種類のL画像(L, L')に対して、LRGBアライン合成して比較したのが、冒頭の画像です。処理手順に関して、強調処理をL画像に行うか、LRGB画像に行うかに違いがあります。

この二つは手順こそ違え同じ結果に辿り着くと予想したのですが、ご覧のようにL'RGB画像の方がコントラストがほんの少し高い結果となりました。LRGB画像では、これ以上のコントラスト強調処理は階調破綻して受け付けません。

これは、強調処理をL画像だけに集中して済ませる方が、最終結果(=画像破綻の無い仕上がり)に収斂させ易いという事なのでしょうか。この結果から、合成ではL'RGB合成を選択すべきと考えられます。

今後もう少し事例を積み重ねてみたいと思います。

(参考)LRGB撮影Script

★彡 インクジェット印刷のトライバーティノフマスク (1) ; 試作とテスト撮影

トライバーティノフマスクに関して二つのアイデアを試してみました。その一つ目は、A: インクジェットプリンタでのお手軽マスク製作。そして二つ目は、B: マスク透明化による暗い星での光軸合わせ、です。

■インクジェット印刷マスクの完成画像


二つのマスクを並べたこの画像、左が透明トライバーティノフマスクで、右が通常のトライバーティノフマスクです。いずれも、市販の透明OHPシートにエプソンのインクジェットプリンタで印刷したものです。

パターン生成はこちらを利用させて戴きました。
http://svg2.mbsrv.net/astro/Tri-Bahtinov.html

通常版ベクターパターンは、フリーソフト: インクスケープでステム部に黒を流し込む加工を施しました。また透明版は、暫定ですがベクターパターンのライン幅を1mm厚に太くする補強をしています。

印刷後、外周と内周だけはカット作業の手間がかかります。見るからに使えそうな通常版は外周リングを補強し、着脱ツマミ(ゴルフマーカー)を付けてあります。

■閃いた!_ OHPシートの印刷マスク
光学マスクの手作りは結構根気のいる作業です。薄紙に印刷したマスクパターンを厚紙に貼り付けて、カッターナイフで切り出し加工するのですが、まあ半日仕事となります。さらに外縁は厚紙で補強するなど、不器用な人間がたまにやると一度はしくじって結局一日仕事となるかも知れません。

おまけにトライバーティノフマスクの場合、新旧二種のパターンが提案されてますし、パラメータの設定も何通りか試してみたくなります。もっと素早く簡単に出来ないものかとずっと考えていました。でもレーザーカッターや3Dプリンター活用は敷居が高過ぎますし、、、

そして、、、最近話題のクリアバーティノフマスク(ウィリアム・オプティクス)を見た瞬間、OHPシートにインクジェットプリンタで印刷したらどうかと閃いたのです。「そうだ、印刷パターンさえあれば、カット無しの透明シートで良いのでは、、、」

■実写テスト結果の比較


今日明け方ようやく晴れ間を見つけ、明るい恒星で試作した2枚のマスクの実写テストをしてみました。対象はリゲル。この0等星は4連星でマスク評価には全く不向きなのですが、このタイミングを逃すと次いつになるか分かりませんので実写テストを強行しました。薄明が迫ってました。

■光条による光軸調整判定の可否
インクジェット専用のOHPシートの素材は、0.1mm厚のPET。透明に近いですが、インクジェット粒滴を定着させるため"大げさに言えばザラザラに"表面処理してあるそうです。もし光の散乱が激しければ元々の回折像にダメージを与えマスクとして使いものにならない懸念があります。

① 右図が通常トライバーティノフマスク(OHP)。4連星の影響もあり中心部は複雑です。しかし外周の光条(おそらく主星リゲルAのもの)は伸びていて、これなら光軸調整の判定は可能でしょう。

② 左図は透明トライバーティノフマスク(OHP)。驚いたことに、パターンはよりクッキリして、光条もよく伸びています。左右見比べて、両者とも光軸調整は問題なく出来るようです。

さらに透明トライバーティノフマスクでは露光時間が約1/2.5で足りています。通常版に比べて一等級暗い対象まで光軸調整の可能性が広がります。

■取組みの狙いと今後
① 今回のリゲルの実写でOHP印刷マスクでの光軸調整の実現に可能性があることを確認しました。さらに非連星の恒星での追試が必要です。

② 恒星ではありませんがガリレオ衛星(5等級前後)が扱えたら面白いですね。木星本体撮影から望遠鏡の姿勢を変えることなくリアルタイムで高感度の光軸確認ができます。

③ 光条を伴う視等級の下限は通常版のトライバーティノフマスクで3等級前後(透明度考慮)です。透明版に置き換え、ビニング(x2)併用で下限を5等級に拡げられないか検証するつもりです。


★彡 Windy高層気流図と惑星シーイング①; 系統的に継続して眺める

最近、撮影の付帯情報として①天気図に加えて②4つのWindy高層気流図を掲載するようにしています。(下記の青字は8月8日記事の引用です)

あまり例が無いので、高層気流とシーイングとの連関を系統的に継続して見ていきたいと思っています。そして高層気象への理解を深めたいですね。

参考; 8月9日0h(JST) Windy高層気流図

撮影時刻から4時間ほど後の高層気流図です。
高度10,000mの図で、秒速20m程度の赤の激流が南下し東日本から北海道をスッポリ覆い隠しています。これがシーイングに影響しているようです。この南下は日本海上空に達した台風8号の残滓の温帯低気圧が高層気流をブロックしたためです。高層気流も多発する台風に振り回されています。


■4つの高度の選択
Windyでの指定可能な高度は14通りもあります。ブログでは代表的な高度4つに絞りました。それは250hPa/10,000m、400hPa/7,000m、700hPa/3,000m、850hPa/1500mの4つです。1,500mをスタートに、倍、また倍と高度でほぼ指数関数的に選んだことになります。

■風速とシーイング
圧縮性を伴う大気の流れでシーイングに影響するのは密度変化だと思われます。この密度の変化幅と流速には明確な正の相関があると思われ、流速が速いほどシーイング悪化を招くと想定しています。

■風速と色のスケール
Windyの画面下には風速スケールと表示色の対比が示されています。おおよそですが以下のようです。

淡黄: 60m/s(スケール未記載)
白: 50m/s(スケール未記載)
紫: 40m/s
青: 30m/s
赤: 20m/s
黄: 15m/s
緑: 8m/s
青: 3m/s


▲一番下のココです

■高度と気圧、そして風速
高度10,000mでは気圧250hPaと地表の1/4以下となります。そして日本列島上空でも淡黄色の風速60m/sを超える場合があります。希薄な大気下でどの範囲の風速が影響するのかはとても興味深いです。

ここから少々怪しいですが、ベルヌーイ定理でしたっけ、圧力と風速の二乗が連関するという定理があります。そうなら、地表の風速と同等のエネルギーを圧力1/4の高度で獲得するには、風速が2倍を超える必要があります⁈

例えば地表で10m/s(緑)は結構な風速ですが、高度10,000mでなら風速20m/s(赤)相当に匹敵するということです。冒頭の60m/s(淡黄色)なら、地表では台風の暴風圏の風速30m/s(青)の感じです。

以上から、高度10,000mでは、赤以上ならシーイング悪化域と思われます。4つの高層気流図を一覧して、緑を超え黄以上ならシーイング悪化要警戒域と思えば間違いないでしょう。

間違いあればどうぞご指摘ください。

■さいごに
冒頭の4枚の画像はiPhoneで作成しています。

①Windyで4枚をスクショ
②"写真"の一覧表示で4枚続きをスクショ
③PicsArt で②と活字テンプレートを合成トリム

だいぶ簡単化したので負担は少なくなりました。②がポイントですね。



(つづく)






★彡 猫に小判⁉︎; シュミカセにまさかのダイアルゲージ(4); 短焦点屈折にも対応、、世界初⁉︎

シュミカセに取り付けたダイアルゲージユニット。驚いたことにそのまま短焦点屈折にも取付けが可能でした。→ 偶々なんですが、「シュミカセ・屈折兼用のダイアルゲージ」が完成したことになります。世界初⁉︎、、、かも ^ ^

■シュミカセ ・屈折兼用ダイアルゲージ


画像はタカハシの短焦点屈折鏡FSQ-106ED(これは猫ではありません)にダイアルゲージを取付けたところです。黄色のホルダーがドローチューブ装着のx1.6エクステンダー(50.8Φ)を掴んでいます。

一方、接眼体上部(合焦ハンドルの反対側)の四角い台状突起(幅 約45mm)に取付けたストッパー(※)にダイアルゲージ端子先端が当たり上手く停止するようにしてあります。



※商品名 かもいフック KH-002を転用


■兼用ダイアルゲージユニット; 兼用化の原源


兼用化を可能にした要因ですが、開口の黄色のホルダーの取り付け自由度の高さ(言い換えれば"緩さ")が幸いしたようです。ダイアルゲージというと、いかにも精密機械というような凝った金属ブロックの装着治具のものをよく見かけます。それがかえって仇になっている気がします。

ダイアルゲージで4連続の記事を書くとは思ってもみませんでした。(了)



(最初の記事に戻る)




★彡 猫に小判⁉︎; シュミカセにまさかのダイアルゲージ(3); さらに小改造で今度こそ完成

一昨日完成したばかりのシュミカセ ダイアルゲージですが、アイピース(@フリップミラーY方向)をカメラ(より口径大)に付け替えると見事にぶつかり頓挫・破綻。しばらくジーッと眺めて、、思いついた小改造でなんとか蘇生・復活できました。

■シュミカセ ダイアルゲージ(小改造後)


機材などの固定に使う I 字ステンレス金具(長さ100mm)を使ってステムホルダーを下げ、ダイアルゲージ高さを75mmほど下げました(構想スケッチ時から比べるとおよそ115mmも下げたことになります)。端子先端はシュミカセ底部に届くのでそのまま接触させることにしました。結果的に小改造前に用いたホースクランプおよびストッパー金具は不要となり、外観までスッキリしました。



この小改造で、フォーカサーの機械パーツ系と接眼部の光学パーツ系が物理的に二分されて取り扱い易くなりました。毎度、突き詰めていくと必ず良くなっていきます。今度こそ完成でしょう。



(つづく)



(追記)
今回、ダイアルゲージはデジタル表示のものを選びましたが大正解でした。

・アナログのものと比べて、25.4mmのストローク上のどの点でもゼロ表示(起点化)可能で±差分の読み取りが楽です。また数値の読取りも速く、誤認も圧倒的に少ないと思います。

・またRS-232Cポートを内蔵しているので、USB変換すればPCでデジタル数値の取込みができるようです。極楽観望など将来の楽しみになりそうです。



★彡 猫に小判⁉︎; シュミカセにまさかのダイアルゲージ(2); 現物組み上げと調整

先日ネット注文したパーツが本日すべて揃いました。早速組み上げシュミカセに取付け調整したところ、ほぼ構想スケッチ通りのシュミカセ・ダイアルゲージが完成しました。

■シュミカセ・ダイアルゲージ

▲ダイアルゲージ正面画像
・垂直方向の干渉をチェックした結果、アイピースとの干渉を避けるためダイアルゲージ高さを構想スケッチより4cmほど低くしました(ステムホルダー上下をひっくり返し)。
・ダイアルゲージ高さが低くなったため、フォーカサー底面にホースクランプを巻きつけ、そこから急遽自作したストッパー金具(※)を立ち上げ固定。この金具にダイアルゲージ端子が当たるようにします。

※デスクトップPCのPCIスロットカバー残材を利用




▲左斜めからのダイアルゲージ画像
ステムホルダーの固定の様子がわかります。
・ドローチューブ(65mmΦ)のアイピース・クランプボルトを避けるため黄色のホルダー(60mmΦ)は開口していてグリップしているだけです。その取付けネジ穴に10mmΦの管筒金具を立てステムホルダーを固定しています。
・黄色のホルダーはやや幅(20mm)が広いため、その下側でドローチューブを掴むと上側がADCの水準器と干渉します。これを避けるため、やや上側で掴み下側に6mmほど遊びの余地を残しています。

注: 今回使ったパーツは構想スケッチに記載しています。

(補足)
木星撮影で表面模様でピントが掴めない場合、ガリレオ衛星のデフォーカス内外像の中間点でピントを試す場合があります。

衛星本体と同じ程度のドーナツ穴を目安に、およそ片道8ステップで内外像を往復します。この第4か第5ステップをピント位置にするのです。(ステップ当たりの移動距離はアナログなためバラつき再現性が乏しい欠点があります)

この指先の感覚に頼るルーティン操作をダイアルゲージで確認すると電動フォーカサーの移動距離はばらつくものの凡そ250μm/ステップ。8ステップ合計で1.8~2.2mmピント位置を変えていることになります。(焦点深度は±900μmでしたから、幅1.8mm。上の数字と符合しています)

やり方を変え、内外像位置を直読してその真ん中にセットすれば、より簡単・正確だな、、、

というような事が数字で語れるようになりました。



(つづく)



★彡 猫に小判⁉︎; シュミカセにまさかのダイアルゲージ(1); 構想スケッチ

梅雨のこの時期なので、シュミカセのピント(非再現性)を改善する工作で楽しんでいます。シュミカセにまさかのダイアルゲージを使います。

ピントを決める要素は、①主鏡位置 と②接眼部フォーカサー位置 の二つ。ミラーシフトで難のある①を決めた後、せめて②はダイアルゲージで抑えてみようという狙いです。

注: ピントの非再現性についてはこちらを見て下さい。



■直焦点の焦点深度(おさらい)
参考記事によると焦点深度は次式で与えられます。
http://mtnsuzuki.la.coocan.jp/kaisetu1.htm

焦点深度=±2λF^2
(λ: 光の波長、F: 光学系の合成F値)
この時、λ=0.5(μm)=500(nm)では、
=±F^2 (μm)

となります。Fの二乗と覚えやすいですね。

■シュミカセに必要なダイアルゲージ精度
必要精度を「焦点深度(絶対値)の1/20」と定義して、市販のダイアルゲージ(10μm計、1μm系)の適否を整理してみました(下表)。



この結果、惑星撮影には10μm計で充分なことが判りましたが、結局はかねてより憧れの1μm計を選びました。

(補足の説明)
A. C11 直焦点; 惑星撮影(F/30)
Fが比較的大きいので、所要精度45μmほどです。ダイアルゲージの精度から見れば余裕でクリアします。この組合わせをネットで見かけないのは道理だと思います。やはり"猫に小判"かな⁉︎

B. C11 直焦点; 系外銀河撮影(F/6.3)
(参考: C. FSQ106-ED; 星雲撮影(F/5))
対象が暗く、比較的小さなFが必要な場合は、上の事情は一変して所要精度は厳しくなります。どちらも10μm計は不適となり、ようやく1μm計の出番となります。

■取付けイメージと必要部品



さて楽しい工作の時間です。
真ん中のスケッチは①フォーカサーを接眼部から見た平面図です。いくつかのパーツを使いダイアルゲージが取付けられています。必要なパーツはネットで捜しながら、現物合わせを机上で行い構想を練った結果です。(iPocket drawというiPhone アプリが便利です)

この構想スケッチで、課題; (ダイアルゲージをドローチューブ(薄紫、65mmΦ)とフォーカサー本体(灰色、85mmΦ)の間に取付けること)が実現できそうだと判りました。
(昔は休日に秋葉原や渋谷に出かけて終日パーツ捜しでしたが、今はスマホでネット検索で済みます。便利な世の中になりました)


(詳細)長文御免
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まずドローチューブを②ホルダー 60Φでグリップ。ダイアルゲージを掴む③ステムホルダー(標準部品)を、④M5ネジ穴付き管筒(10mmΦ、L=20mm)を介してホルダー60Φの取付け穴に固定します。ステムホルダーの先端の穴(8mmΦ)にダイアルゲージ(破線四角)のステムを差し込んで固定します。

後はフォーカサー本体にストッパー(薄紫、斜め四角)を適切に取付けて、ダイアルゲージの端子の先端に当たるよう高さ調節すれば完成です。

平面方向の寸法はかなり正確に読んだので大丈夫でしょう。垂直方向は接眼部(未記載)との干渉があるので、部品到着後にさらに現物合わせの予定です。
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丸一日 構想スケッチやらネット検索で楽しんで、先日日曜日に6点のパーツをネット発注しました。どうなるか今週末の組立てが楽しみです。



(つづく)


★彡 スマホで簡単; 木星 大赤斑の正中時刻 計算ツール

大赤斑の出現時間帯がいつかは木星撮影には必須のものです。指定日の大赤斑の正中時刻を計算するとても便利なWebツールがあります。

■SKY & TELESCOPE のWebツール
おなじみのSKY & TELESCOPEサイトには正中時刻を表示する機能が用意されています。

http://www.skyandtelescope.com/observing/interactive-sky-watching-tools/transit-times-of-jupiters-great-red-spot/

上記リンクをクリックすると次のページが表示されます。前置きがとても長いのですが、お目当ての正中時間の計算機能はこのページの末尾部分にあります。




■計算ツールの操作の説明
使い方はボタン操作でとても簡単です。

①まず末尾の「Initialize to todayボタン」をクリックすると最初の空欄に「当日」(UT)が入力されます。
②その結果、当日の2回を含む向こう3回の正中時刻(UT)が表示されます。また隣にはローカル時刻(LT)も表示されます。
③もちろん最初の空欄には、任意の日付を入力することもできます。この場合は「Calculateボタン」のクリックが必要です。

■実例(2019 5/14(UT))の紹介
試しにページで記載されている5/14の例を紹介します。

⚫︎撮影可能な正中時刻?
木星の自転時間は約10時間なので、地球時間だと正中時間は一日2回(=2.4回)あるわけです。5/14の例ですと、観測可能な夜間での候補は2番目の午前03:37のみだと分かります(LTの表記でamとpmが見づらいです)。

⚫︎大赤斑のシャッターチャンス?
大赤斑の出は正中時間のおおよそ2時間前です。当日、出から正中までを狙おうとすると、シャッターチャンスはおよそ午前01:40から03:40だと分かります。

■さいごに
Webツールなのでスマホで手軽に利用できるのが良いところです。このためだけにPCを起動して天体ソフトを立ち上げるのは億劫ですから。

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追記
本稿は2017/04に掲載した初稿記事(廃止)を見直して再掲したものです。



★彡 惑星撮影の合成F値(2); 必要fpsから決まるその許容範囲

代表的なカメラASI224MCで木星を撮影するケースを考えます。
カメラを決めると所要の画素数ROIが決まるので、望ましい合成F値の幅が決まってきます。

以下に具体例を示します。

■フレームレートとROIの設定
木星の自転速度は速く撮影時間の制約が厳しい惑星です。このためフレームレートは100fps以上が望まれます。

ASI224MCの仕様を見ると
1280×960(1.2M pix): 65fps
800×600(0.5M pix): 102.9fps
640×480(0.3M pix): 127.6fps

画素数とフレームレートのトレードオフの関係から、ASI224MCならROIを800x600に抑える必要があると判断されます。

こうしてROIを決めると合成F値の許容範囲が決まってきます。

■ROIと木星像ピクセル数
ROIを800x600とした場合、
センサー上では凡そ直径400~500pixの円として木星を写すことになります。

参考) 3つの同心円(直径 400,500,600pix)


■合成F値を求める
C11とASI224MCで視直径40"の木星を400~500pixに写すための合成F値の許容範囲を求めてみます。

合成F値は以下で求められます。
F=206•p[pix]•ps[μm/pix]/ω["]/D[mm]

(凡例)
p: ピクセル数
ps: ピクセルサイズ
ω: 視直径
D: 口径

したがって
F=206•(400~500)•3.75/40/280
=27.6~34.5 →27~35=31±4

となります。
ピクセル数の許容範囲の幅を狭くすると合成F値の許容範囲は狭いものになります。合成F値は撮影系の変更により大きく変動しますので、常に意識しておく必要があります。



(最初の記事に戻る)



★彡 ASI120MMの実力見直し(4); 木星 UT:2018-06-04 LRGB合成方法の見直し

梅雨入り直前ですが、連日晴れて撮影機会に恵まれています。木星のLRGB合成ですが、方法を少し見直してみました。

■木星 UT:2018-06-04 13:00:54

C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, Ir-cut, North-up
---
L画像
ASI120MM 120s@36fps x2
Shutter=15.25 ms
Gain=58 (58%)
De-rotation=7m
---
RGB画像
ASI224MC 120s@88fps x2
Shutter=7.9 ms
Gain=350 (58%)
De-rotation=21m
---
Diameter=43.83"
Magnitude=-2.45
CMI=184.4° CMII=298.2° CMIII=169.8°

先回実施したDe-rotaion R/G/B frames では、時間差のあるLとRGBを合成していたのですが、今回はL画像に時刻を揃えたRGB画像で合成してみました。ネットでの先人の事例に倣ったわけですが、合成後の発色の調整が楽になった気がします。以前のは何か発色が不自然でした。
先回方法でもLに時刻を揃えて合成されると思っていたのですが補正精度に違いがあるようです。

L画像を旧世代モノクロームカメラで撮ってそこそこ精彩な画像が得られました。①WinJUPOSでのLRGB合成法、②2カメラ向きのイメージングフリップミラー採用、③フォーカサー/接眼部補強の相乗で旧世代のモノクロームカメラをうまく活用できました。もちろんシーイングが良かったのが一番ですが。

参考)6月4日21時 天気図

南方に3つの熱帯低気圧が発生しているようです(画面では二つ)。梅雨前線をこれらが押し上げ活発に刺激するようですから撮影はしばらくお預けですね。




(最初の記事に戻る)



★彡 ASI120MMの実力見直し(3); 木星 UT:2018-05-29 木星の実写

当日は細かな縞状の厚い薄雲が流れ撮影に向かない空模様。カラーカメラでは絵がパッとしないようなので、先日取り上げたモノクロームカメラASI120MMを使い木星の撮影をしてみました。

■木星 UT; 2018-05-29 13:42:30

C11, x2 Barlow, ADC, Ir-cut, North-up
ASI120MM, 120s@21fps
Shutter=56.5 ms
Gain=70 (70%)
De-rotation; 7.4m
ASI224MC, 120s@31fps
Shutter=39.25ms
Gain=420 (70%)
---
Diameter=44.21"
Magnitude=-2.47
CMI=342.0° CMII=141.4° CMIII=11.3°

薄雲で通常より一桁暗い木星なので、バーローの拡大率を3倍から2倍へ落とし、さらにシャッターを通常の5倍程度の長さに伸ばして撮影しました。

劣悪な条件のため最高感度のカラーカメラASI224MCでも拾えないSEBの明るい渦模様を、旧式モノクロームカメラASI120MM が写し出していて少し驚きました。

カラーカメラでは両極圏は暗くツルんとした印象でしたが、モノクロームカメラではウネウネと細かな帯が見えてきました。モノクロームカメラに重心を置く方が多い訳を改めて納得しました。



(つづく)



★彡 ASI120MMの実力見直し(2); L感度の比較【対ASI224MC】

この話の発端は、ASI224MCに組み合わせるモノクロ・カメラとしてUSB2.0のASI120MMが使えるかということでした。

苦戦が予想されたフレームレートはなんとかなりそうという結論でした。

やはり採否の勝負はL感度ですよね。
モノクロカメラASI120MM(発売2013年; ON semi製CMOSセンサー)が、カラーカメラASI224MC(発売2015年; SONY製CMOSセンサー)に勝てるでしょうか?

予想としては完敗しそうですが。

■モノクロ画像比較
(1)ASI120MM撮影結果

木星 UT; 2018-05-22 14:49:24
C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI120MM, Ir-cut, North-up, 120s@73fps
Shutter=12.25 ms
Gain=70 (70%)


(2)ASI224MC撮影結果(Lデータ)


木星 UT; 2018-05-22 14:44:06


このモノクロ画像は、オリジナルカラー画像(下記)をモノクロ化(ルミネッセンス)処理したものです。



C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI224MC, Ir-cut, North-up, 120s@95fps
Shutter=6.8ms
Gain=400 (66%)
ハイライトがかなり飛んでますが、、

二つの比較ですが、(1)ASI120MM の方が(2)ASI224MCのモノクロ化画像に比べて細部の解像度は高いようです。さすがモノクロカメラということでしょうか。

ただ木星の場合、LRGB合成の手順を踏むほどの圧倒的な大差とまでは行かないようです。

もう少し撮影時間をかけても良い対象の火星などならさらに差が広くのでしょうか。

■まとめ
完敗を予想したUSB2.0のASI120MMですが、フレームレートにやや難を感じるものの、L感度を含めまだ現役で活躍できそうです。

今回の結論は、木星のL画像撮影では「現状トップクラスの感度のカラーカメラASI224MCを追いやるまでではない」でした。

追記
カラー画像のモノクロ化など比較方法の技術的妥当性には今ひとつ自信がありません。



(つづく)


★彡 ASI120MMの実力見直し(1);フレームレート実測

だいぶ前に買い込んでいたこのモノクロ・カメラ(USB2.0)ですが、今まで惑星撮影には用いてなかったので、今回あらためて木星撮影をして使い方の確認をしてみました。(今までの主用途はガイドカメラ)

■木星撮影に必要なスピード(fps)
このカメラの弱点は一世代前のUSB2.0だということです。本当に実戦に使えるスピード(fps)が出せるのか検証してみました。

以下は自転速度の速い木星の場合です。
必要最少フレーム数、許容撮影時間を下記とすると、最低でも約25fps以上、余裕をとればその倍の50fps以上が必要です。

- 必要最少フレーム数: 3000
- 許容撮影時間: 120s

一方で、ASI120MMのカタログでは 74fps@800x640となっています。

■検証結果
High Speed指定(以下HS)、16bit 指定(以下16bit)の各オプションを変えて撮影してみました。

共通撮影条件
・Shutter=12.25ms
・Gain=70 (70%)
・Duration=120s
・ROI: 800x640

(1)HS: OFF、16bit: OFF → 42 fps

UT: 2018-05-22 14:47:12
Frames captured=5077
Bit depth=8bit
FPS (avg.)=42

HS: OFFではfpsはカタログ値の半分くらいしか出ません。6000フレーム(=120sx50fps)にはわずかに届きません。

(2)HS: ON 、16bit: OFF → 73 fps

UT: 2018-05-22 14:49:36
Frames captured=8814
Bit depth=8bit
FPS (avg.)=73

HS: ONでカタログ値に近い値がでるようです。フレーム数も8000を超えました。
(ASI224MCでは、HS: ONではADC出力; 12/10bitが12bitから10bitとなるため、画質優先ならHS: OFFが推奨されています。ASI120MMのカタログにはHS: ONのメリット・デメリットの記載がありません。ADC出力: 12bitとだけ記載されています)

今回の撮影結果を見ると、フレーム数の増大もあって(1) HS: OFFに比べて(2) HS: ONの解像度はむしろ上がって見えています。

(3)HS: ON 、16bit: ON → 21 fps

UT: 2018-05-22 14:53:12
Frames captured=2592
Bit depth=16bit
FPS (avg.)=21

試しにHS: ONとした状態で、16bit: ONで撮影してみました。fpsが大きく下がりフレーム数が過少のためかむしろ解像度が低下してしまいます。

ちなみにHS: OFF、16bit: ONでは撮影できませんでした。

■まとめ
(1)ASI120MMはUSB2.0インターフェイスながら、高fpsが必要な木星撮影でも十分に適用可能なようです。

(2)オプション設定
50fps以上を要求される木星撮影などでは、HS: ON、16bit: OFFが必要です。

注) 木星
Diameter=44.53"
Magnitude=-2.49

追記
ASI120MMのオプション設定では、こちらのサイトを参考にさせて戴きました。


(つづく)




★彡【De-rotation of images】カラーカメラの手軽さは捨てがたい

前回のモノクロ画像+カラー画像のLRGB合成(De-rotation of R/G/B frames)ではなく
カラーカメラ画像(同じく5月15日撮影)でDe-rotation of imagesをかけてみました。

■木星 UT: 2018-05-15 15:00:44


C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI224MC, Ir-cut, North up, 90s@85fps
Shutter=9.25 ms
Gain=400 (66%)
De-rotation; -8m, +15m
-----
Diameter=44.71"
Magnitude=-2.51
CMI=337.5° CMII=243.3° CMIII=109.6°

木星は衝を過ぎましたが視等級、視直径ともに十分見ごたえがあり撮影しがいがあります。大赤斑が顔を覗かせたカラー画像3枚でDe-rotation 処理をしてみましたが、やはりカラーカメラの手軽さは捨てがたいものがあります。



(最初の記事に戻る)






★彡【De-rotation of R/G/B frames】 LRGB合成のアライメント難を解消

15日の晩は梅雨入り前の最後の撮影機会だった気がします。当日はモノクロ/カラーの2台で初めてのLRGB合成を試してみました。

■LRGB合成の隘路:アライメントを克服
2018-05-15-1511_0-RGB-LRGB_ai2.png

これがWinJUPOSの機能De-rotation of R/G/B framesを用いてLRGB合成をしてみた結果です。良い出来とまでいきせんでしたが、やり方やその手順について理解することができました。

このLRGB合成なんですが
モノクロ+カラーの2種のカメラの合成では、アライメントだけでも、拡大率補正、X, Yズレ補正、θ角度ズレ補正と補正項目が盛りだくさんなので、やる気も起きませんでした。

かと言ってアライメントの楽なモノクロカメラ(フィルターワーク)に逃げると、3~4種のチャネル毎の各種処理工数増大という苦行が待ち受けます。なので並みの志の愛好家はカラーカメラに転びます。
私もその一人です。

しかしDe-rotation of R/G/B framesならアライメントのハードルがグッと下がります。私が出来たのが何よりの証拠です。また空間アライメントだけでなく、De-rotationなので間隔の空いた画像でさえ合成できます。

以前取り上げたDe-rotation of Imagesに比べて、チャネル毎に独立して合成できることが特長です。

■ De-rotation of R/G/B frames


・準備すること
まずモノクロ、カラー2つの画像からWinJUPOSのデータ形式でimsファイルを作成しておきます。

いよいよDe-rotation of R/G/B framesです。

【1】RGBデータの指定
パネルのRGB各チャネルの3つのボックスにimsデータを指定します。今回はカラーカメラの同一RGB画像(下記参照)を指定。

【2】Lデータの指定
4番目のボックスにモノクロカメラのL画像(下記参照)を指定。

周縁を弱めるLD値は0.9を指定。ガンマは1.0指定で開始。彩度を見て微調整しました。

【3】コンパイル
ボタンを押せばLRGB合成画像の完成です。

あとはRegiStax 等で強調処理を行います。

■参考 モノクロカメラの画像
木星 UT; 2018-05-15 15:11:03

C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI120MM, Ir-cut, North-up, 90s@57fps
Shutter=12.25 ms
Gain=70 (70%)

帯や縞の詳細までを写せると良かったのですがね。でもUSB2.0の一世代前のモノクロカメラでも高速でそこそこ写ります。

■参考 カラーカメラの画像
木星 UT; 2018-05-15 15:00:44


C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI224MC, Ir-cut, North up, 90s@85fps
Shutter=9.25 ms
Gain=400 (66%)

コスパの高いカラーカメラASI224MCはモノクロに負けていません。ASI120MM との組み合わせの善し悪しを今後見極めるつもりです。



(つづく)



★彡 惑星撮影の合成F値(1); 実効倍率と合成F値の求め方

惑星撮影に必須のバーローレンズですが、その実効倍率や合成F値を求めてみました。カメラはASI120MM、接眼部はイメージングフリップミラーの下図の構成としました。x2ショートバーローの例です。備忘録として残しておきます。



■実効焦点距離flの計算
実効焦点距離flの計算には、①惑星視野角ωとセンサー上での②惑星直径のピクセル数pが必要です。

視野角の計算は逆三角関数であるatan関数計算が必要ですが、引数δが小さくatan(δ)=δが成り立つような場合は四則演算で求めることができます。惑星撮影では四則演算で間に合います。

まず、惑星視野角ωですが
実効焦点距離flとセンサー上の惑星像実寸の比率に一致することから

ω[秒]=p[pix]•ps[μm/pix]/fl[mm]•180/π
=p•ps/fl•180/3.14•3600/1000
=p•ps/fl•206

∴ fl=206•p•ps/ω の関係が成立します。

ここでpsはセンサーのピクセルサイズです。

つぎに
惑星直径のピクセル数pを求めます。
PCモニター上で画像の設定画面(640x480)に木星赤道直径が占める寸法比率から

p=640[pix]•(9/14.5)=397[pix]

この結果から
fl=206•397•3.75/44.7=6870mm
となります。有効数字は二桁でしょうか。

■x2 ショートバーローの実効倍率
x2 バーローと呼んでいるものはWilliamopticsの双眼装置拡大レンズとしてノーズ先端部に取り付けて使っていたものです。

先程の実効焦点距離flからx2バーローの実効倍率は、6870/2800=2.45倍だと判りました。また合成Fは少し低めで24.5となります。実効倍率は、ADC+フリップミラーを挟み距離を置くことで+23%ほど拡大率が上がっています。


■課題のfps
fpsのカタログ値は下記の通りです。
1280x960@ 35fps(60fps)
800x800@ 66fps(85fps)
640x480@113fps(133fps)

()内はUSB3.0対応の後発ASI120MM-Sの値です。USB3.0の効果は歴然ですが、ROIで絞ると大差ではなくなるようです。60fpsくらい出るなら使ってみようかなと思います。



(つづく)



木星; 16ビットレコーディングとWinJUPOS De-rotation (2)

16ビットレコーディングとWinJUPOS De-rotationの続きです。

■16ビットレコーディングの当否?
ASI224MCで代表的な撮影モードの比較実験をしてみました。



カラーカメラの標準的な撮影形式(RGB32)に比較して、モノクロ撮影(RAW8)は高速撮影(140%)が可能で、さらにデータ量は半減(47%)できます。De-Bayer処理の手間を惜しまなければ、RAWは大変に効率的な撮影モードです。

一方で、今回の16ビットレコーディング(RAW16)ではデータ量はRAW8の二倍でカラー撮影(RGB32)並みに大きくなるのですが、RAWならではの高速性(140%)は享受できます。

カラーカメラASI224MCにおいて、カラー撮影(RGB32)に置き換えて「12ビット(4096階調)をフルに活かした高速(140%)なRAW16ビットレコーディング」は有益な選択だと思います。

参考までに、
ZWO社はASI224MCについて「惑星撮影には16ビット指定は通常不要」とSam社長自らコメントしています。16ビットは階調重視のDSO対応の位置づけということなのでしょう。

それでも、惑星撮影でLRGB合成までされる名人クラスの方々は、高画質追求のためL画像をモノクロカメラで16ビット撮影されているようです。

(参考)4月28日天気図


※木星像は安定して見えました。
一方、撮影前のスピカによる光軸確認ではトライ・バーティノフマスクの二次の回折光条が強風に煽られるように千々に乱れて認識できないほどの荒天でした。とても不思議でした、、、

そうか、スピカの方向にはやはり富士山が、、、高気圧が東に抜けた後は富士山からの気流の影響に留意する必要がありそうです。



(最初の記事に戻る)



木星; 16ビットレコーディングとWinJUPOS De-rotation (1)

以前から好シーイング時に実行してみたかった①16ビットレコーディングと②WinJUPOSのDe-rotationを試してみました。この28日から29日にかけての夜は好シーイングに恵まれました。
※末尾天気図の項参照

■木星 JST; 2018-04-29 01:03:55

C11, Explore Scientific x3 Barlow, ZWO ADC, ASI224MC, Ir-cut, North up, De-rotation 8'
-----
Diameter=44.54"
Magnitude=-2.50
CMI=209.6° CMII=244.8° CMIII=106.5°
Shutter=10.0ms
Gain=400 (66%)

これがFireCaptureで16ビットで撮影、AS!3でDeBayer処理他、RegiStax他で強調処理した画像をWinJUPOSでDe-rotation処理した木星像です。カラーカメラASI224MCでは、カメラのADコンバータ出力12ビット(4096階調)のうち4ビットを捨てて8ビット(256階調)で撮影します。けれど今回は12ビットのまま残し16ビット(正確には疑似16ビット)で撮影してみました。

■コンパイル前リファレンス


一方これがWinJUPOSでコンパイルした二枚のうちのリファレンスの一枚です。比較でDe-rotationにより帯や縞の細かな模様が浮かび上がるのが見て取れます。

上のコンパイルでは強調処理した二枚を、コンパイル後さらに二回目の強調処理していますので厚化粧な仕上がりですね。

■強調処理を二回から一回へ


これは軽くWavelet処理まで済ませた画像をコンパイル後さらに強調処理したものです。強調処理が一回なので最初の画像に比べると物足りない感じもありますが目指す方向はこちらだと思います。眼視のイメージに近いですね。結局コンパイル前の画像の画質を高めなさいということに帰結します。

慣れないWinJUPOSなので今後色々試してみたいです。



(つづく)



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